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田中剛たなか ごう=生徒会書記
桐谷きりやさん=生徒会副会長
笹枝ささえだ=クラス委員長
井上栄治いのうえ えいじ=クラスメイト
恋愛仲介部
作:MOR



恋愛仲介部の論外1


高校入学から既に二ヶ月が経過し
授業も段々適当に聞くようになっていた頃…。
俺は清々しい高校生活を送っていた。
なぜならば恋愛仲介部は今月はなぜか活動しておらず。
俺も部室でネットサーフィンをして遊んでいただけだからな。
まぁそんな感じで同じような毎日が繰り返されると思っていたが…。
叶野的見解だと、どうやらそうは行かないらしい…。

「平和だな」
壮大な青空の下で寝転がっている俺は隣で優雅に珈琲を飲んでいる叶野に言う。
「そうですね、ここのところ、僕たちの出番はあまりありませんから」
それも、その筈、面倒な五月病騒動が終わった途端に。
急に奴は部活に顔を見せなくなった。
そればかりか授業にも出ていない始末…。
単位とか…大丈夫なのかと一応心配して置いたりするが…。
「まぁ平和なことに越したことは無いが…」
みなさん律儀な様で、奴が部室に来なくても全員出席と言う快挙を誇っている。
そんな訳で俺は毎日影島や神崎さん達と遊びほうけているのだが。
「いえ、それもそう長くは続かないと思います」
そんな縁起でもないことを言わないでくれ叶野。
だが、それは今日奴が学校に来たからその通りなんだけどな…。

昼休み終了後。
俺はかったるさを残しつつ教室に戻ると
俺の席の前に座る奴の姿を発見した。
「久しぶりだな」
俺は自分の席に腰を下ろすと
奴は俺の方へ振り返る。
そのまま前を向いていればいいものを…。
俺としては五時間目が始まるまでのほんの僅かな時間でもくつろいでいたいのに
「どうして、欠席してたんだ?」
お決まりの如く尋ねるとしよう、まぁこれがトリガーになり
奴のとんでもない一言が発射されるのは知っているが…。
「企業秘密だ」
何度か…いや既にお決まりとなっている返答パターン出現率一位の返答が帰って来た。
それでよかったと安心し、そして軽く溜息をつき俺は教科書の準備をする。
次は数学…しかも小テストと来たもんだ…。
一応勉強はしてきたが、復習しておいた方がいいだろう…。
そんなこんなをしていると、教師が教室へと入ってきた。

で、あっと言う間に放課後になり、例の如く俺の鞄の所在は消えていた。
言わずとも分かる…部室のパソコンデスクの脇に既に置いてあるんだろうよ。
「さて…行くかね」
なんて言って教室を出ようとした俺を一人の女子が呼び止めた。
「ちょっとどこに行く気?今日は掃除当番でしょ」
おっと忘れてたぜ、いやいや忘れてたのは君の存在かもしれんがね笹枝さんよ。
「すまん、俺は今から部室に行かねばならんのだ…と、言う訳で代わりに栄治を置いてゆく」
ここはスケープゴートの栄治君の登場さ。
「えっ僕?、ごめんよ、今日は塾のある日だから」
なんだと…生涯普通の地位を独走中のお前が塾だと?
そんなんで有名な大学に進学してみろ、裏切り者として池上と一緒に制裁を加えてやる。
「だそうよ、じゃあ早く箒を持って」
仕方ないねぇ…ここは学級委員殿に従うしかなさそうだ。
ちなみに学級委員に推薦したのは俺だしな…。
誰も立候補がいないから俺が推薦してやったのさ。
最初の内は文句をたれていたが…現在は見事に型にはまっているらしい。
俺は仕方なく箒を受け取り、教室のほこりやゴミを適当に見えないところに掃いちまって
掃除終了の合図を待たずして教室を後にしたのさ。

