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非公式部活動ALM 作者:泉野 六
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犯人候補

 ALMメンバーは残りの昼休みと授業の合間で校内の防犯カメラの位置を確認した。その結果カメラは校門と裏手の入り口に一つずつとグラウンドを見渡すように設置されているものが三つほどあった。校舎内には設置されておらず屋台を壊した人物を特定することは難しそうだった。
 放課後すぐに奥崎を除いたALMメンバーは職員室前に集まった。文化祭前日で人の出入りの激しい今は三人でいても問題なさそうだった。
「校舎内にないのはわかってましたけど防犯カメラは役に立ちそうもないですね……」
「全く役に立たないということはないだろう。屋台が壊されたと思われる時間以前に登校したした者を調べればいい。確認してみないとわからないが百人もいないんじゃないか?」
「それじゃあやっぱり役に立たないじゃないですか……」
「七百人前後いる生徒からそこまで絞れれば十分だ。それに畑原に心当たりがあるならそこにだけ注意していればいいだろう?」
「それはそうですけど……」
 カメラ映像は生徒には公開されない。奥崎が確認をしてくるまで結果はわからないのだ。
「クラスのほうは大丈夫なの? 畑原君忙しいんじゃ……」
「結果を聞いたらすぐに戻ります。それに悠の方の手伝いもありますから……」
「た、大変だよね……」
「ええそりゃもう……」
 話をしていると職員室から出てくる生徒たちの後ろに続いて奥崎も出てきた。手にはファイルを持っていた。
「よし、とりあえずこれを見てみろ」
 奥崎は三人の下に来るとそのファイルを阿良田に手渡した。阿良田が何も書かれていない表紙をめくると湧哉と古野濱も中を覗き込んだ。
「これは……」
「誰も……いないね」
「ああ。カメラには校長もあの記者も映っていなかった。もちろん岩木もな」
「それじゃあ、犯人は他の人間ってことですか?」
「いや、そうとも限らない」
「?」
「カメラに岩木の姿は映っていないが、今日は朝から登校してホームルームにも出席していたらしい」
「カメラに映ってないのに、どうやって校舎に……」
「それはわからん。だが映っていないことは確かだった。谷口先生が直接聞きに行っている」
「それで岩木が白状すればすべては解決ってことですか?」
「あの岩木が素直に認めると思うか?」
「いいえ全く」
 大きなため息とともに奥崎は聞き返した。阿良田はそれに即答した。
「俺は岩木がどこから入ってきたのか調べます。畑原、お前は教室に戻ってクラスを手伝ってやれ」
「いや俺も少し手伝いますよ。一人で探すにはこの敷地広すぎますし阿良田先輩だってクラスのことあるでしょうし」
「グラウンドを見渡すカメラに映っていなかったということは敷地の半分は候補から削れる。それぐらいなら何とかなる」
「クラスの準備はいいんですか?」
「……」
「先輩?」
 珍しく阿良田は黙りこくった。まさかクラスメイトとうまくいっていないのではないかという考えが浮かんだが、その答えは古野濱から帰ってきた。
「阿良田君はあんまり乗り気じゃないみたい。阿良田君のクラス男装女装喫茶をやるらしいから」
「えぇ!? あれをやるんですかぁ!?」
「おい古野濱!」
「あ、ごめんなさい! 秘密だったよねごめんなさい! ついうっかり……」 
「くそ! どこから聞いたんだお前は!」
「うちのクラスの実行委員からだけど……。だって去年あんなに話題になってたからみんな知ってるかと思って……」
「……」
「……」
「奥崎先生なんですかその目は。それと畑原、お前のその顔もなんだ」
「絶対見に行きますから」
「ああ、私も行かせてもらおう」
「もういい! とにかく俺は調べに行く!」
 二人の返事に一瞬ひきつったような表情を浮かべた阿良田だったが不機嫌そうにその場を去っていった。
「いろいろ大変ですけど一つ楽しみができましたよ」
「ああ、私もだ」
「どうしよう阿良田君怒っちゃったよ~……」
 一人オロオロする古野濱をよそに湧哉と奥崎は阿良田の背を見送りながらクスクスと笑うのだった。
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