低殺傷火器(ローリーサルウェポン) 119
「僕の力の話はここですることじゃ・・・」
誠の言葉に不思議そうな顔をする要がいた。めんどくさそうに一度視線を外した後ため息をつく。
「ここまでの話の流れと事件の容疑者の能力で分からないか」
カウラのその言葉。ようやく誠は結論に行き着いた。
「僕を外すと言うことですか」
ある程度は誠にも分かる話だった。相手は法術師の能力を奪って暴走させることで世間に何かを伝えたいと思っている愉快犯であることが想像できる。ならばその法術師の再発見のきっかけを作った誠の能力を暴走させることが犯人の最大の喜びにつながるだろうことも想像できた。
「でも・・・外したら隊長がこの面子で東都警察に私達を出向させた意味が分からなくなるじゃない」
「そうだけどな・・・」
アイシャのフォローにもただ要の表情は曇るだけだった。誠の能力は干渉空間展開と領域把握能力の二種が確認されていた。干渉空間を展開し、その中の存在を有る程度意のままに操れる。それは先日の死者を出した事件を見ればかなり危険な能力だった。そして領域把握能力をハッキングして他の隊員の意思を読み取られてしまえば逮捕どころの話ではなくなる。
「法術師を使いこなせ・・・相手が誰でも・・・そう言いてえのは分かるんだけどさ」
再び要がこめかみの辺りの長い髪を掻きあげる。沈黙がその場を支配した。
「でも私も法術師ですけど?」
ラーナは相変わらずモニターから目を離さずにそうつぶやいた。思い出したような要の表情。そしてアイシャがうれしそうに頷く。
「要ちゃん。ラーナちゃんも捜査から外すつもり?」
「こいつは慣れてるから良いんだよ!」
「慣れてるって・・・この種の法術師が発見されたケースはほとんどありませんけど」
そんなラーナの言葉に要はさすがに頭に来たようで手を上げかけたものの静かに右の握りこぶしを静かに下ろした。
「ああ、ようやく我慢を覚えたか」
「うるせえよ」
カウラにチャカされて要は苦笑いを浮かべていた。
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