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非公式部活動ALM 作者:泉野 六
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外部からも

 図書室での会合後、阿良田を除いたメンバーは悠と共に記念館で悠の意見集めを手伝った。湧哉は阿良田にも手伝ってくれないかと尋ねたが阿良田は首を縦には振らなかった。阿良田曰く、ALMと意見集めは関係ないだろう、ということらしい。だが、校長の思惑について何か探ってみるとも言っており、今頃職員室辺りで教員から話を聞いていたりするかもしれない。
 教頭の縛りが無くなったことで奥崎に行動の制限はなくなった。教頭に代わって校長が何かしら支持を出してくることも考えられたが今日のところはそういったことはなかった。
 古野濱は今日が初めての意見集めだ。通話中はそれほど問題はなかったのだが―――
「は、はい、ありがとうございました。……。ふうー……」
 ―――電話が終わるたびに大きく深呼吸をしているせいで回転率はあまり良くなかった。奥崎と悠は通話が切れたと同時に次の番号に駆けなおしている。湧哉は言わずもがなだ。湧哉と古野濱の進みはどっこいどっこいだった。それでも人数が増えたことで全体的な進みは良好だった。総合的な件数は今までで一番多かった。
 終わった後は記念館から悠の自宅へ。何やかんやで課題のほうも全体の五割ほどまでは進んでいる。 一度悠の家に寄ったのは自転車を返すためでそのあとは藤間に寮まで送ってもらい自室で課題を進めていた。二日間の悠の手助けが効果を発揮したようで一人でも多少進めることはできた。期限までは残り三日。何とかなるかもしれない。
 そして翌日、学校は普段と違う雰囲気に包まれていた。寮から校舎までの通学中に見慣れない人物が多く、校門前では生徒から話を聞いている者がいた。おそらく今日の会見のため報道関係者が集まってきているんだろう。敷地内へ入ることは禁止されているようで、中にまで入ってくる者はいなかった。生徒への配慮のためか会見は町の役所で行われるが生徒の取材をしようとここまで来たのだろう。詳しいことは聞かされていない生徒たちには何も答える事などできない。だが、湧哉の場合は少し違っていた。
「君って今回の会見と関係があるのかな?」
 学校の敷地までもう少しというところでそんな声を掛けられた。中年の男は手にメモを持ちながらずいずいっと近づいてきた。
「な、なんでそんなこと……」
「いやねえ、あの子が教えてくれたんだ」
 記者らしき男が指差す先は校門の内側。そこからこちらを窺うのはクラスメイトの一人だった。
「あの子の話だと昨日ある先生に追いかけまわされたって話なんだけど、その話詳しく聞かせてもらえないかな?」
「俺は別に何も―――」
「できれば先生の名前とその理由を聞かせてもらいたいんだ」
「だから俺は別に―――」
「何が問題だったんだい? 会見をするくらいだから余程の事なんだろう?」
 湧哉がどんなに否定しても男は質問の手を緩めなかった。更に、話を聞きつけたのか他の記者たちも湧哉の周りに集まり始めていた。次第に囲まれる湧哉には逃げ場が全くなかった。その騒動に登校中の生徒たちも野次馬となって集まってきた。
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