作戦
マイリス数100を超えました!皆様ありがとうございます!
前日に海賊団の部下達に遠方まで向かうという事は伝えてきた。
空を飛んでいくと伝えたらバルバロッサが明らかに下がった。トラウマになってるらしいな。
「海は俺らに任せてお館様は帝国の奴らにぎゃふんと言わせてください」
そう部下に告げられて俺は頷き翌日の作戦への準備をするべく屋敷に戻ろうとしていた。
部下のあいつらはそれをじっと消えるまで見ていた。
アイツらの為にもこの作戦は無事にこなさないとな。
死なないとはいえこちら側の死者も限りなく減らそう。
今回のスキルセットはこれだ。定番の物に加えて敵兵も捕虜にしたいので非殺傷を増やす。
パッシブスキル
MP自動回復(中)
HPMP自動回復(中)
身体能力上昇(特大)
近接戦闘能力上昇(大)
気配感知能力上昇(大)
罠探知能力上昇(大)
ふきとばし無効
アクティブスキル
スタンボルト
無音撃
手加減攻撃
前回のリヴァイアサン戦で物理的に吹き飛ばされたのでこれを付け加えた。
これは状態異常の部類には入らないので一々セットしなければいけない。
死なないとはいえ連続で転がされるのは見っとも無いのもあるしな。
罠探知は敵が軍事系のトラップを張る可能性を想定しての事だ。
地雷やC4など爆発物を仕掛けられては俺はともかく兵士は死ぬだろう。
スタンボルトは攻撃に麻痺の追加効果を与える。手加減攻撃、無音撃と重ねれば音もなく鎮圧できるコンボになる。調子に乗って首を折らないようにしよう。
アイテム生成も前日には行った。
ポーションやMPポーションはある程度アイテムやルームボックスに入れておいたとはいえ減る物は減る。
素材アイテムは薬草やハーブ類なので、この辺りは雑貨屋で売っていたので購入。
ポーション作成のスキルでサクサクとHPポーションx99。MPポーションx99を作り、ある程度をアデルやヨーコに渡して備えさせる。
「何でもできるんだな…料理も上手だし調合まで…私は正妻候補として何をすればいいのか困ってしまうぞ」
「そりゃもうアレをしてあげればいいのよ。んふふふ♪」
ヨーコがすげぇ楽しそうにアデルに耳打ちしていた。
それを聞いたアデルは頷きながら真っ赤になっている。
何を話していたのか大体は予想付くが、余計な事は言わないでほしいものだ。
婚約者となった二人にはたまに女性として性的に意識してしまうが…これはまだ戦争中だという事にして必死に自制している。
それは向こうも解っているようで無理には押しかけてこない。
それでも彼女らには不安にさせたくなく、作戦に赴く前に二人にはキスをした。
二人とも真っ赤になってしまい俺も年甲斐なく赤くなってしまった。
死亡フラグとか思われるが『無敵』がある以上死なないから関係はない。
装備はGM装備に迷彩防具で変更はない。
後は作戦に赴くまでだ。
作戦当日。
俺はウィングを、アデルは自力で、王子は小さい頃から共に育った大事にしている飛竜に跨って作戦を行う砦前の駐屯地まで向かった。
朝が弱いヨーコはジロウが支えながら王子の飛竜で落ちないようにしている。
今のジロウの恰好は普通の兵士の恰好をしている。
「それで大丈夫なのか?」
「ああ、これは忍術で誤魔化しているので大丈夫ですよ。解除すればこの通りです」
ジロウが忍術を解除すると黒い忍者姿に変わった。
【戦国侍戦記】の忍者の上位装備らしい。
忍術は変装が容易いので俺の迷彩装備より便利だ。
俺のステルスのように透明になるようなスキルはあるが、これを試したところ感知されて撃ち抜かれた事があるらしい。
向こうにもそれ相当のスキルがあるのは想像が付いていた。
途中で休憩を挟みながら俺達は駐屯地まで飛んでいく。
休憩は当然俺の『ルーム』の中だ。
「実にこれは便利だな…警戒の必要も全くなく、水も食料も豊富。仮眠に最適なソファーまで…ヨーコ殿、それを少々私に貸して…」
「嫌、たとえ王子でもこれは嫌」
王子ですら虜にしたダメソファーを俺の第二夫人(予定)のヨーコが死守している。
全身で沈んでリラックスしているようだ。
飛竜までは『ルーム』に入らず、侘びとしてバッファローの肉を与えてやったら喜んで食べていた。凶悪な顔つきだがアグアグと食べる姿は愛嬌がある。
十分な食事と休息を取り、朝になると俺達は再度空を飛び、予定通り二日目の夜になる前に砦前の駐屯地にたどり着いた。
