ちゃんとやってください。
彼女に恋したのは高3の奴らの卒業式後日、つまり俺が高1のとき。別に出席してた訳じゃねぇけど、片付けに呼び出されて。
片付けもホントならサボるけどよ、出席日数がヤバかったわけ。
でも朝は苦手だわ、学校は嫌いだわ、先公はうざいわで、俺はその日も例にもれず、苛ついてた。
苛ついて突っ立ってたら1人女子がこっちに走って来て、言ったんだ。
ちゃんとやってくださいって。そーそー、それがありさちゃん。
別に何か劇的な出会いな訳でもなかったし、言っちゃ悪いけどすんげぇ美人でもねぇのに、俺さ。運命感じちゃったんだよね。
それからだよな、学校来んの楽しくなったの。
もちろんあの後すぐ、ありさちゃんはダチんとこに走ってって、怖くなかった?とか聞かれてた。ほらあるじゃん、女子特有のアレ。
でさ、まだ続きがあんだ。そう聞いたダチにありさちゃんはっきりさ、怖くないよって言ってて。
なんか、怖い生物見る見たいな目以外で女子に見られたの久しぶりでちょっと嬉しくなっちゃってよ。
ま、それが大体だな。あるんだな、運命って。
しかも俺その日から欠席してねぇんだぜ。何たって好きな人が出来たんだからな。
しかも俺ってば、高2のクラス替えでありさちゃんと同じクラスになったんだぜ!あの日はめちゃくちゃ嬉しかったなー。
はじめはちょっと気になる程度だったのに、観察してるうちにどんどん好きになってった。
ありさって名前もめちゃくちゃ可愛いと思った。顔もめちゃくちゃ可愛いと思った。
好きになると何でも可愛いと思うんだな、じいちゃんまで可愛く見えてビビったぜ。
とにかくこれが俺とありさちゃんの出会い。
今、ありさちゃんは俺の横で弁当を食べてる。友達として。
勇気出して誘ってよかったー。俺今すっげぇ幸せ。