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序章
地震?

そう感じた瞬間、すでに立っていることができなかった。
激しい揺れに必死に床にへばりつきながら耐えることしかできなかった。

あちこちから患者の叫び声がする。

きっとこれが都市直下型地震だ。
一時期、いつか必ずやってくると騒がれていた関東都市部を震源地とする大地震。
怖いなぁとは思っていたがほんとに被災者になるとは思わなかった。

しかも自分が夜勤のときかよ!! 咲夜さやは心の中で叫ぶ。

咲夜さやの働く病院は昔からある歴史の長い病院だ。逆をいえば建物が大変古い。耐震制度って何?ってレベルだ。

これって本気でやばいんじゃない?

命の危機を感じた瞬間、咲夜さやの身体が急に前のめりになる。
咲夜さやが前のめりになったんじゃない。咲夜さやのへばりついていた床が大きく傾いたのだ。

崩れるっ!!!

咲夜さやは思わず目をつぶる。ジェットコースターに乗ったときのような浮遊感。

あぁ死ぬのか。

そう思ったとき、ぐいっと腰を後ろに引かれる感覚がした。

そしてそれを最後に咲夜さやは意識を手放した。


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