部室に来ると微笑ましい事に神崎さんと影島しかいなかった。
「こんにちは」
こっちを見てお辞儀をする神崎さん。
「…どうも」
聞えるか聞えないギリギリの音声で挨拶する影島…。
「あれ?部長と叶野はどうしたんですか?」
俺はパソコンデスクに腰掛て神崎さんに問う。
「えっと、部長さんは進入部員の勧誘と…それから叶野君は紀野里先生と用があるって言ってました」
部長はともかく…先生といったい何をしているんだ叶野の奴…。
昼休みにはそんなこと一言も言ってなかったじゃないか
「そうですか…」
俺は椅子に寄りかかりいつもの通りにネットサーフィンを開始した。

しばらくして…大体三十分くらいだったろうか…。
「待たせたな」
なんて言って部長氏が帰還なされた。
「茶」
また、単語だけを言うので俺がしかたなーくお茶を入れてやる。
「で、部員の勧誘とやらは上手くいったのか?」
「いや…欲しい人材が一人もいなかった、みんなダメな奴ばっかだなこの学校は」
お前が言うな。
それとお前の言う欲しい人材とはどういう定義で選んでいるのかお聞かせ願いたいね。
「コンコン」
すると妙なタイミングで扉をノックする音が聞えた。
「はーい」
と言ってドアを開ける神崎さん…。
こんな所にわざわざ来る物好きが居たとはね。
神崎さんが扉を開けると一人の男子生徒が立っていた。
「すいませんね、お嬢さん」
と言ってその男は部室へと入る。
外見は…オールバックにメガネ…まぁなんとも突っ込みに困る風貌だね。
そしてその男は部長の前に立つと
「俺は田中剛、恋愛仲介部に入部を希望します」
「断る」
田中とか言う奴が全てを言い終える前に奴は入部願いを却下した。
て…入部希望者だと…。
「な、なんでですか…」
「お前からは属性を感じ取れん」
「ぞ、属性…?」
?マークが浮かび上がるのは俺も同じなんだけどな。
「この部活の人間はみんな属性があるのさ」
初耳だ…いや本当に。
「ちょっとまて…属性だと?」
俺もここらで突っ込みを入れておいた方がいいだろう。
「ああ、ドジっ娘、ツンデレ、地味、敬語、そしてフォーマルに突っ込み…全て属性だ」
誰が誰とは言わんが…納得できる範囲内だった…てか、突っ込みって…。
「見た感じ、お前には何の属性も無い」
確かに…田中剛と名乗った男子学生は一見平凡な感じに取れる。
「いえ、俺にも属性はあります」
そんな大声で自分の属性うんぬんを人に言うもんじゃないと思うのだが…。
「なんだ?言ってみろ」
すかさず、好奇心いっぱいの目で問う部長さん。
「家が貧乏です」

………。

一瞬…部室内が氷点下まで冷え切ったのは気のせいだろうか…。
「ど、どうして貧乏なんだ…?、アピールポイントを言ってくれ」
まだ食いつくか部長よ…。
「家の食事は全部俺が作ってます、それと家事炊事も俺が…ちなみに夕飯の準備があるので門限は六時です」
…もはや…突っ込み所があり過ぎて俺の範囲外だ。
「却下、貧乏キャラなんて入れたら、部活の品位が下がる」
と、奴が断言した瞬間。
田中はブレザーに手を入れて
「手を上げろっ!!」
銃…ってか…エアーガンを部長に突きつけた。
「四の五の言わずに俺を部活に入れろ」
命令口調の田中。
「はわわ…」
どうしようか困っている神崎さんと無言の影島と俺…。
「武器に頼らなければ何も出来ないのか…?」
そんな挑発するなって。
「う、五月蝿い、俺は仲間が欲しいんだ…さ、さぁ早く俺を仲介部に…」
と言いかけた瞬間に。
「てやっ!!」
扉を開けて飛び出して来たのは池上だった。
どうやら中に入るチャンスを覗っていたらしい…。
いきなりの乱入に田中はびっくりしたのか部長にエアーガンを乱射。
「甘いっ!」
しかしそれを最小限の動きでかわし、優雅に自分の席へと腰掛ける。
「観念しなさい」
と池上に関節技を決められている田中…。
「恋愛仲介部に刃向かった罪は思いぞ」
なんて奴は言い出してそのまま、田中をロープで縛り部室の端っこに放置した。
「どうする気だよ…アレ」
と聞くと
「全員集まったら処分を考える、それまであそこに放置して置く」
こらこら…そろそろ立派な犯罪行為ですよ。
止める暇も無く田中は恋愛仲介部に監禁されてしまった。

