表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

辞書

作者: 山羊ノ宮

テレビで辞書の特集をしていた。

一口に辞書と言っても様々な個性があるようで、なかなかに面白い。

久しぶりに辞書を手に取ってみた。

テレビにあったような卑猥な言葉にマーカーされてはいなかったが、落書きはしてあった。

辞書の端に『亜希』と書かれてあった。

語釈にはこうあった。

『・・・恋人』、と。

お世辞にも上手とは言えない字で、恥ずかしさと好きだという気持ちをない交ぜにしたようだった。

書いている様子を想像してみれば、何とも微笑ましいものだ。

書いたのが自分でなければ・・・

私は机の上に転がっているペンを手にした。

そして、辞書の落書きの語釈にこう付け加える。

『(昔の)』



あの頃あったセンチメンタリズムは、まだ私の中で息づいているようだ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 短いけれどピリリと辛い。アイデアと工夫がしっかりと手を取り合った作品でした。 こういう短くてよい文章ってのは頭に残るんですよね。 楽しませていただきました。 そいではまた
[一言] 淡いですね。 昨日の金曜ロードショーの「耳をすませば」 を思い出します。
[一言] 良いですネ! もしかして実話ですか (*´д`*) ?
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