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非公式部活動ALM 作者:泉野 六
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可能性を探る

 井ノ瀬には言わなかったが湧哉にはもう一人心当たりがあった。だがこれはあまりに非現実的だった。
 「確かにお前の行動を抑制しようとしているのかもという話はしたが、今回のことはいくらなんでも無理があるだろう」
 一限の授業の間にこっそりとスマートフォンをいじり、奥崎に連絡を取っていた。ALMで話したいことがあると。すると奥崎が昼休みにいつもの図書室で会おうと返事があった。
「私も阿良田の言う通りだと思うぞ。いくらなんでも教師がそんなことをするわけがない」
 奥崎と阿良田は湧哉の意見には否定的だった。
「でも直接手を下さなくても校長が指示を出したってこともあり得ますよね? 教頭みたいな役割の人が他にもいないとも限らない」
「教頭以外にだと? 何か思い当たることでもあるのか?」
「私に圧力をかけてくるのは教頭ぐらいだったが……。というか他にそんな人がいるとは思いたくないな……」
「心当たりはないですけど可能性としては―――」
「ああ、その可能性は否定しないが、初めからすべてを疑ってかかることはできない。それに俺たちの活動は秘密裏に行わなければならないんだ。目立った行動は控えるべきだ」
「その秘密裏にっての面倒じゃないですか……。まあ公式で活動できるような内容でもないですけど」
「俺と古野濱が入ったときには既にそうだった。そう成されてきたんだから俺たちも倣うべきだ」
「そんなもんですかね……」
 とにかく表立って動くことはできない、ということだ。そもそも犯人捜しは生徒の仕事ではない。簡略的言えば『個人的横暴を阻止しよう』というALMの活動目的も同じことが言える。
「だが、今回畑原のクラスで起こったことは私たちALMとしても見逃せないことだ。犯人捜しは我々でも行おう」
「でも、私たちにできることって何でしょう? 先生方も調べてらっしゃるんですよね? それに防犯カメラの映像があればすぐに犯人も見つかるはずですし」
 証拠はすぐに出るはずなのだ。わざわざ『秘密裏』にという条件を守りながらするまでもなく……。
「時間の問題だが私たちでも一応調べよう。学校関係者なら防犯カメラの位置を覚えている可能性もある。それならカメラから何も出ないということも考えられる。その時は私たちの仕事になる。準備はしておこう」
 阿良田、古野濱ともに異論はないのか奥崎に言葉を否定するようなことはなかった。湧哉にとってALM初の正式(?)な活動になりそうだ。
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