挿絵表示切替ボタン
▼配色







▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる
みぃちゃんとギャバ猫のアメリカ生活記 作者:帆摘
5/17

5話:ギャバ猫アメリカに行く

東京からロサンゼルス、そして乗り換えをして私たちはテネシー州のノックスビルという町へついた。ここから車で30分ぐらいの所にあるオークリッジという町には大きな研究所があり、お父さんはそこで科学者として働く事になるらしい。
ノックスビルの空港で大きな荷物と一緒に運ばれて来たギャバ猫はとても機嫌が悪かった。急いで籠の中から抱き上げて機嫌を伺う。
「ギャバ猫、長い間お疲れさま。もうちょっとしたら夕ご飯でおいしいステーキ食べさせてあげるからね!」と私が言うとふんっと小さく鼻を鳴らした。本当にもう、大人気ないんだから!

お父さんは迎えに来てくれた研究所の人と話をしている。横を向いても、前を向いても日本人ではない外人さんが一杯で、話している言葉も全然分からない。私は小さく首をすくめるとお父さんの所まで走って行き、ぎゅっと抱きついた。
「ああ、美香流、ちょうど良かった。こちらがこれから僕の上司になる、高瀬治さんだよ。ほら、御挨拶して。」
顔を上げると人の良さそうなおじさんがニコニコしながら、こちらを見ていた。
「やあ、こんにちは、君が美香流ちゃん?はじめまして、僕の事はサムおじさんって呼んでね!どうぞよろしく。」と子供の私にも丁寧に手を差し伸べた。ギャバ猫がトンと私の腕の中から飛び降りて、行儀良く座ると私の方を見て目をしばたかせた。挨拶しろと言っているに違いない。
私はおずおずと、そのサムおじさんとやらに挨拶をする。どこからどう見ても100%日本人なのに、何故サムおじさんなんだろうと思ったが口には出さない。

お父さんは、私たちがアメリカにくる前に、何度か一人で、研究所やこれから住む町を訪れて、私たちの住む所や、学校を決めて来てくれている。きっと、涼子さんも、美香流も気に入ると思うよと、住む家を決めて帰って来た時にニコニコして言っていた。一体どんな家なのだろうか。
サムおじさんの大きなバンに私たちの荷物を詰め込み、空港を出た。見慣れない風景や、英語の看板をみて私の胸が高鳴った。これから、このアメリカで生活をするんだという事がもっとみじかに感じた。私とギャバ猫はずっと後ろで目に映る様々な異国の情景を楽しんでいた。

お父さんは、田舎の小さな町だよと言っていたが、確かに東京に住み慣れた私たちにとってその町は思っていた以上に田舎だった。広い道路の脇をのそのそと歩く牛の大群に驚き、また住宅街に入っては可愛い異国情緒溢れた家にため息を漏らす。
あっというまに私たちはこれから住む事になる家の前へとやって来た。パーキングに車を止めてドアを開けると、ギャバ猫が勢いよく飛び出して家の扉の前まで走って行き、開けろと扉をかりかりと引っ掻いた。

その家は水色でペイントされたとても可愛い家だった。とんがり屋根のトッペンには風見鶏がくるくると方向を変えて回っている。家の前には芝生があり、裏にも大きな庭があるという。
早く中に入りたくて仕方が無い私とギャバ猫はお父さんがくるのを待ちきれずに鍵を貰ってくると一足先に家の中に入った。
「ひろ〜い!それにすごく可愛い!」そこには私が夢に見ていた通りのアメリカのお家があった。「2階に3つ部屋あるらしいよ、行こう!ギャバ猫!」私は靴を玄関にほうり投げると一足先に階段を登って行ったギャバ猫の後をついて階段を駆け上がる。まだ家の中には家具らしい家具は揃ってなかったが、それでも部屋の中には最低限のものが置いてあった。

「わあ!ギャバ猫、私どのお部屋にしようか迷っちゃうよ!」
『一番大きな部屋は夫婦の寝室やで、美香流は後の二部屋のどっちか選びや〜?』ギャバ猫が大きな部屋のキングベッドの上でゆったりと毛繕いしなから言った。
「ええ?そうなの?そっか、うん、じゃあ私は向こう側の部屋だ!」
お父さんがトランクを運んで二階へ上がって来た。
「美香流、気に入ったかい?必要最低限のものはここの家の大家さんが置いておいてくれたけど、これから少しずつ気に入ったものを買いそろえるといいよ。日本からの荷物が届くのは一週間後だからね。」

「お〜いい!この荷物はここでいいのかあ?」と下からサムおじさんの大きな声が聞こえた。
「ああ、すみません!今行きます。」お父さんはあわてて階段を降りて行く。私は夫婦の寝室へ行くとベットの上のギャバ猫にこっそりと小声で話しかけた。
「すごく可愛いお家だね、ギャバ猫も気に入った?」
『まあまあだにゃ〜。それよりもうち、むっちゃ腹へってンねん。裕幸さんに言って早くステーキ用意してもらってにゃ。』
「ああ、そうだね。でもどうするんだろう?レストラン・・は猫のままじゃ行けないし、やっぱりお買い物だったら、サムおじさんに連れてってもらわなきゃ、明日まで車がこないって言ってたし・・・。」
『じゃあ、うちは、人型に戻って荷物の片付けしとくから、ちゃんと大きいステーキ買って来てってお父さんに言っといてや?』
「わかった!」頷くと美香流は下へと降りて行った。
cont_access.php?citi_cont_id=1009101&size=200
+注意+
特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。
↑ページトップへ