表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
40/113

茨の城

一日空きましたが続きです。もう少しテンポよく進めれたらいいのですが…。

 全員をルームに入れた後、ふと教会の窓を見てみたら茨モンスターがいたが、結界のようなものに弾かれて、窓の外の茨モンスター達は入ってこれないみたいだな。これなら守りも教会前で避難してくる人たちを支援するだけで十分か。


 俺は教会の裏口を開けて、閉め直ぐに『ステルス』を発動。茨モンスターが近寄ってきたが、俺を見失って辺りをキョロキョロとしている。


 『ウィング』を発動して空へ飛ぶと、裏口に茨モンスター達が殺到するが結界で弾かれて仰け反ってしまっている。頑丈な結界だな。だが、このままだと籠城になる。最短でも五日でしか軍は来れないから、このままだと全員が衰弱死してしまうだろう。俺達だけで先に来ておいて正解だったな。









 『ステルス』を発動したまま、久しぶりの帝国の城の中に入ると、城全体が茨の城のような光景になっていた。以前みた、綺麗な庭は見る影もなく茨や木で覆われ。ここが古代の城やエルフの隠れ里とか言われた方が、まだしっくりくるくらい緑に侵食されていた。


 確か、マップで二階の…東端だったな。壁全体に茨が絡み付いて見えにくいが…ここが窓か。マップで見てみると……中には3体ほど敵反応。城全体は詳細な内部は入らないと解らないな。よし、蹴破るかっ!






 ガシャァァンと大きな物音を立てながら部屋に入ると、即座に茨モンスターが俺に襲い掛かってくる。1匹目は上段で両断し、2匹目はそのまま横薙ぎに払い消滅させる。3匹目は射撃タイプなのか、茨を弓の様にしならせて俺に向かって木の矢を撃つ直前だった。


「トリプル・インパクト!」


 俺が剣を突きだすと、距離があるにもかかわらず、3発の衝撃が空間に発生して3発目が敵に直撃するが、入り方が浅く耐えられた。

さすがに槍じゃないから威力が落ちたか。だが、バランスを崩すにはこれでも十分だ。体勢を立て直す前に胸に剣を突き刺すと、3発分の追加攻撃が発生し消滅していった。



 部屋の安全を確認してからマップで確認をすると、部屋の外には敵はいないようだな。『ルーム』の魔法を念じてみるときちんと発動した。タツマの言うとおり、ここには魔法封印を無効化する魔道具がしっかりと効果を発動してるみたいだな。



 ガチャリと音を立てながら扉が開かれるとハヤト、タツマ、ネメアー、レオン王子、アデル、秋葉、春香と順に出てくる。俺も含めて総勢8人のパーティーだ。入りたてのネメアーだが、ルームに入る前に握手をした時『ログ解析』で、怪しい所は見当たらず、ログを見るからに信頼しても大丈夫だ。

 皆には、「人手があった方がいいしな。それに教会を守っていた事から悪人ではないだろう」と説得。実力もある上に丁寧な口調な事が幸いして皆も特に拒否する理由がなくパーティーに入れる事が出来た。


…なぜあのメイドの子を連れてきたのかもわかってしまったが、これは言わないほうがいいな。今は、この帝国の事態を解決する方が先だ。


「タツマ、魔道具はどれか分かるか?」


「これだが下に魔方陣が書いてあるだろう?これを動かしたらこの魔道具の効果が切れるから、触れないようにと厳重に注意を受けた。俺達の元の世界で言えばこれは多分、電源の役割を示すようなもの…だと思う。専門家じゃないから詳しいことはわからん」


 魔方陣は電源か…。なら、これを持って歩くのは無理だな。つーか見た目がスタンドライトなのはインテリアも兼ねてるのだろうか。しかし、こいつは困ったな。魔法が使えないのはいざという時に困る。


「なぁ、タツマ。この城の魔法を封じる奴は何処にあるかは知ってるか?ハイポーションもエリクサーもあるが、範囲回復が出来ないし、飲ませるか振りかける手間がいる。出来る限り魔法は使えたほうがいい」


「それならここの地下…地図が無いとわかりづらいな。俺も色んな地域の地図は持っているが、城の地図は国家秘密だから持っていないな…」


「それが普通だろう。我が国でも城の設計図は厳重に隠し金庫に保存してあるぞ」


 タツマの言葉に王子が頷く。そりゃ、城の地図なんて出回ったら侵入しやすくなるもんな。俺はマップで全域わかるが……これならあの生産スキルが使えるか?確か、紙と筆はあったはず。材料はあるか。


