低殺傷火器(ローリーサルウェポン) 179
「なんだろう・・・あれ?」
誠は自分のしていることが今ひとつよく分からなかった。展開された干渉空間に手が自然と伸びる。そこには一振りの剣があった。
「鳥毛一文字・・・」
手に触れた瞬間に誠は確信した。そのままするすると鞘から刀身を引き出す。
「神前!」
カウラの言葉を浴びて誠の周りの空間が飛び散った。両側から掃射が行なわれる。だが誠にはそれはぬるい攻撃に見えた。
『時が・・・ゆっくり流れるんだな』
空中を流れるように進む弾丸が見て取れる。誠はすばやく身を翻しそれを避けた。そしてそのままゆっくりとベッドの後ろに隠れているサイボーグに走り寄った。
恐怖の表情が米軍の軍服を着たサイボーグに浮かんでいるのが分かる。ゆっくりと振りかぶるライフル。だがその動きは誠にとってはあまりに遅いものだった。誠の剣がサイボーグの顔面の暗視ゴーグルに突き立てられた。まるでケーキか何かにフォークを立てるような柔らかい感覚で刀が突き立てられる。
次の瞬間、サイボーグの顔面から血が勢いよく噴出した。隣では震えながら誠を見つめる水島の姿がある。
「水島勉・・・違法法術展開および殺人未遂容疑で逮捕する」
落ち着いての誠の一言。水島はただ腰を抜かして倒れていた。
「化け物・・・なんで・・・」
頭の中に何度か痛みを感じた。
「ここで僕の能力をハッキングしたらさらに公務執行妨害がつくぞ」
言い切った誠の言葉に水島は諦めたようにうなだれた。
「神前!応援が到着した!」
背後でカウラが叫んでいた。アイシャも満面の笑みで誠を見つめている。
「あちらも済んだのか・・・」
そうつぶやくと誠は不意に訪れた眠気に支配されて手にしていたサイボーグのチタン製の頭蓋骨に突き立てられた刀を杖にするようにして意識を失っていった。
小説家になろう 勝手にランキング
+注意+
・特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
・特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)
・作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。
この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。