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非公式部活動ALM 作者:泉野 六
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手を借りに

 文化祭のタイミングでなければ手の空いている生徒は山のようにいただろう。こちらも文化祭だからこそ意見集めをしているわけなのだが。
 昼休みになると湧哉はすぐに教室を飛び出し昼食を確保するために購買へと向い、目に入ったおにぎり三つとお茶を買うとすぐに購買から出てほおばった。とにかく人を探す時間がほしい。クラスメイトが全滅とくれば他を当たるしかない。
(とはいえ、やってくれそうなやつってなると……やっぱり三年生か?)
 この新校舎へ移ったのは去年度からだ。一年間だけだが通っていたものの方が話に乗ってくれるかもしれない。だが問題がある。部活にも委員会にも所属していない湧哉は他学年に知り合いがほとんどいなかった。
(阿良田先輩にはもう断られてるし、古野濱先輩はすでに手伝ってくれてるし。全然いないな……)
 三学年の顔見知りはもう一人いるわけだが、頼みごとをするような仲ではない。というよりしたくはない。
 思考を巡らせているせいで一点を見つめながらおにぎりを口にする湧哉の姿を購買を利用しようする生徒たちが訝しむような顔で通り過ぎていく。このままだとまたおかしな話を持ち出されるかもしれない。とりあえず腹ごしらえをしようと思ってきたのだが探す当てがないのではこの場から動くこともできない。
(って言うか、何で俺がこんなに必死になってるんだろうな……)
 奥崎の授業で課題が未提出だったためにペナルティをつけられ、その手伝いを悠にしてもらう代わりに湧哉も悠を手伝うことになった。旧校舎には全く思い入れはなかったが、湧哉自身も過去に思い出の場所を失った経験から悠の気持ちはわかる。だからこそ少しでも手を貸してやりたいと思えた。だが、思い返せば悠自身も言っていた。取り壊しを"絶対"に止められるわけではないと。
(討論会でいい結果を残せなければそのあとの署名活動もはかどらないだろうしなあ……。一度ならず二度目も失敗……。いや待てよ?)
 一度目は失敗。それは間違いない。だが失敗したにしても署名活動をした者たちはいるということになる。
(一度目の署名活動をした人に頼めばいいんじゃないのか? 署名活動をしたぐらいだから思い入れは強いはずだ。となれば……!)
 湧哉は食べ終えたおにぎりのごみをゴミ箱に捨てると迷いなく歩き始めた。目指すは職員室。そこで田島に合わなければならない。一度目の署名活動に深くかかわっていた人物だ。思い返せば何か手伝えることがあれば手を貸すとも言っていた。これは期待できるかもしれない。
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