飛竜が目印になったのか兵士が大勢出迎えてくれた。
兵士の中から立派な鎧を着た隊長らしき人物が前に出る。
「王子、ジロウ殿。ようこそいらっしゃいました。その方々が念話通信で仰ってた噂の蒼き英雄のマサキ準男爵殿と深紅の姫騎士のアーデルハイド様、そして第二夫人のヨーコ様ですね」
「そうだ。早速だが現状の報告を頼む」
「ハッ!」
この世界の念話はある程度までしか距離が届かないが優秀な魔法使いだと長い距離も飛ばせる。
それでも王国までは飛ばせる距離が長すぎて無理なので、途中途中に作戦用や緊急用に中継出来る優秀な魔法使いが村や街に配備されている。
通信のインフラは他国でも同じ仕組みらしい。
駐屯地の中は怪我人で溢れており、全員が腕や肩や足などを怪我を負っていた。
「どうやら怪我人が多すぎて治療が間に合っていないようだな…薬も残り少ないようだ」
報告を聞いた王子がため息をつく、薬が無くなれば今後の作戦を行うにも大きな影響が出るだろう。
これは回復魔法を使った方がいいな。ポーションも出来る限り提供しよう。
「今の怪我人の数はどれくらいですか?」
「重軽傷者、含めて80人程ですね…例の通り死者は少なくなってますが、破傷風で亡くなった者も出てきています」
「そうですか。なら怪我人の所まで案内してください。治療します」
「解りました。こちらです」
魔力上昇を付けてないが回復なら要らないだろう。
野戦病院にたどり着くとそこには血の匂いが充満し、汗や様々な匂いが混ざっていた。
その匂いに俺は一瞬吐き気を催すが堪えた。前に人を斬った時に血を浴びても、身体の中身を見ていて耐性が多少できていたのだろう。
全員がこちらを注目していて、中には手足がない者もいた。
俺は無言で野戦病院の中央に移動して、全員を範囲に収めてから魔法を発動させる。
『オールエリアヒール』
今回のイメージは強く、手足の再生まで行うようにやってみた。
ほぼ全員が重傷かそれ寸前なので過回復の心配がなさそうだったからな。
「お…おお!?怪我が…!」「お…俺の腕が…お、おい!お前も足が!」
「本当だ…動く…歩けるぞ!」
全員が怪我の治癒に驚き歓声を上げる。
だが俺は思った以上にMPを消費し地面に片膝をついた。意識がヤバい。
「ぐぅっ…」
「マサキ!大丈夫か!?」
「アデル…MPポーションを…」
「解った!」
アデルが渡しておいたMPポーションを俺に飲ませてくれるとようやく意識がクリアになり立ち直る。
ヤバかった。まさか回復の方が消費が多いとは思ってなかった。
これは確かにこの世界では使えるものが少数なだけある。気を付けなければ。
「はぁ…すまん。助かった」
「マサキは回復魔法の使い手でもあったか。これだけでも連れてきた甲斐があった者だな」
「この通り消費が激しいので使いづらいですがね。ですがこれなら作戦も大丈夫でしょう」
俺はまだ足元がおぼつかなく、アデルに支えられながら立ち上がった。
ヨーコも俺を心配しながら後を付いてくる。
美人な嫁さん二人に心配をかけるのはダメな事だが悪くない気持ちだった。
だが、中を見渡して不思議な事を思った。
「重軽傷者は多いですが…死者が思ったより少ない…?」
「ええ。恐らくは…「狙撃姫」が意図的に外しているのかと」
意図的に外す。
これで考えが付くのは複数があるが、一つは俺がやったような備品の消耗狙い。
回復アイテムにしても消耗品な以上、限度がある。
それをやり続ければ駐屯地は怪我人で溢れ、最悪伝染病が起きるだろう。
そうなったらこの駐屯地は終わりだ。燃やし捨てるしかない。
もう一つが…相手は殺したくないという事か。
任務だから撃たなくていけない。だが殺したくはない。
俺みたいに逃げないのは恐らく従属の首輪で縛られているからだろう。
従属で縛られても命令に逆らい出来る限り殺さないでいる。
ジロウ曰く、従属は命令に反すると首輪が締まり、激痛を走らせるが死にはしない程度らしい。
なら首輪を外せば……いけるかもしれないな。
「…キ」
やってみる価値はあるか。
「マサキ、どうした?固まっているが何か考えていたのか?」
アデルが俺の顔を覗き込んでいる。考えながら固まっていたようだ。
「ああ。少しな。皆には後で相談がある。王子、誰か人気が無い場所はありますか?」
「相談か?いいだろう。作戦本部が今は使っていないからそこが良いだろうな」
「では、そこで」
日曜日は2話投稿の形にすると思います。