しばらく気まずい時間を過ごしていた我々だったが…。
「すみません、遅れてしまいました」
「こんにちは」
叶野と先生の登場でそれは見事に解決された。
「おや、珍しいですね、お客様ですか?」
田中を見て叶野は言う。
おいおい…どこの世界に縛られた人間を見てお客だと思う奴がいるんだよ…。
「いや、敵だ、どう処分するべきだと思う?」
そんな敵だと言い切らなくても…。
まぁエアーガンの弾が神崎さんに当たっていたら俺にも敵扱いされてただろうがな。
「そうですね…部室を掃除していただきましょう」
なんて叶野が軽やかに言ったもんだから。
「よし、それに決定」
てな訳で田中は現在部室を掃除している。
「ちゃんと綺麗にしろよ」
「ううぅ…」
かわいそうに…。
てな感じで色々やっていると部活終了時間がやって来て俺は帰ろうと鞄を手にしたのだが…。
「お話があります」
叶野に呼び止められてしまった…。
なんか嫌な予感がするんだが。
下駄箱で待っている神崎さんに先に帰っていいですよと言ってから。
面倒だが部室に戻るとしよう。

部室に戻って驚いたのは叶野以外に先生もいたからで…。
「お待ちしていました」
叶野は俺にお茶を入れてくれる。
俺はそれを受け取り再度自分の椅子へと腰掛ける。
「なぁ…先生には話を聞かれても大丈夫なのか?」
生徒指導なんたらの話だったら不味いんじゃないのか…?
「いいえ、先生もブレインの一部です…そして僕とは近い存在にあります」
「なんだと…」
俺は先生を見る…微笑を返してくれるのは嬉しいが…マジですか?
「うん、私は教員を監視する教員指導係だから、叶野君と似たような理由でこの部活に居るの」
なるほどねぇ…只者では無いと思っていたが…まさかそんな役職とは
「それは分かった、それで話ってなんだ?」
早く本題を聞かせて欲しい
「では、お話します、先程先生と話していたんですが…どうやらスパイが居るようなのです」
「スパイだと…?どこかの米国映画の影響でも受けたのか?」
「違いますよ、恋愛仲介部を潰そうとしている教員、それか外部の人間だと思われます」
確かにこんな部を野放しにする人なんて普通はいない。
「で、それがどうした?」
「先程の…田中剛と言いましたか…彼は生徒会の人間です」
「なんだって!?」
「おそらく仲介部の内情を探りに来たのでしょう」
あんなマヌケな奴が生徒会だと…冗談にも程があるだろ。
「きっと弱みでも握りに来たんだと思う」
先生が俺に言う。
「でも、何事も無く帰って行ったじゃないですか…」
「うん…でも、生徒会って私たちにも分からないところで動いているみたい、だから気をつけて」

気をつけって言われても…俺は何を気をつければいいのか悩んでいた…。
いや…この時はまだ、俺は油断していたのかも知れなかった。
まさか、あんなことをしてくるなんて…思ってもいなかったさ。

翌日、普段通りに俺は半眠状態で通学路を歩いていた。
校門をくぐった時…俺は驚愕したね。
屋上から垂れ幕みたいなのがかかっていて何やら文字が書いてある。
「何々…恋愛仲介部は今日から生徒会が運営します…だと」
「困りましたね…」
俺の隣に苦笑交じりだが爽やかスマイルの叶野が立っていた。
「こりゃどういうことだ?」
いつの間に生徒会に乗っ取られてしまったのだろうか…?
「油断していました…まさか内側に取り込まれるとは」
「取り込まれただと?」
「動向を監視できないのなら、行動を制限する…大胆な発想ですが理に適っていますね」
だから意味が分からない、俺にも分かる様に説明してくれ。
「すみません…昼休みは、生徒会室の前に来てください…それでは」
と言って叶野は去って行った…。
取り残された俺はどうすればいいのだろう?

