ブックリスト登録機能を使うには ログインユーザー登録が必要です。
  あの日 作者:春桜
3 死神と化け物

二人が向かったのは屋上だ。古びてはいるがこの立派な学校は雪花も屋上が気に入っていたのだが..。
(何で!!俺の気に入ってる場所でやっべー修羅場が始まろうとしてんだ!!)
雪花は走っていたのだが、もう二人はとっくに屋上についていた。なんて足の速さだ。いや、中学のときからシンと一緒だった雪花はシンの足の速さは知っている。しかし、それについていく転校生...。
(何者だぁ?あいつ。)
そう思いながら雪花は階段を上ったのだった。



「何?なんか用?」
耳をほじくりながら黒崎はどうでもいいようにシンと対峙していた。
「お前はどういうつもりだ。」
「はぁ?」
「お前は人間ではないな?」
その言葉に黒崎はニヤリと笑う。
「何だ。妹さんのこと言われると思ったのに...。案外、心配性だな。」
「心配性?そうではなかったら心春を守れないだろう?お前のような輩から。」
キッとシンは目の前の男を睨む。
「俺は馬鹿ではないからな。お前を見て感じたよ。お前とは一生相容れないとな。」
俺もだと黒崎も同意する。そう感じたのだ。こいつは危険だと。心春に近寄らなくても、敵だと。多分、本能というやつだ。
「そういうてめぇも。人間じゃないだろう?」
「ああ。化け物だよ。でも、死神よりマシだ。」
黒崎は動揺した。隠せない。そうだ。こいつは。



「いいか。一。お前は死神だ。」
英雄と呼ばれる父は自分にそう言った。生まれたときからそんなことわかっている。
「俺達は現世のある町に行く。そこで虚退治だ。わかってるな。」
うん。と頷く。
「そこで、闘ってはいけねぇ奴がいる。そいつから霊力を感じるだろうが闘うな。絶対な。」
何故だ。と訊いた。
「それは、死神でも、人間でも、虚でもねぇからだ。そしてそいつはお前と絶対に出会う奴だ。避けては通れねぇ。いいか。そいつの名はーーー。」




「井上 心。アランカルと人間の子か....。」

『虚閃』

不意にシンは黒い輝きを放った。それは儚いもの...。

「俺の虚閃は効かないか。さっさと消えろ。死神。」
今度は何もしなかった。ただ睨むだけ。虚閃を防いだ剣を。
「てめぇとは闘わない。今日は帰るよ。シン。」
「逃げるのか。」
「そう思っとけよ。じゃな。」
黒崎は背を向けてシンから離れていく。その背を睨むと雪花の顔が歪んできた。
「何だ。雪花。」
「心配して見に来てやったんだよ!!てか、てめぇら足はやすぎ!!本当に人間かよ。」
「人間...か。」
人間に生まれていたらどんなによかったか。
「で?心春ちゃんのこと、どうだったの?脅した?」
「あいつは厄介だよ。本当に。」
もしかしたら心春を守れないかもしれない。あいつの目的が俺達なら。しかしあいつは闘わないと言った。ではもう危害は加えないということか...。
「シン?」
「雪花。調べてくれ。あいつのことを。」
シンがあまりにも真剣な顔をするので雪花は言葉に詰まった。自分でも見とれているのかもしれない。彼の顔を。
「わかったよ。親友だからな!」
「誰がお前と親友だ。お前を俺の奴隷か舎弟だ。対等な訳がないだろう。」
「ひっでーー。本当にお前はツ・ン・デ・レ だな!」
「つんでれ?俺の辞書にそんな言葉はないな。早く行くぞ。下僕。心春に何かあるかもしれんからな。」
「き~~いちいちムカツク野郎だな!」
二人は教室に帰った。




「ね。ウルキオラ。」
「何だ。仕事中だぞ。」
織姫は暗いような明るいような顔をしていた見たことが無い顔だ。
「どうしたんだ?」
ウルキオラは織姫の髪にキスすると愛おしく妻の顔を見た。
「黒崎君がね。帰ってきたみたい。この町に。」
その時、ウルキオラが動揺したのを織姫は知らない。織姫はそれ以上に動揺していた。
なんか時間感覚が...わかりません。


+注意+
・特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
・特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)
・作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。