第十二話 魔道具覚醒
やる事がない(遅刻した)ので、この二人としばらく話す事にした。
・・・・それにしてもこの二人。美形だな。
さっきは遠くから見ていたから気付かなかったけど、かなりのものだ。
宗助の髪は綺麗な銀色。瞳は薄い青色。身長もけっこうあるし(170cmくらい?)おまけに顔立ちが整っているから、誰がどう見たってクールな美少年だ。
・・・・・ただし、喋ると明らかにその印象は変わるけどな。
楓の髪は茶色く、後ろにまとめている。まあ俗に言うポニーテールってやつですね。それがかなり似合っている。瞳は宗助と同じような色で、凛々しい顔立ち。身長もそこそこあり(多分僕と同じか、それ以上)理知的な印象だ。
こういった人はきっと同姓から持てるだろうな〜。
まあそんな感じでこの二人はかなりの美少年、美少女だと言う事だ。この二人がであって、さらに僕もこの二人と知り合ったんだから、本当に世の中って不思議なめぐりあわせをしているよな。
そんな事を思いながら話をしていると、宗助が気になる事を言いだした。
「そう言えば、翔の魔道具って珍しい形してるね」
宗助が僕の背中に背負っている魔道具を見ながらそう言った。
「確かに、鞘に納まった大剣なんて聞いた事が無いな」
同じように僕の魔道具を見ながら言う楓さん。
「え?そうなの?」
てっきり、似たような魔道具が他にもあるのかと思ってた。
「うん。だって大剣の魔道具は鞘に入らないし、必要がないから、刃をむき出しにしているんだよ」
「私も、大きいけどそんな細い形状で鞘に納まっている大剣なんて見た事もないし、聞いた事もないな」
「ほ〜」
これってそんなに珍しい物だったのか?
「ま、僕はそんなに詳しいわけじゃないけどね〜」
でもかなり参考になったぞ。
「因みに僕の魔道具はこれだよ」
そう言って宗助は自分の前に手を突き出して。
「こい『地竜槍』!!」
その瞬間。
宗助の前に槍が現れた。
「どう?僕の地竜槍。感想は?」
「・・・・でかいな」
かなりでかかった。宗助の身長を軽く超える大きさだった。
色は黒く。形は槍というよりはランスの方が適切だろう。
昔の騎兵が持っていそうな形状だった。
まあそれにも驚いたが、一番驚いたのは。
「・・・・どうやって出したの?」
確か宗助が手を出して・・・・なんだったけ?ワームだったけ?
「地竜槍だよ」
「そう、それ!!」
そう言ったら突然でてきたんだよ!!
「あれ?翔は魔道具を作って、登録しに行ったんだよね?」
「ああ、行ったぞ」
作ってはもらったが、僕は気絶してたため、登録は・・・・志穂さんがしてるだろ。
・・・・・・多分。
いやまて・・・・してないかもしれない。
なんせ志穂さんだし。
「その時に教えてもらわなかったの?」
「は?」
教えてもらう?何が?
「なるほど、そう言う事か」
楓さんが僕の様子を見て納得した。
「へ?」
どう言う事?
「どうやら、翔は魔道具は作ってもらったが、使い方を教えてもらっていないようだな」
「え?楓さんどういうこと?」
僕の頭に沢山の?マークが出てくる。
「本来ならば、魔道具を申請しに行った時にレクチャーがあるのだが・・・・」
「レクチャー?」
そんなのがあったのか!?
ずっと気絶(今日の朝まで)してたから受けてないぞ!!
「どうやら受けていないみたいだな」
どうやら表情に出ていたらしく、呆れていた。
「どうして受けなかったんだ?」
「そ、それは・・・・」
ずーっと気絶してたからなんだよ〜
と言ったら、間違いなく恥をかく。
それだけは嫌だ。
なんか僕のプライドが許さない。
・・・・・まあプライドなんてもともと無いけど。
「・・・・」
そんな僕を見ていた楓さんが。
軽いため息をつき。
「教えてやってもいいぞ」
そう言った。
「・・・・・え?」
ほ、本当に?
「いいの!?」
「別にかまわないぞ、どうせ暇だしな」
誰かさんのせいでな。と小さくつぶやいた。
多分だが、その『誰かさん』とは宗助の事だろ。
当の本人はのほほ〜んとしている。
「では早速始めるとしよう」
そう言って手を前に出した。
「いいか、私がするのをちゃんと見ておくんだぞ」
そして・・・・・。
「いでよ『水神女帝』召喚!!」
そして出てきたのは・・・・日本刀?