教室に来ると机に奴の姿は無かった…。
たくっ…こんな大事な展開になんでいつもいないんだかねぇ…。
「学校に垂れ下がってたアレって、いったいなんなの?」
「…知らん」
笹枝さんよ、俺に聞かないでくれ。
まぁその後も何人かの生徒…そして先生にまで聞かれたが。
俺は「知らん」の一言で流してやった。
さて、身の入らない午前授業が終了し。
昼休みがやってきた。

俺は校内案内図で生徒会室を確認し寄り道せずに向かうとしよう。
まぁ…生徒会室なんてお世話になるようなところじゃないから場所を知らないのも当然さ。
生徒会室に到着すると叶野が俺の到着を待っていた。
「お時間とらせてすいません」
まったくだ…。
叶野は生徒会室の扉をノックする。
「どうぞ」
綺麗な女の人の声が帰ってきた。
扉を開けて中へ失礼すると。
メガネをかけた真面目そうな上級生が一人と。
秘書っぽい女の上級生が一人。
そして前回…と言うか昨日会ったばかりの田中…がそこには居た。
「君たちか…何か用かね?」
メガネの上級生は俺たちに尋ねる。
口調が偉そうだな…どうやらこの方が会長さんらしい。
そういや何度か朝会で顔を見たことがあるような…ないような。
「特に用と言う訳ではありませんが…今日のアレの真意を覗いに参りました」
叶野は丁寧に述べる。
「アレか、突然な告知ですまないと思っているが、君たちの部活は特別な存在意義を持たない部活だろう?」
「確かに…そうですが」
「つまり、存在の価値が無い、しかし生徒会権力の元で奉仕的な活動を行えば部の存続を認める…と言うのが我ら生徒会の意見だ」
上手いこと生徒会に利用されるって事か…。
「それについて理事長はどの様に言っていますか?」
「いや、理事長の発言は権力を持たない、あくまで学校の行政については我らが最高権力なのだからな」
「なるほど…しかし、やり方があまりスマートではありませんね」
「なんとでも言うがいい、これは決定事項だ生徒会に従うのが嫌ならば大人しく部を解散したまえ」
なんていいたい放題言われた俺たちはなす術も無く生徒会室を後にした。
「なぁ…これからどうする気だ?」
俺は素直に解散することをお勧めするが
「そうですね…僕としても部の解散は喜ばしいことではないので、しばらく様子を見ましょう」
しばらくってどの位だよ…。
昼休み終了のチャイムが鳴り響いたので俺は教室に戻ったのだが…。
昼飯を食べることをすっかり忘れていた。
はぁ…。

