完全妄想小説です(^^;)織姫とウルの子供の話...ウルは今回でてきません><よければ読んでください~!
1 好敵手
父は、化け物だった。
母は、人間だった。
「待って~シン~!私も行く~!」
「はやくしろよ。遅刻する。」
心春は双子の兄である心を呼んだ。
シンはため息をつきながらも心春の鞄を持ってやる。心春は一生懸命に靴をはく。
「大丈夫~?二人とも。」
エプロン姿の母、井上織姫が玄関に駆ける。
「大丈夫です。心春のことは俺が責任を持って学校につれて行きます。お母さんは家事頑張ってください。」
織姫は我が子ながらものすごくいい子だと改めて思った。
「いいお兄ちゃんだわ。シン。」
「できた!行って来ます!」
「はい。行ってらっしゃい~。」
二人はバタバタと走っていった。
「どうしよう。遅刻するかなぁ。」
「多分な。本気だせよ。」
「やだ。」
なぜか二人には不思議な力があった。教科書など一度見たものは忘れない。怖いものや嫌なものは消去することも可能だ。そして運動神経も半端なくいい。50m走なら必ず全国一だ。二人は目立つのでいつの日か本気は出さなかった。勉強も運動もある程度できる。そんなただの学生だ。
二人は高校1年生。季節は10月の下旬。
いつの間にか、足が速くなっていたようだ。鐘が鳴る前についてしまった。
「なんで!?間に合っちゃった....。」
「素直に喜べよ。早く入ろう。」
二人は同じクラスだ。双子だが、クラスを別々にするなと頼んだ。頼んだ誰かは想像に任せる。
「おはよう。心春。」
「おはよう。美緒。」
彼女は心春の一番の親友、相原美緒。
シンはすぐさま席につくとクラスの女子、違うクラスの女子が一気に集まってきた。
「井上君。おはよう~!」
声をそろえるように女達が言う。シンはいつもの如く無視してやる。
それが悔しいのか嬉しいのか彼女達は鐘が鳴るとクスクス笑っていってしまう。
「なんで無視するかなぁ~モテモテの王子様は。」
「黙れ。雪花。」
後ろに座っている爽やかなクラスメイト、雪花薫が言ってくる。彼は唯一シンと話せる人物だ。シンは女にはもてるが男はあまり寄せ付けなかった。黒い髪に、黒い瞳。前に不良の奴に喧嘩を売られたのだが、たった一人で全部倒してしまった。全員病院送りになったそうな。
その点、妹の心春は違った。明るく、髪の色も母親似で性格もおっとりとした性格で決して嫌いにはなれない性格だ。シンが兄ということで嫉妬もまざり女から陰口も言われていたことがあるが気にしなくていい程度だ。彼女は顔も可愛いので男にモテる。しかしシンは告白やストーカー行為をするやつをことごとく撃退した。それに気付いていないのは心春だけだ。なので最近では心春に近付く輩も減った。彼女を手に入れるのは至難の業だとさとっているからだ。
「今日は転校生が来るんだってよ。いつもより先生がくるのが遅い訳だ。」
「転校生だと?男か?」
鐘が鳴って数分たっても教師が来ないのはそれか。転校生などには興味はないが男なら話は別だ。
「うん。男。」
雪花は前の少年が殺気を放ったのを感じた。彼が男かを気にするのは心春に近寄ると思っているからだ。それほどまでに妹しか頭にない。
しばらくして教室のドアが開いた。まだ歳若い教師と、一人の少年が入ってきた。少年はわりと整った顔立ちをしていた。細身だが喧嘩は強そうに見える。髪の色は染めているのか、オレンジだ。シンは彼とどこかであったように感じた。
「今日からお前達のクラスメイトになる.....。」
「黒崎 一です。よろしくおねがいします。」
頭をさげた男....。シンは一目見てこいつは厄介な奴だと思った。
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