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非公式部活動ALM 作者:泉野 六
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卒業生

 それから三十分ほどすると田島が屋敷に現れた。それに続いてぞろぞろと屋敷に人が訪れる。田島が集めた人たちだ。
「まさか本当に準備を済ませるとは……」
「俺はお願いしただけなんですけどね」
「ここなら全員が入れるだろう」
「どのくらいの人が来てくれるんですか?」
「五十名には届かなかったが四十人は手を貸してくれる」
「何とかなりそうですね」
「そう願うよ」
 部屋には三十人ほどの人数が集まって電話をかけ始めていた。湧哉は部屋の入り口で田島と話しながらその様子を眺めていた。
「お疲れ様です、田島先生。それから畑原もな」
 そんな二人に到着した奥崎が声をかけた。
「ああ、奥崎先生。お疲れ様」
「まさかこんな大掛かりに動いてくださるなんて」
「なに半分は畑原君の成果さ」
「確かにこいつはいざというとき役に立つもんです」
 奥崎はなぜか得意げに言った。まるで自分のことのように。
「そうだ奥崎先生。荻君も来ると言っていたよ」
「あ、あいつもですか?」
 奥崎の態度が急に小さくなった。なぜだろう? 奥崎は荻という人物が苦手なのだろうか?
「ああ。連絡したらなぜ話してくれなかったんだと怒っていたよ」
「い、いや、あいつは今忙しいですし、話しても来てくれるかわかりませんでしたから」
「君がそういうならそういうことにしておこう」
 田島は少しからかう風に言い残して電話の下へと言ってしまった。奥崎は落ち着かない様子で何やらそわそわとしている。
「どうしたんです?」
「ん? な、何のことだ?」
「そんなに荻って人が気になるんですか?」
「そんなわけないだろう!」
「いやいやその反応はどう見てもそんなわけあるだろ」
「!!」
「て、店長さん!?」
 なぜか喫茶店『MANNER』の店長が来ていた。
「こんなことになってるなら早く話してくれればよかったじゃないか、水臭い」
「別にお前のことを避けてたわけじゃない」
「それはわかってるさ。店にはちょこちょこ顔出してくれてるから、な?」
 ずいぶんと奥崎を追い詰めるのがうまい。手慣れている。
「まさか、店長さんが、荻……さん?」
「ああ。おぎ わたるだ。改めてよろしくな」
「よろしくおねがいしま―――」
 湧哉はあることに気が付いた。店長……荻と奥崎は同級生と聞いている。そしてここに荻が来ているということは……。
「―――え、ちょ、ちょっと待ってください。まさか荻さんは渡ヶ丘の卒業生!?」
「ああ。そうだよ」
「ってことは……ま、まさか―――」
「……」
「奥崎先生も!?!?」
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