そんでもって放課後…。
いつものように影島と将棋をしているといきなり校内放送で呼び出しが入った。
「恋愛仲介部のみなさんは校庭に集合してください」
おそらく昼休みに生徒会室にいた上級生の女子生徒の声だろう。
「どうする?」
「仕方ありませんね…行きましょう」
で、奴を除く、俺、神崎さん、影島、叶野、池上、そして先生は
校庭にてゴミ袋とトングの様な物を渡されたのだが…。
「これで校内を綺麗にしてくれ」
生徒会長殿は簡潔に言ってその場を立ち去りやがった…。
なんか…奴並みの偉そうな態度だな。
しかし残った女子の上級生は以外にも気さくな態度で俺たちに接してくれた。
「ごめんなさいね、会長って結構他にも仕事があるから忙しい見たい」
聞いたところによると、この秘書っぽい上級生の名前は桐谷さんと言うらしい。
しかも副会長…。
可愛らしさでは神崎さんと同じくらいだが…。
フォーマルさもかねそろえているのでまぁ…先生と神崎さんを足して2で割った感じと言っておこう。
現在二組に分かれてゴミ拾い中の恋愛仲介部なのだが
俺たちは叶野、先生、桐谷さんって感じのメンバー…明らかに意図を感じるんだが。
「桐谷さん、あなたも特別な人間ですね」
なにをもって特別と断定するのだろうか基準が俺にはさっぱり分からん。
「そうね、あなた達とは真逆な存在ね、むしろ教員たちの秘密などを守るエージェントみたいなものかしら」
なんて微笑んでくれるもんだから…緊張感なんて吹っ飛ぶ訳で…。
「そうですか、では、あなたは学校側…の人間と判断してよろしいですか?」
「ええ、問題ないわ、でも、私は一応補佐的な位置にしかいないからどちらの味方をするでもないんだけどね」
「と…申しますと?」
「直属的な人間は会長と田中君だけだもの、私はあくまで生徒会の目的を知っているだけで直接私が動くわけじゃないから」
なるほどねぇ…役割を知ってはいるが干渉はしないってことか。
「これから多分長い付き合いになると思うから、よろしくね」
なんて愛想良く言う彼女は本当に一般人的なオーラを出していた。
俺としても彼女の様な立場でいたかったが…。
ここまで関わっちまうと戻るのは結構難しい。
まぁ適当にお話をしてゴミを拾い終わり、本日の活動は終了。
俺としても少し面倒だが人の役に立つことをした方が部室で遊んでいるよりはマシだろう…。
そう思っていた…。

次の日…。
なぜか奴は欠席をしている…。
本当になぜ来ないのだろうか?
まさか叶野にでも連絡を取って奉仕活動だと知り
エスケープに走ったんじゃないだろうな。
まぁ放課後になり…。
今日はいったい何が待っているのかと思えば
「今日は学校の備品チェックだ」
なんて言われたから俺たちは体育館でボールの数を数えたりしている。
「なんで他所の学校の備品を数えなきゃいけないのかしら…」
その疑問は当然だな池上よ…。
それでもサボらずに来ている辺りは偉いと思うぞ。
「こっちのチェックは終わりました」
叶野が戻ってきたので次は場所を移そう。
家庭科室…まぁ家庭科実習室のスプーンの数まで数えさせられるとは夢にも思わなかったけどな。
で、それも終了し俺たちは部室へと帰還するのだが
「何とかしてよ…私、こんなことをするためにマネージャーになったんじゃないのに」
じゃあ何をするためにマネージャーになったんだ?
と聞きたいのを抑えて俺も池上の意見に賛同しておこう。
「池上の言う通りだぞ、このままじゃ上手いように生徒会に利用されてるだけじゃないか」
このまま生徒会の手駒で終わる三年間なんて悲しすぎる。
「そうですね…僕もそろそろ動いた方が良いと思っていた所です」
「なら早く動け」
そしてこの状況を打破してくれよ。
「ですが…部長不在では…」
また奴か…なんで重要な時にいつもいないんだか…。
結局、奴が来るまで動けないってことかよ。

そんでまぁ一週間ほど無料奉仕させられていた俺たちの我慢が限界に達しそうになっていた頃。
ついに部長は学校に姿を現した。
俺は朝一で奴に話しかける。
「やっと来たか…お前のいない間に生徒会がな…」
「みなまで言うな…全て理解している、今まで俺は打倒生徒会の方法を考えていたのだからな」
それで休んでたのかー…って納得できる理由じゃないだろ…それ。
「今日から反撃開始だ、放課後部室に集合な」
鬼気迫る勢いで俺にそう言うと奴は授業も受けずに教室を後にした。
はぁ…何を考えているやら…。

