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非公式部活動ALM 作者:泉野 六
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集の学生時代

 放課後になると悠は討論会への出席を目指して教室を後にしていた。討論会は文化祭のメインイベントなだけあって参加希望者は多い。各議題に与えられる時間は一時間。入れ替えの時間を考えると実際にはそれよりも少ない。時間の制約がある以上参加できる数は限られるため今行われている抽選に通らなくてはならないのだ。抽選するだけならば湧哉は必要もないので教室に残っていたわけだ。
(これでもし抽選漏れしたら今までの苦労は水の泡だな……。まあ門紅ならなんとしてでももぎ取ってくるだろうけど)
 抽選が終わった後でも参加決定者との交渉次第で参加権を譲り受けることもできる。そこは生徒のトーク力にかかってくるわけだが悠ならば交渉に失敗する心配もない。それよりも湧哉のことが心配だった。
(討論相手は門紅集……か)
 一度しか会っていないが色濃く印象に残っている。完璧なルックス、在学時は生徒会長、まだ若いにもかかわらず役所の代表として会議へも参加している。まるで非の打ちどころがなかった。悠も成績はトップクラスであり頭も回る。だが集を前にするとどこか及ばないような気がする。年齢差の問題もあるかもしれないが仮に同い年だったとしても勝てるという確信は持てそうになかった。
「なーに難しい顔してんのさ?」
「門白か。まだいたのか」
「なによ。私がいたら悪いわけ?」
「もう部活に行ったんだと思ったんだよ」
「それならいいけど。で、なんなのその顔は?」
「門紅の兄貴ってどんな学生だったんだ?」
「集兄? なんでまた」
「討論会の相手」
「え!? 集兄と討論するってこと!? それってかなり相手が悪いと思うんだけど」
「だよなぁ。一度しか会ってない俺でもあの人は頭いいってわかるし。いや門紅だって十分頭いいのはわかってんだけどどうも相手が悪いような気がして」
「そりゃそうだよ。集兄は伝説残してるからね」
「伝説ぅ? ま~た大げさだな」
 結は一瞬むっとした顔をしたが何も言わずに話し始めた。
「一学年の時には生徒会の書記に就任。その後すぐに頭角を現して書記ながら生徒会の中心人物に。次の年には二位に大差をつけて生徒会長に当選。当選後はさらに活躍。校則の大改革を行う。それから任期終了までの間に校内の素行不良者を一掃。停滞気味だった渡ヶ丘の評判を回復させた」
 結がこんな風に淡々と言葉を並べるなどということは初めてだった。これはまるで……
「……よくもまあそんなにぺらぺらと……まるで門紅だ……」
「十年近く悠から聞かされ続けてきたからね」
「ああ……。なるほど」
「でも集兄が取り壊しに関わってるって聞いてからは話さなくなった……かな」
「となると二年前。俺が聞いたことないわけだな」
「そうだね。当時はわけもわからず聞いてたけど大きくなるにつれて集兄はすごいことやってたんだなって思ったよ」
「校則の変更なんてな。内容にもよるけど生徒が関わることなんてめったにないだろ」
「それをやってのけたんだってさ」
「これは……相手が悪いな」
 悠は相手が集であることが鍵だと言った。そうすることでいい結果になると。だが、そもそもその討論を有利に進められるのだろうか? 意見集めも終わっていない。相手は悠以上に優秀な元生徒会長。この戦いに本当に勝機はあるんだろうか……。
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