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非公式部活動ALM 作者:泉野 六
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条件の場所

 田島に話を記憶ために湧哉は職員室を訪れた。職員室内に入り田島の席に目をやると彼はそこに座っていた。湧哉は田島の下へと直行した。
「田島先生」
「ん? 君は……」
 田島は湧哉の顔を見るを眉をひそめた。
「確か乾教頭の件の。話は聞いてる。どこかの記者がまとわりついているらしいね。その件に関しては―――」
「ええっと俺が来たのはそれとは別件でして」
「別件?」
「はい。前に門紅 悠と一緒に話を聞きに来ました」
「記念館の件か。私に何かできることが?」
「実は―――」
 湧哉は田島に現在の境遇を話した。悠が記念館を残そうと討論会に参加すること。しかしその準備断簡ですでに策が破城仕掛けていること。そこを修復するには人手が必要なこと。
「あと二日で五千人以上へ連絡を取りたいと……。なかなか難しいことをしているね。そして、討論会の相手はあの門紅 集くんとは……」
 額に手を当て顔を伏せた。田島も集のことは覚えているらしい。だが―――
「それはわかってます」
 湧哉には頼むしかない。すでに時間の制限が近づいてきている。
「……」
 額に手を当てたまま田島は考え込んでいる。なかなか返答がないので湧哉は内心ダメなのではないかと心配になった。もし田島に断られればほかに策はない。湧哉は祈るような気持ちで返事を待った。
「人手のほうは何とかしよう。取り壊しの反対運動をした時に話を回しておこう」
「それじゃあ……!」
「力を貸そう」
「ありがとうございます!」
「ただ一つ問題がある。二日で五千人となると少なくとも五十人は必要だ。その人数が入れる場所があるかどうか。今はどこで活動を?」
「記念館の電話を借りてますけど五十人となると……」
「あそこでは入りきらないな。それに電話も足りない。個人の携帯でかけてもらうわけにもいかない」
「広くて電話がたくさんある場所……。ここ……職員室は……」
「さすがにそれは許可が取れないだろう」
「そうですよね……。うーん……」
 湧哉は頭を捻った。大人数が入れてかつ電話が多い場所。大きな部屋という点はあまり問題ではない。探せばいくらでもある。問題は電話があるという点だ。そもそも個人で携帯電話を持ち歩く時代だ。固定電話を多くおいている場所は大勢が働くオフィスがほとんどだ。そんな場所を借りれるとはとても思えなかった。となれば電話は準備しなければならない。
(広い場所、広い場所……。そして準備ができるとこ……、というよりそんな準備ができる人がいるか?)
「……そういえばいるな」
「どこか思い当たる場所があるのか?」
「ええ適任者がたぶん手伝ってくれると思います」
「適任者……?」
 田島は湧哉の言っている意味が分からないようだったが、湧哉には当てがあった。
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