挿絵表示切替ボタン
▼配色







▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる
嘘斬り姫と不死の怪物 作者:Hiro

強欲の王

しおりの位置情報を変更しました
エラーが発生しました

ブックマークしました。

設定

更新通知 0/400

設定を保存しました
エラーが発生しました

カテゴリ

ブックマークへ

以下のブックマークを解除します。
よろしければ[解除]を押してください。

ブックマークを解除しました。

39/50

第三章 一話c

「レーヴェストだと?」
 トールが怪訝な声を上げる。
「どうしたの、僕のことを知っているの?」
「あぁ、だが我々の知っているレーヴェストは女だったがな。仮面で顔を隠し、身体に巻きつけるように紋様を仕込んで魔術の補助をしていたな」
「それってどういうこと?」
 自らが知らぬ事態に巨人がはじめて動揺の色をあらわす。
「オデ様たちの方が聞きてーって。まぁ、察するにおまえの替え玉ってところだろうな。たしか双子の妹がいるんだろ」
「まさかユングフィラが……いやありえるか。彼女なら僕よりも剣術も魔術も達者だ。そうか、時々外部へと抜かれる魔力は彼女の元へ供給されていたのか。彼女なら双子だけに僕からの魔力とも相性もいいだろうし、なによりも父上に従順だ」
「なさけない兄貴だな」
「面目ない、だからこそ、実験の練習台にされてしまったんだろうね。しかしユングフィラが僕の替え玉とは……」
 困惑を隠しきれないレーヴェストに、トールが見解を述べる。
「王子様が城から姿を消せば、士気に関わるからな。当然っちゃ当然の方法じゃねーか?」
「いや、父上ははじめから僕を排除して、ユングフィラを替え玉として使うつもりだったのかもしれない。生憎と僕は不肖の息子だったからね」
「まぁ、おまえんとこの込み入ったお家事情はどうでもいいや。オデ様たちは、とっととここから出ていきたいんだ」
 自分たちには関係ないとトールが言う。
「その前に、妹、ユングフィラのことを頼めないかな。彼女は民想いの良い子なんだ。気弱で優柔不断な面もあるけれど、優しい子なんだ」
「ん~、オデ様のハーレム要員としてなら考えておいてやるぜ」
「いいの? 彼女の胸は僕とあんまり変わらないよ?」
「サイズ的に変わらなくても、女の胸であることが重要なんだ」
「なるほど、それでいいや。じゃ、頼んだよ」
 トールの提案を巨人は気楽な口調で了承した。
「では、出口について教えてもらおうか」
「ないよ。そんなもの用意されてはいない」
 スミの問いかけに、巨人があっけらかんと応える。
「騙したのか」
 スミがレーヴェストを睨み付けるが、それをトールが止める。
「ちげーよ。こいつは『出口』でじゃなくて、『抜けだし方』を教えるっつったんだ。それは同じようで違う、間違えんな。だいたい、ここはこいつを閉じ込めておく場所なのに、わかるような出口を作るわけねーって。
 もっともここの出方ってのは聞くまでもねーんだけどな」
 トールは黄金の腕輪を大槌に変形させ言った。
「この空間を作るのには、こいつの魔力が使われてる。つまりその魔力を絶てばいいって話なんだろ?」
「ご明察の通り」
 巨人はトールの解答を受け入れ笑った。
+注意+
特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。
↑ページトップへ