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非公式部活動ALM 作者:泉野 六
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現れたのは

 様子を窺って十分ほどが過ぎた。阿良田が見かけたという人物が戻ってくる様子はなく、ただ時間が過ぎていくだけだった。
「誰も、来ませんね」
「まだ十分と少ししか経っていない。まだこれからだろう」
「誰かが現れるまでこうしてるつもりですか?」
「下校時間には帰るさ」
「そうですか……」
 阿良田はそれが普通だと言わんばかりだった。
「こんな張り込みみたいなことって今までもあったんですか?」
「何度やったな。逃げ出したペットを探してるときとか、いじめの現場を押さえようとしたときとかな」
「いじめのはなんとなくイメージできますけどペット探しって……。そんなことまでしてたんですか?」
「困ってるやつは放っておかない先輩たちだったからな。俺だけだったらそこまではしなかっただろう」
 無表情でじっと一点を見つめていた阿良田だったが、昔のことを話すときは少しだけ表情が緩んでいた。
「畑原もそうだろうが初めて張り込んだときは本当に意味があるのか疑問だったさ」
「ええまあ……」
「だが無駄にはならない。そりゃ毎回当たりだったわけじゃないが、辛抱が結果を招くことだってある」
「そういうもんなんでしょうか」
 まだ結果に表れていない段階では湧哉には確信がない。本当に意味があるのか? こうしてじっとしている時間で他にやれることがあるんじゃないのか? そう思わずにはいられないかった。 
「ああ。そんなもんだ。それに見てみろ。現れたぞ」
「ええ!?」
 湧哉も視線を上げると確かに誰かがこちらに向かってきていた。遠目にも辺りを警戒しているのがわかる。そして湧哉にはその人物に見覚えがあった。
「あれって例の記者ですよ!」
「なんだと?」
「ほら、俺のこと追い回した記者です」
「あれが? なんだそんな奴がここに……?」
 記者は泥のついたフェンスの近くで立ち止まるとしばらくその場から動かなかった。
「こういう場合はどうするんですか?」
「まだ状況がつかめない。動きがあるまで様子を見る」
「了解です」
 そこから数分、湧哉たちは静かに待った。記者は待ちきれなくなったのかタバコをふかし始めた。一本、二本、そして三本目に手をかけた時だった。
「吸おうとしたタバコしまいましたね」
「ああ。誰か来たらしい」
 誰かが枯葉を踏み鳴らしながら近づいてくる。
「これはまた、面白い組み合わせだな。お前を追い回した二人が現れるとはな」
「これって、どういう状況……?」
 現れたのは岩木だった。三日前に湧哉を追いかけまわした二人が校舎裏に現れた。これは一体どういうことなのだろうか……。
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