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低殺傷火器(ローリーサルウェポン) 149
「こりゃあ・・・租界と大差無いな」 

 巨大なトレーラーをやり過ごしてそのまま埋立地の道に車を走らせながらカウラはつぶやいていた。冬の城東区。埋立地に向かうトレーラーには基礎工事に使うのだろう巨大な鉄骨がむき出しのまま積み重ねられているのが見えた。走る車は業務用の車両ばかり。去年から本格的に始まった城東沖の埋め立て工事がいかに大規模なものかと言うことを誠達に知らせるには十分すぎる車両の列が続いていた。

「アパートなんかあるのかよ」 

「地下鉄の駅が近いからその周辺にはあるんじゃないの?」 

 要の言葉に助手席のアイシャが紺色の長い髪の枝毛を気にしながらぶっきらぼうに答える。誠も臨海部と言うと危険地帯の租界近辺ばかりを思い出していたが、目の前の次第に海へと拡張していく街の端っこと言う光景を見ると別世界のように思えた。

「人が住むには向かないところは租界と一緒か・・・だけどあっちの方が人が住んでるだけましかな」 

 つぶやいた要に誠も自然に頷いていた。大型車の絶え間ない通行に瀕死の道路のアスファルトの割れ目から地下水が絶え間なく湧き出す様が目に飛び込んでくる。

「これは・・・帰ったら洗車しないとな」 

 カウラはそうつぶやくとようやくビルの基礎工事をしているらしい一角にトレーラーが入っていくのを避けながら車を加速させた。

「でもまあ・・・数年立ったらここら辺のビルもマンションだかオフィスだかができるんでしょ?そうなればにぎやかになるかもしれないじゃない」 

「アイシャ・・・おめでてえな。一発不況が来ればゴーストタウンの出来上がりだ。どうなるかわかったもんじゃねえよ」 

「ずいぶん慎重なのね、要ちゃん・・・何か悪いものでも食べたの?」 

「今朝はオメエと同じものを食った・・・そうか、オメエも悪いものを食ったから変なのか」 

 いつものように一触即発の二人を見ていた誠。まっすぐ続く道の片隅にようやくコンビニエンスストアーと完成しているビルらしきものを見つけてほっとして運転中のカウラに目をやった。

「あそこのコンビニの近くだな」 

 カウラはそう言うと走る車の無くなった道で車を加速させる。小さな点のように見えたコンビニエンスストアーの建物が三階建ての比較的新しいビルでその二階より上がアパートになっていることに誠も気づいた。

「コンビニの近くって言うか・・・コンビニの上じゃん。水島とかいう奴はコンビニの店長だったのか?」 

 要の言葉に誠は曖昧な笑顔を浮かべて再び目の前のコンビニに目をやった。


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