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逢魔が時伝説2

・・

そのニュースは長閑な朝食の時間に流れ始めた。

俺はトップニュースが流れて行く中、内容半分で聞き流しながら朝食を口に運んでいた。好きな目玉焼きにかぶりついて食べていると、地元で起きた殺人事件の話が目に飛び込んできた。


『次のニュースです。昨夜未明、○○県神領町で女性の遺体が見つかりました。他殺とみられています。』


毎日のように流れる殺人事件に慣れてきたとはいえ、自分の住む町で起きた殺人だけあって興味が湧いた。

テレビに映されたのは見慣れた公園と周辺を行き交う複数の警察官に目が釘付けになる。


次に映った写真と名前に、全てを拒絶した。


『午後23時ごろ、散歩をしていた男性から『女性が血だらけで倒れている』と119番通報があり、駆け付けた救急隊員らによって病院に救急搬送されましたが、病院で死亡が確認されました。被害者は近くに住む

加藤 愛さん 17才と見られ・・・』

気付いた時には駆け出していた。


そんなバカな

ありえない

ありえない

あり得てたまるか!


ただ我武者羅に彼女が搬送された病院まで急ぐ。



彼女

愛が殺される筈ない。

何かの間違えだ。間違いに決まってる!


願望

切なる願いを、胸に…ただ、ただ走った。





その後、何があったか今でも思い出せない。


思い出そうとしても記憶が綺麗さっぱり抜け落ちており、何も浮かんでこないのだ。

彼女の母親と一緒に泣き崩れたとは聞いている。

どうやって病院に進入したのか、そこまでどう行ったのか、思い出せない。

警備員を弾き飛ばしたとか、医者に掴みかかったとか、人伝には聞いたものの、何も記憶に残ってないのだ。






……め……むか?




どのくらい手を合わせただろうか。


陽は完全に落ち辺りが暗く感じる。

まるで走馬灯のように過去の出来事が浮かんでは消え、浮かんでは消えていった。

なんだか不思議な感覚だ。


先程まで鳴いていた虫の声が止み。

静寂が辺りを包んでいる。

まるで世界から切り離されたかのような…そんな感覚にとらわれながら…

急激な悪寒に襲われた俺は、意識を手放した。



こ……む……

とが………滅………


何か聞こえる。


……りて、そう……

……………

途切れ、途切れ何かを問われているようだ。

………

…滅ぶとも………

………理りを、曲げ……

……愛しき人を、望むか?


ほとんどの問いが聞こえない中、真っ暗な中、身動きできない状況に、軽いパニックを、起こしながら。

確かに聞こえたその問いに。俺は間髪いれずに答えていた。


『当たり前だ』

世……滅してどもか…

『関係ない』


……大罪をらお『面白い』……

『ならば、贖え。地獄の門戸が空いた世界でその望みを、叶えてみよ』

……!?そな……権能……死…



聞き取りづらい問答の中、唐突に話に割り込む声が聞こえた。

いや、意味が頭に入ってきたと言ったところか。

若い中性的な声が直接頭に叩き込まれる感覚がして、頭に割れるような痛みが走る。

何かに抗議するような聞き取りづらい声が聞こえる。

それでも、俺は苦痛を与える声に答えを根性で返す。

『言われるまでもない!俺は奪い返す』


その問いにしばしの沈黙が訪れた。


心底愉快な笑い声が漏れ出した。

『フハハハハ 、良い、良いぞ!この我の権能に贖う意思!なんと甘美、なんと面白い!』

若い中性的な声が響くたびに痛みは増し。

脳みそが掻き回されている感覚が、襲ってくる。

吐き気と痛みで、気が狂いそうだ。








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