で、放課後部室に到着すると…。
「全員整列っ!」
とか訳の分からない号令が聞えてきた…。
「なにをやっているんだ…?」
奴は完全防備の迷彩服…これから特殊任務でもこなす気かお前は。
「バカ野朗、俺のことは軍曹と呼べ」
俺が間違った反応をしていないことは確かだが
なぜ俺がダメだしをされている?
「現在、04時00分、作戦Aを開始する」
おいこら…いったい何を始める気だ…。
「説明しますよ」
叶野は俺の傍に立ち。
「なぜ、僕がいままで動けなかったか…それは田中くんが部室に来たときに彼をロープで縛りましたよね…それを証拠写真として向こうのカメラマンに取られたのです」
「カメラマンだぁ?そんなのいなかったじゃないか」
「いいえ、鉄道研究部からの助っ人であるロリ坂さんが撮っていたそうです」
「ロリ坂?そんな名前の生徒がいるのか?」
おかしな名前をつける親がいるもんだな。
「いいえ、これはあだ名ですよ、本名は違います」
「あーそうかい…で、これから何をする気だ?」
それを早く教えてくれ。
「これからある写真を奪還しに行きます」
「奪還だと…?穏やかじゃないな…」
「ええ、極秘裏に鉄道研究部から盗み出すのですから」
おいおい…終には窃盗犯かよ。

詳しく説明すると…鉄道研究部は生徒会に依頼されて恋愛仲介部の弱みを握っているらしい。
写真を印刷したのが昨日、学校に持ってくるとしたら今日…。
それが生徒会の手に渡る前に奪還しようと言う訳だ。
その写真を俺たちが処分できれば
今まで動けなかった叶野が動いて現状況を打破できるらしい…って本当に上手くいくのか?

「よし、全員配置につけ」
とか言われたんだが…。
俺は奴が写真を盗み出している間。
誰か来ないか見張っているという地味な役割さ…。
「よしっ取ったぞ」
奴が写真を手にしダッシュで逃げる…がそこに現れたのは
「ほう、騒がしいと思って来てみれば仲介部の連中か…そんなところで何をしている?」
あはは…生徒会長さんの登場ですよ、タイミングが悪すぎる。
「あーそれ俺の写真」
なんだか分からん小太りの男が奴の持っていた袋を指差す。
きっとこいつがロリ坂なのだろう…。
「なるほどな、君たちは私的な所有物を盗みに入った…と言う訳だな」
否定はしないが…。
「いえ、誤解ですよ」
俺の後ろから叶野が言う。
「誤解だと?」
「ええ、この写真は僕たちのものです」
叶野は袋の封を空け中の写真を取り出す。
「こ、これは…確かにお前たちの写真だ」
まぁ恋愛仲介部の活動記録的な写真がそこには入っていたのさ。
「ご理解いただけましたか?それでは、失礼します」
「くっ…」
苦虫を噛み潰した様な顔の会長さんを後目にして俺たちは部室へと戻ったのであった。

部室に戻って全員が定位置に座ると
「さすがだな叶野」
奴は叶野の機転を誉めた。
「いいえ、彼らが待ち伏せているのは予想済みでしたので」
まぁ叶野はわざと似たような封筒を用意し、フェイクとして部長に持たせ。
肝心の本物は影島が部長氏と会長の論争の間に部室に持ち帰っていた。
「よし、それじゃ処分するぞ」
まぁ処分と言っても適当なサイズに破いて燃やすだけだが。
「これで、僕たちの行動を制限するものが消えましたね」
爽やかに微笑む叶野。
だからと言って好き勝手暴れないで欲しい。
「それで、これからどうするんだ?」
俺が奴に聞く、すると
「そうだな、これ以上の行動は明日にしよう、相手も今日は警戒してるだろうからな」
なんと謙虚な答えが返って来た。
それじゃ今日はこれでお開きか…。
俺は安堵の息をつき。
みなが部室から出るのを確認、そして部室に施錠し
鞄を持って部室を後にした。
下駄箱では無垢な美少女神崎さんが俺の到着を待っていた。
「今日も疲れましたね」
まぁ話しの掴みとして言う。
「そうですか?私はみなさんと一緒で楽しかったですよ」
確かに…何事もプラス思考に考えないといけないね…。
「まぁ、つまらなくは無いですけどね」
少しはつまらない日があって欲しい…それが本音だけど。
「それでは」
「はい、また明日」
と交差点で神崎さんと別れ。
俺たちは家路についた…。


ちゃんと読んでくれている人がいるのだろうか?
少し不安になってきてますが頑張ります。








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