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非公式部活動ALM 作者:泉野 六
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 その後、湧哉は奥崎から話を聞いた。奥崎は他の教員に校長について探りを入れてみたらしいがなかなか進展はなかったらしい。誰も批判的な話をしなかったそうだ。あまりのいい話っぷりに疑っているこちらがおかしいのではと思うほどだったという。また、悠の意見集めでは取り壊しには反対の意見が圧倒的に多いらしい。だが、文化祭までにすべての卒業生に意見を聞くにはやはり時間が足りないらしい。
「なのにだ。門紅にはあまり焦っている様子がない。まだ半数も終わっていないんだぞ?」
「ものははっきり言うやつなんでダメならダメっていうと思うんですけどね。それに普段の行動ならまだしも策を練るっていう面じゃあいつが何考えてるかはさっぱりわかりませんよ」
「別にお前が答えを知っているとは期待していなかったぞ。お前の場合、奇策は奇策でも策謀とは違うものな」
「どうせ俺考えるのが苦手ですよ」
 湧哉は拗ねた様子でサンドイッチをほおばった。それを見ながら奥崎は笑いながら水を口にする。
「それよりも畑原を追ってきたという記者のほうが緊急事案だな。畑原の身に何か起こる前に警察に連絡を入れたほうがいいかもしれない」
「確かに多少の身の危険は感じましたよ」
「だが岩木のほうは……。最近は教師の立場も弱いものだからな。言うことを聞かないやつはどうやっても言うことを聞かん。それにあの手のやつが暴れたら私は抑えられない。口頭注意が精一杯だ」
「でも俺のことは脅して使ってましたよね~」
「お前の時は私も一人で切羽詰まっていたといっただろう。私も反省してる。もうぶり返すな……」
「……はい」
 少しからかうつもりだっただけなのだが、湧哉が思っている以上に奥崎は重く受け止めているようだった。実際重かったのだから当然である。そんな場面に店長が大きなお盆を持って現れた
「おいおい、静まっちゃってらしくないんじゃないか?」
「う、うるさい! それよりサービスはどうした!」
「はいはい只今お持ちしたからそんなに大声出すなって。はい、こちら」
 店長はお盆の上から次々と皿をテーブルの上へと置いていった。
「まずはサラダ、それからにワッフル二枚にホットケーキ二つにカフェオレ。それからそれから本日のデザートのチョコレートパフェでございます」
 すべて置き終わったときには奥崎のテーブルはいっぱいになってしまっていた。
「ご満足いただけましたでしょうか?」
「文句はない」
「また御用がありましたらおよびください」
 店長が立ち去るのも待たず奥崎はホットケーキにはちみつをたっぷりとかけるとそれをほおばり始めた。湧哉は店長のサービス具合に呆然としていたが奥崎は勘違いしたようだった。
「なんだ? 食べたいなら分けてやらなくもないぞ?」
「い、いや。大丈夫です……」
「そうか」
(なんか、甘いもの多くね?)
 そんな疑問が浮かんでくるもおいしそうにそれをほおばる奥崎にそんなことは言えない湧哉であった。
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