「ちょっと待っててくれ。木工系生産スキル「筆写」を使って地図を作る。全域マップだから多分いけるはずだ」


「…つくづく酷い性能をしてるな。お前を相手にしてたら帝国も負けるぞ」


「我が王国でさえ危ないな…」


「マサキを敵に回さない方が無難だろう。マサキが王国を離れれば私も離れるつもりだ。きっとヨーコも同じだろう」


「王国にはお世話になってますからね。よほどの事がない限りは離れませんよ」


 こっそり釘を刺しておくことは忘れない。よほどの事があったら王国を見限る可能性があるということを。それを分かったのか王子は「重々気を付けよう」と頷いてくれた。


 マップは今まで意識してなかったが、これも相当ひどい性能なのか…慣れ過ぎると危ういな。でも、国を離れても付いてくると言ってくれたアデルの言葉には嬉しくあった。最悪は国を出奔して何処か平和な所で暮らすのも手…と言いたいが、やることはやってからだな。そろそろ「筆写」が終わるころだ。


 木工系生産スキル「筆写」は本来の使い方は、本や、家具の設計図などを書きとめるスキルだ。設計図が無ければ家具をスキルで作ることが出来ないので、家具生産者には必須のスキルだ。紙とインクが割高だが、この世界だとそこまで高くないので王国で沢山買い込んである。


「これでよし。タツマ、魔法封印の場所は何処にある?姫の事を考えたら魔法は使えるに越したことはない」


「あ…ああ。城のここ…というかだな、なんで隠し通路まで丁寧に書かれているんだ!」


 あれ?「筆写」に任せてたら隠し通路まで書いてしまったようだ。さすがの事態に全員が唖然としてる。いや…春香だけ「あらあら」といった感じでいつものマイペースだ。


「ま…まぁ、隠し通路ならば敵は少ないだろう。ここは二手に分かれて、一つはこの元凶を倒しに、一つは地下の魔法封印を解除しにいくというのはどうかな?」


 ネメアーがふさふさな手で地図の上と下を示す。確かにそっちの方がいいかもしれないな。これだけの人数がいるなら、二手に分かれた方が効率はいいか。


「ならメンバー分けは…」


最上階:マサキ、春香、王子、タツマ

地下:アデル、ハヤト、秋葉、ネメアー


といった二手に分かれた。秋葉は救急セットをスキルで使えるからもう一つの班に入れるのは確定だ。あとは城の中なので自己回復が出来るアデル、自己回復+継続戦闘能力が特化してるハヤト、無手で敵を吹っ飛ばせるネメアーと頑丈さに特化したチームになった。


 俺達の方は、城の内部に詳しく、姫を助けたいという気持ちをくみ取ってタツマ、植物なら任せられる春香、と実力もあって春香を守るなら間違いなく一番のレオン王子になった。バランスは悪くないし、春香は本来攻撃力は低いが、『農家』の能力で、回復の効果があるハーブや除草剤まで持ち合わせているから心強い。除草剤が茨のモンスターに効果があり、即死したのには驚いた。



 マップで敵の反応が山ほどあるが、強く大きい反応を持つのが地下と最上階に一つずつ。タツマに聞いてみたが、地下の方は王族以外立ち入り禁止でその反応の事は解らないらしい。推測だがガーディアンのようなものがいるのだろうということだ。城を守るための対魔法結界だが、魔法とは関係がない茨の侵食には無意味だったみたいだな。



そして俺達は上に、アデル達は下に分かれて殲滅しながら移動を始めた。










 だが、俺は一つだけ言えなかった事がある。……………上の大きい反応のに黄色いハートのマークが植え込まれるように埋っていた事。俺が担当していたMMOでは、大規模用に一般のマークとは別に女王、または王女用にハートのマークが付けられている。キングはスペードだ。それが適用されたということは……恐らくこれは姫だ。女王は昔は居たが病死したと聞いている。これを教えてはタツマは恐らく…冷静を欠いてしまい、無謀な行動を取りかねないだろう。


 そして、その反応は黄色と赤の二色に点滅し危険な状況を記していた。想像以上に厄介な事をなるかもしれないと思いながら、俺は目の前のモンスターに攻撃する。一撃で消滅させて足早に、最上階へ向かって進んでいった。

折角送ってくれた修正個所ですが、諸事情により修正が滞って申し訳ありません。少しずつ修正していきますのでもうしばらくお待ちください。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
最近はこちらの方も日曜更新で頑張ってます。 宜しければこちらの方も感想や評価諸々を下さると大変喜びます。 TSさせられた総帥の異世界征服!可愛いが正義! re:悪の組織の『異』世界征服記~可愛い総帥はお好きですか~
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