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低殺傷火器(ローリーサルウェポン) 75
「これ、連絡先」 

 そんな少年の言葉に水島は端末を手にして操作してみた。

「アメリカ大使館?」 

 足が震えた。明らかに自分よりも能力に優れた少年。時々彼の隙を突こうと力の種類を検索してみたが、空間を切断したり人の思考を支配したりすることができる力があることが分かるばかりで自分のひ弱さを知るばかりだった。

「別に気にしなくていいよ。ただの見たまんまの子供だから。住所が大使館なだけであって・・・」 

「それで十分すごいことなんだけどね」 

「そう?そうでもないと思うけど」 

 少年が怪しげに笑う。そしてそのまま手を振って立ち去ろうとする。

「なんなんだ君は!俺を・・・」 

 水島の搾り出した言葉に気がついたように振り替える少年に驚きの表情が浮かんでいる。

「十分法術を使えるようになったらお話聞かせてもらうよ。それまで練習していてね・・・警察なんかの世話にならない程度にね」 

 にんまりと笑う少年の顔。その妖しげな姿に水島は飲まれていた。

 たぶん回りの通行人は二人が何を話していたのかなどは気がつきもしないだろう。そして自分の力も去っていく少年以外には関心のほかの出来事だった。

「練習か・・・」 

 なぜか気が付けば水島は自分の右手を見つめていた。端末を叩くのと本のページをめくること以外得意なことは何もない手。

『突然の出来事か・・・必然の出会いか・・・』 

 妖しげな少年の姿を思い出しながら水島も街の群れに消えることにした。

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