そう、薄い水色の日本刀・・・・にしてはちょっと大きいな。
大きさでいえば、野太刀の部類だろう。
「これが私の魔道具。水神女帝だ」
そう言って僕の方を見て。
「翔。その魔道具の名前は?」
またよく分からない事を言われた。
「え?名前?」
「そうだ名前だ。魔道具は物だが唯の物ではない。その存在を示す名があるんだ」
「へー、そうなんだ」
「名前が分からないのか?まあ、お前の魔道具はまだ覚醒もしてないようだしな」
「覚醒?」
なんじゃそりゃ?
「覚醒と言うのは、名前を読んで魔道具を起こす事だ」
為るほど・・・・つまり。
「僕の魔道具はまだ睡眠状態ってこと?」
「まあ、簡単に言うとそう言う事だ」
勉強になるな〜・・・・・ん?
という事は、伊織やリンはもう覚醒を済ませてるって事になるよな?
・・・・・げ!?じゃあ僕だけやってないんだ!!
軽く落ち込むな・・・・
「ん?どうした?」
「いえ、ちょっとした内密事情みたいな物ですから気にしないでください」
「「は?」」
二人そろって訳がわからないと言った感じだった。
「まあよく分からんが・・・・再開していいか?」
「あ、いいですよ」
気を取り直してやる事に。
「まずは自分の魔道具の名前を知るために、聞く事が大事だ」
聞く事?
どうやって?
「まずは自分の魔道具を持て」
言われるがままにそうした。
・・・・・・結果。
「お、おもい!?」
相変わらず重かった。
「それはそうだよ」
宗助が苦笑しながら。
「まだ魔道具は覚醒してないからね。そのぶん重いんだよ」
「まあ、覚醒したら少しは軽くなるだろ」
ほ、本当にか?
嘘を言うんじゃないぞ!
ってか嘘だったら泣いてやるぞ!!
「阿呆か」
軽くあしらわれた。
「まずは集中しろ、そして魔道具に意識をあわせるような感じでいけ」
「わ、わかった」
まずは集中だ。
・・・・・・・。
神経を研ぎ澄まして・・・・意識を魔道具に・・・・。
すると突然、魔道具が光りだした。
「・・・・すごいな」
関心しながら宗助が楓に聞いた。
「あんな曖昧な説明でこれだけ出来るって・・・・・もしかして翔って天才なの?」
「天才・・・・いや才能じゃないか?潜在能力が高いとか?」
少し考えながら楓がそう答えた。
「そうかもね」
そんな風に二人が会話をしている間、翔はずっと魔道具に集中していた。
『お〜い、魔道具きこえるか?』
・・・・・。
『お〜い、返事をしろ』
・・・・・。
『あの〜すいません。返事をしてください』
・・・・・。
『お願いします。答えてください』
・・・・・。
『・・・・もうなんだかだるくなったな』
・・・・おい。
『さっさと帰ろうかな』
おい、返事しろ。
『おわ!?なんだ一体?』
何だとは失礼なやつだな。お前が俺を呼んだんだろうが。
『って事はお前が魔道具の・・・・なんだったけ?』
化身だろ化身。
『そう、それだ!』
まったく、人様が寝ているのに起こしやがって、お前何様だ?
『あるじ様だよ』
阿呆か?それとも馬鹿か?
『お前失礼なやつだな』
何とでも言え。
『それよりも、もう起きろ』
なにがだ?
『さっさと覚醒してくれって言ってるんだよ』
為るほど・・・・だからここまで来たのか。
『そうだよ。まったく、ずっと寝てやがって・・・・お前かなり重たいんだぞ』
何言ってやがる。俺は最初は起きてたぞ。
『・・・・え?』
なのにお前は俺を作った瞬間に寝やがって・・・・お前こそ何様だよ。
『そ、それはすまなかった。僕が悪かったよ』
ふん。分かればいいんだよ。
『所で早く起きてくんね?お前かなり重くて、腕がもげちまいそうだ』
そうか?俺はまだ眠っていたいいんだが・・・・・
『そこを何とかしろ、僕の魔道具だろうが』
分かった。分かった。起きてやるよ。
『じゃあさっさと名前を言ってくれ』
大事な事だからな、ちゃんと覚えろよ。
『分かった』
じゃあいくぜ!俺の名前は・・・・・・
そして意識が現実に戻った。
「こい『暴龍騎士』!!!」
その瞬間、魔道具が輝いた。
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