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非公式部活動ALM 作者:泉野 六
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記者の話1

「俺は何年も前から渡ヶ丘のネタを探してたんだ。あの校長はどこか臭う。いかにも善人って感じの振る舞いが目立つが実際にやることはおかしなことばかりだ」
「具体的にはどういうことなんだ?」
「あいつが校長に就任してからこの町はどこかおかしい。元々町おこしっていう話はあったがそれがいつの間にか町の再開発にすり替わってた」
「それの何が悪いって言うんです? 町が賑わうのはいいことなんじゃ?」
「ああそうだな。「町」が賑わうならな。だがそれで金が入るのは地元の人間じゃなく、外からやってきたやつらばかりだ。将来的に見れば地元も潤うと謳ってるが、地主たちは土地を売りまくってるからこの町の半分は外部の企業や資産家たちのものだ。近い未来この町はただの企業城下になる。この町には爺さん婆さんだって多い。このまま話が大きくなれば立ち退きを求められることだってあるだろうさ」
「……」
 記者の話は湧哉が思っていた以上に深刻なものだった。町が生まれ変わる。そういうと聞こえは良い。だが、実際のところはこれは乗っ取りに近い。
「あんたの言うことは最もだがそれと校長が関わっている疑う理由はなんだ? 校長の就任と重なるというだけでならただの世迷言だぞ」
「先代の校長、大御門はこの辺の大地主だ。だが奴には子供どころか妻もいなかった。膨大な資産は一時的にだが宙に浮いた。順当にいけば門一族辺りに収まるはずだが町を出て行った奴らの中には所在のわからないやつもいる。後々面倒なことになるかもってことでそれもなくなった」
 記者は一度話を切ると上着の内ポケットから煙草を取り出した。
「吸ってもいいか?」
「校舎すぐ外だ。遠慮してくれ」
「じゃあちょっと移動しようや。不審者扱いされてんのに敷地のすぐ横でってのは気が散って仕方ないからな」
 記者はそういうと学校の敷地とは逆方向の道へ歩いていった。特別焦った様子もない。湧哉と阿良田もそのあとに続いた。

 少し校舎から離れたところで記者は足を止めるとタバコをふかし始めた。
「お前らも吸うか?」
「吸うと思うか?」
「いや悪い悪い。あいつはよこせと言ってきたもんでな……で、どこまで話したか」
「大御門家の資産の話だ」
「ああ、そうだったな。で面倒なことになるんだったら学校の資産にしちまおうって話がどこからともなく上がったんだよ。門家の共有資産とは別に大御門が個人で所有していた資産に限ってだが。教育の場で使おうって言うんだからそれほど反対意見もなかったらしい」
「それを校長が画策したと?」
「おいおい察しがいいのは結構だが話の腰を折るんじゃねえよ。それに人の話は最後まで聞くもんだろう」
「わかった。続けてくれ」
 記者はタバコをふかすと大きく息を吐いた。同時に出てくる煙は風にもまれながら消えていった。
「それじゃあ次は、校長職の話だな」
 記者の話は続く。
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