月の瞳(8/9)縦書き表示RDF


すいません。なかなか書く時間がとれず遅れてしまいました。
月の瞳
作:蒼徳



第八話「契約」


 「皆、アーノルトに帰還するぞ」
護衛が歓声を上げる。やはり自分の護衛は退屈だったのだろう。
「また来いよ。リウス!」
「必ずまた会いに来て下さいね」
ルイとセシリアが別れの言葉を述べる。やはりこの二人と別れるのは寂しい……。出来ることならいつまでもここに居たい。
「ああ。近いうちに必ず」
二人に手を振り、その場を後にした。振り返りはしない。振り蹴ると年甲斐もなく涙が出そうだった。

永遠の別れでもないのにな。小さく呟いた。














「……魔王?」
リオンは今、理解に苦しんでいた。目の前にいる女性が魔王?なんだか出来の悪い劇でも見たような気分だ。
「そ、よろしくね〜」
女性が見た目とは裏腹な脳天気な口調で言う。
「……」
信憑性がない。そもそも魔王なんて物は伝説上の物だ……が、どうも腑に落ちない所がある。

「嘘じゃないよ。その証拠にそこの七星に封印されてた。あ、でももう大した魔力ないし、人間皆殺しとかしないから安心して」
皆殺しって……。とりあえず悪い人ではなさそうだが。
「……質問して良いか?」
「良いよ〜」
質問されるのが嬉しいのか、目を輝かせて言う。見れば見るほど魔王らしくない。
「魔王は伝説上のものじゃないのか?」
「まだ信じてくれないの?魔王は架空のものじゃないよ。ついでに言うと大昔のあの戦いもね。その証拠が、そこにある七星」
祭壇に置かれた七星……。あれは確かに七星の可能性が高い。今まで見てきたどんな魔具より、輝き、魔力があった。受け入れるか?

「……もう一つ。何故ここに?」
一番気になっていた事だ。何故この城の玉座の真下に……。偶然としては出来すぎている。誰かが意図的に作ったのか?なんのために?
「それはあの戦いの後セフェランに七星で封印させられちゃたのよ。で、その時約束したの、ベルネスの皇帝の中で最も有能で器が大きい者が、事を成すときその手助けをしろってね。そう、あなたをね」
……セフェラン。話からするとあの戦い終結に持って行った魔術師のことだろう。しかし手助け、か……。役には立ちそうだ。大した魔力がないと言っても、それでもとてつもなく強大だ……。しかし何故、俺なんだ?
「何故、俺が……?」
「それはさっき言った通り。なにか始めるんでしょ?その手助けをしてあげる。あなたなかなか良さそうだし、気に入っちゃった。マーラって呼んでね」
……受け入れるか?
「それと手助けする代わりに私と契約してくれる?そっちの方がやりやすいし、あなたになら私の力を分けてあげても良いよ」
……受け入れるか。俺はこの世を正すのだ。魔王一人受け入れられなくてなんの皇帝か、なんの志か。
「最後にもう一つ契約とは?」
「私の力をあなたに分けてあげる儀式みたいなものよ。心配しなくても、直ぐ終わるし、あなたにデメリットはないわ。強いて言うなら私と同じ瞳の色になっちゃうだけ」
そう言い、紅い瞳で見つめてくる。
「……」
良いだろう。契約してやるよ。俺は一刻も早く、世を正さなければならない。
「……良いだろう。契約してやる」



















「……契約完了っと」
一瞬だった。リオンが目を瞑った僅かの間に"契約"は終わっていた。
「……随分早いのだな」
だが、確かに今までとは違う力が自分の中にあった。瞳も鮮やかな紅に変わっている。
「それじゃ、これであなたとはパートナーみたいな物だからよろしくね」
嬉しそうにマーラが言う。
「……ああ」

魔王かそうでないか、などどちらでも良い。利用できる物はすべて利用させてもらう。

俺は世を正すのだから……


この度、高校に入学しその関係で今回遅れてしまいました。
今後は早めにできるよう心がけます。











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