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低殺傷火器(ローリーサルウェポン) 3
「うるせえなあ……もう少し落ち着けよ」 
 アイシャの食いつきに呆れたように要は言うと画面を拡大する。そこには遠く離れた地球の日本の街の一隅にある学校の校門が映し出されていた。誠達はその中の学校の校門の横の石碑に刻まれた文字に目をやった。
「『東福岡魔法学院』……?『魔法』?」 
 ぼんやりと繰り返すカウラ。アイシャはついに口を押さえて大爆笑を始めた。
「アメリカさんは法術をマジックと呼んでるからな。和訳したら『魔法』だろ?」 
「ああ、そうですね」 
 思わず腹を押さえて二つ折りになっているアイシャに周りの視線が痛いほど突き刺さるのを見ながら誠はそうつぶやいた。
「……可笑しい!じゃあここの学校の生徒はみんなマントに杖を持っているわけね!ファンタジーよ!ファンタジー!誠ちゃんも入学したら?」 
「ばかばかしい」 
 上機嫌のアイシャの言葉をあっさり斬って捨てるカウラ。それでもアイシャの笑いは収まらなかった。
「神前はあと最低二年は必要だな、ここに入学するには」 
「え?そう言う条項があるんですか」 
「だってお前童貞だろ?今は23歳だから……25になるまであと二年。がんばれよ、菰田に負けるな!」 
 要の得意げな顔に誠は頭を掻きながら視線を画面に移した。その様子がおかしかったらしく今にも半分に折れそうな様子でアイシャは爆笑を続けていた。
「日本には遼州系の人間も多いからな。恐らくそのことをにらんで神前が法術の存在を示した『近藤事件』以前に準備は進んでいたんだろうな」 
 一人冷静に画面を見つめるカウラ。さすがにそんなカウラも見るとアイシャも笑いに飽き、要が再び升酒をあおり始めると周りの野次馬も興味を失ったように散っていった。
「しかし『魔法学院』はないだろ……誰かこのネーミング止められなかったのかね」 
 ニヤニヤしながら要は画面の中の看板に目をやっていた。


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