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非公式部活動ALM 作者:泉野 六
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校長室探索

 翌日、ALMはある作戦を実行することにした。
「白昼堂々と校長室に忍び込めなんて無茶すぎやしませんかね……」
「わかってる」
「絶対夜に忍び込む方がうまくいきますよ」
「それは阿良田が首を縦に振らなかっただろう?」
「いやそもそも忍び込んでって時点で色々アウトだと思うんですけどね」
「ごちゃごちゃ言うな。ほら、そろそろ行くぞ」
「はい……」
 まだ校舎の鍵が開けられたばかりの早朝、湧哉と奥崎は校舎を訪れていた。部活の朝練をする生徒ですらこんなに早くから登校はしない。今校舎にいるのは二人と数人の教員ぐらいだろう。だが、30分もすれば次第に人が増え始める。そうなる前に事を終わらせる作戦だ。
「私は校長室の鍵を取りに行ってくる。畑原は先に五階へ」
「了解です」
 中央広場まで来ると二人は一度別れた。湧哉は階段をせっせと五階までの階段を上った。
 最上階である五階に来ることは少ないが、校長室となると更に訪れる機会は少ない。見慣れない校長室の扉の前で湧哉は辺りを経過しながら奥崎を待った。
(先輩たちからはまだ連絡がないってことはまだ大丈夫か)
 湧哉と奥崎が校長室に忍び込む間、阿良田と古野濱の二人は学校までの道で校長が出勤してこないかを見張っている。校長は毎朝ジョギングで出勤する。朝のこの日課は欠かすことなく毎日行い同じコースを走るらしい。古野濱は駅周辺、阿良田は校門前で待機している。探索が間に合わない場合は阿良田が少し足止めをすることになる。
「さて、どうなることやら」

 数分後、奥崎が階段を上がってきた。
「エレベーター使わなかったんですか?」
「使うと目立つからな。それじゃあ行くぞ」
 奥崎は校長室の鍵を取り出すと扉の鍵穴に鍵を差し込んだ。
「そのカギ持ち出したらばれるんじゃないですか?」
「校長室の鍵は校長本人も持っているからこの鍵はスペアだ。使うことは滅多にないから大丈夫だろう」
 鍵を回すとカチャリと鍵の開く音がした。奥崎はドアノブを回し扉を開いた。
 右手には書類や本の置かれた棚が置かれていた。右手には前任者にして創立者である大御門前校長の写真が掛けられていた。正面には応接用のソファと椅子、その奥には校長のデスクが置かれていた。デスクの上にはノートパソコンや書類が整理されて置かれていた。
「どこから探します?」
「とりあえず机からだろうな」
「了解です」
 二人は机周辺を捜索し始めた。
「元に戻せるようにしておけよ。位置が変わっていたら気づかれるかもしれない」
「わかってますよ。それにしても全然それっぽいのないですね。学校関係のばっかりだ」
「そうだな。こっちも特にめぼしいものはな……おい」
「なんです?」
「金庫がある」 
 奥崎が指差したのは机の下。そこには隠すようにダイヤル式の金庫が置かれていた。
「これはさすがに開けられないですよ。やるにしても時間が」
「そうだな……。この中が怪しいがこれじゃあ手が出せない……。今回は他を徹底的に探そう」
 金庫のことは一度置いておき、二人は机、棚周辺をくまなく探した。だが、怪しいものは特に見つからなかった。そうこうしているうちに時間は過ぎ古野濱から最初の連絡が入った。
『校長先生が駅前を通りました』
 机周りは調べ終え、棚もすべてではなかったが本一冊一冊を取り出して調べた。今思い当たるのはやはり金庫だけだった。
「あと10分もすれば阿良田のところも通るだろう。今回は引き上げよう。元に戻すぞ」
「そうですね。早いところ出ましょう。外も少し騒がしくなってきましたし」
 窓は閉じているが登校する生徒たちの声が聞こえてきていた。金庫の発見は成果ではあったが、新たな関門の発見でもあった。
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