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異世界のフリークス  作者: タクトん
第一章 化物世界を渡る
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彼の者

先刻の勇気ある者が死んでからはや5年。

男は絶望の中にいた。

彼がラストチャンスだったのかも知れない。

彼がこの世界の希望。最後の一搾りだったのかも知れない。


男がこの世界に生まれ1500年と少し。

まだ『人間』だった頃は良かった。

地位も名誉もあり、日々が満たされていた。

だが、世界が彼を見放した。


友の裏切り、妻の不倫。在らぬ疑いを掛けられ国からも追放になった。

絶望の淵に追いやられた彼は秘術を用いて『化物』になった。

彼は復讐した。裏切った友を、妻を、そして国を。

そして自分が味わった屈辱を人類へと。

いつの間にか、彼は人類の敵に成り下がっていた。

彼はどうでも良くなっていた。

既に化物になり、死ねなくなった憐れなフリークス。

絶望だけが、彼を埋め尽くしていた。

その時。ある者が彼の元へやつて来た。


彼は勇者と名乗った。

強かった。今まで出会った人の中で一番強かった。

もしや自分を殺せる者が現れるのでは?彼は期待した。


次の勇者も強かった。前に現れた勇者よりも強かった。

だが届かない。

次の勇者は異世界から呼ばれて来たと言った。

確かに強かった。様々な奇術に魔術。

見たこともない武器に魔法。

だが、届かない。彼は最期「何でだよ・・・俺・・・主人公じゃねぇーのかよ?チート貰ってtueeeee出来てハーレム作れるんじゃねぇのかよ・・・」と呟き散って行った。


チート?やハーレム?と良く判らない事を言っていたので記憶に残っている。

未だにチートやハーレムは判らないが、何かの能力だろう。


その後も様々な勇者が、勇者達がやって来たが。

未だに私を殺せる者は現れない。

先刻の勇者が一番惜しかった。彼が生きて、あと10年後かに訪れていれば或いは・・・いや。過ぎてしまった事だ。


少し眠るとしよう。あと50年もすれば、新たな勇者が訪れるかも知れない。


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