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僕は龍であなたは姫様?
作:伊藤勇作



第十話 魔道具申請中


珍しい。非常に珍しい。
何故なら、明らかに困っている志穂さんを見るのはこれが初めてだからだ。

「・・・・はぁ」

ため息をつきながらも、志穂さんは喋った。

「姫さんよ、護衛の人達はどうしたんだ?」

「・・・・・」

姫さん・・・・多分、リンの事を言っているのだろが、リンは答えない。

「はぁ、まあ確かにあれは嫌だと思うけどよ、あれはお前さんの為にだな・・・・・」

ちくちくと地味に説教を続けている。
つか、一体全体どうしてこうなってるの?

「ま、私がお前さんの護衛につくから・・・・他の奴らには後で説明しやるよ」

どうやら話が終わったらしい。
まあ僕と伊織は明らかに、おいてきぼりだけどな。

「おい、翔」

なぜか僕が呼ばれた。

「えーっと・・・・色々と聞きたいことがあるけどよ」

言葉を濁らすように。

「まあ・・・・なんだ?あれだよ・・・・姫さんの事だけど・・・」

「ま、まって!!」

そこで初めてリンが口を開いた。

「お願い!!言わないで!!黙ってて!!」

真剣な表情をしながら何度も言う。

「護衛の事は誤るから!!お願い!!」

そして、だんだんと涙目になっていくリン。

「・・・・・」

そんなリンを真剣に見つめる志穂さん。

「はぁ・・・・わかったよ」

そう言ってから。

「ただし、今後、こんな事はするなよな」

いつもの笑顔で志穂さんはリンに言った。
リンは嬉しそうにうなずく。

「じゃあ、今から魔道具を申請しにいくぞ」

いつも通りのテンションで先に行ってしまった。

「・・・・・」

で?結局、僕はどうしたらよかったんだ?

「・・・・なんか大変だったね」

伊織が同情するように言った。

まあ色々とあったが、あの場所から少し歩いた場所にまた移動した。
そこにつくまでに、どうやらリンと伊織はすっかり打ち解けあい、既に仲良くなっていた。
まったく、女の子ってのは凄いね〜

そしてついた場所は大きな魔方陣が描かれていた。

「さて魔道具を作るわけだが・・・・」

そう言って僕と伊織のほうをチラリと見る志穂さん。

「まあ初めて見る奴らが多いから説明しておく」

そう言って魔方陣の中へ入って行く。

「この魔方陣は『意識のシンクロ』と『契約』の意味がある」

意識のシンクロ?契約?

「まあ簡単に説明するとだな、入ると魔道具が出来る魔方陣だ」

かなり略したな。

「その魔道具は自分自身、つまりもう一人の自分みたいな物だ。だから魔道具は『この世で一つしかない』大切な物だ」

そう言って魔方陣の中から出てくる。

「まあ実際にやった方が早いな、三人ともここに入れ」

そう言われたので、僕と伊織とリンは素直に入って行った。

「お前らは意識を魔方陣に集中させろよ」

志穂さんが完全に魔法陣の外にでた瞬間。

「・・・・では始めますね」

先程案内してた女性の人が杖を構えながら呪文を唱え始めた。

「オリガントよ・・・・我ら、精霊の名の下に」

魔方陣が光り始める。

「願う思い、集う力、偉大なる神々よ、彼らに精霊の加護を、力を与えたまえ」

暖かい光に包まれ、気持ちが・・・・

【ドクン!!】

「が!?」

ざわめく。
物凄くヤバイ感じがする。
これは・・・・まさか!?

「ぐ!?う!?」

なんでだ!今は・・・・満月ではない。
なのに・・・・なんで!?
そう思った時、僕の意識は闇の中へ消えた。



「・・・・ん?」

翔の様子がおかしい?
魔方陣の外から見ていたら、明らかに翔だけが苦しそうにしている

「どうしたんだ?」

術を発動させている女に聞いてみたが、女の方も少し焦っているみたいだ。

「分かりません。ただ魔道具を具現化させようとしたら急に・・・・」

「・・・・」

落ち着け・・・・他の二人は大丈夫。だか、翔だけが異常な感じ・・・・
その瞬間。異常なまでの邪気が発生した。

「く!?なんだ!?」

体を貫くような・・・・いや、そんな生易しいものではない。
一体何処からだ!?
その魔力の根源は・・・・

「翔から!?」

驚いた事に発生源は翔からだった。
しかしここで一つの疑問が生じる。
この邪気は明らかに人が出せるものではない。
それにこの世でも、こんな邪気はありえない。

「ぐ!?う!?」

翔が呻き声を出した瞬間。

ドサッ

倒れた。

「え・・・・・?」

儀式を行っていた女性は呆然と立っていた。

「一体どうしたんだ!?」

私が慌てて聞いたら

「一応儀式は成功しましたけど・・・・」

未だに呆然と翔を見ながら言った。

「おい、姫さん!伊織!大丈夫か!?」

二人に近づいてみると・・・・・眠っていた。
どうやら儀式の疲れがでただけみたいだ。
その証拠に、二人の手には魔道具が握られていた。

「・・・・・翔は?」

慌てて翔に近づいてみた。
外傷は殆ど無く、同じように眠っていた。

「・・・・・・無事なようだな」

ほっと一息をついた直後、翔の隣に何かの気配を感じた。

「!誰だ!?」

その方向にあった物は・・・・翔の魔道具であった。














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