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非公式部活動ALM 作者:泉野 六
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喫茶というより

 三年の教室のある三階へと湧哉はやってきた。廊下を歩きながら阿良田と古野濱の姿を探す。教室の中を覗き込むとまだかなりの人数が残っていた。それもせわしなく動いている者が多い。
(この人たちにとっては今年が最後の文化祭だもんなあ。考えてみたら高校の文化祭って一生で三回しかないんだよな……)
 などとしみじみ考えてながら二人の姿を探して廊下を進む。思っていた以上に人が多かったせいで二人がどこいるのかさっぱりわからなかった。
(やっぱり阿良田先輩の言った通り昇降口で待ってた方がよかったか……?)
 遅れて集合場所に行った時の阿良田の反応を想像しながら多少気が重くなるがそんな不安はあるものを目にしてどこかへ行ってしまった。ある教室から制服を着ていない生徒たちが数人出てきた。もちろん服を着ていないという意味ではない。メイド服や執事服を着ているのだ。
「ここか……」
 頭の隅で去年の記憶がよみがえるがそれを抑え込みその教室の前までやってくるとちょうど中から大きな看板を持った制服姿の生徒が出てきた。看板には『男装女装喫茶』とでかでかと書かれ派手な装飾がされていた。クラスは3-B。企画からして間違いないとは思ったが湧哉は看板を持った生徒に尋ねることにした。
「すみません、阿良田先輩ってここのクラスですよね」
「ああ、そうだよ。おーい阿良田ー。ちょっと来てくれー。それにしても君いいタイミングで来たね」
「は、はい?」

 よくよく考えてみれば、ここで阿良田を呼んでもらう必要はなかった。クラスだけ確認すれば高坂達には伝えられるのだから。だが、相手の生徒は気を利かせて阿良田を呼んでしまった。

「なんなんだ? こっちはさっさと終わらせて帰りたいって、いうの、に……」
「ああ。お前に客」
「あ、阿良田、先、輩……?」
 お互いに顔を合わせて固まった。湧哉はポカンと口を開けたまま、阿良田は顔を引きつらせる。
「クラス以外には初お披露目になるのかな。こいつ顔立ちも整ってて素材もいいからさ。これできれいに化粧してたらまんま女の子だよな」
 阿良田は真っ黒なドレスに身を包み、メガネを外し目元まであった前髪は横によけられていた。最初に阿良田だと言われなければ女性と勘違いしてしまうかもしれない。それほどの出来栄えだった。
「下で待ってろと、言わなかったか……!」
「い、いや、先輩のクラスってどこだったかなーと思いましてそれでちょっとえーっとその……」
 ひしひしと伝わってくる痛みに湧哉は言葉を濁らせるしかなかった。
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