明るい家族計画
「まったく、お前ってやつは・・・」
「てへ、ぺろ」
てへぺろとか言ってんじゃねー!
この女、いつの時代の日本で天使の研修してたんだ?
ボケ方が何気に、ちと古い。
「だから、どうやったら鎧を装着できるんだよ」
「ああ、簡単ですよ」
だったら、変態ポーズ取らせないで早く教えろ
「ベルトに刺さっている聖剣があるじゃないですか」
「聖剣?」
そういえば、あのバカでかくてクソ重い聖剣が・・・
って、これかよ!
ベルトに10センチ位のオモチャみたいな剣が刺さっていた。
「それを一度抜いて、もう一度刺せばベルトが鎧に変態します。
抜くって言っても、剣ですからね、違うものヌかないでくださいね」
スルーだ。
このエロ天使の下ネタは今後一切反応しないぞ・・・
俺はオモチャの剣を一度抜いて刺し直した。
ガシャン!ガシャン!ガシャン!
おお!
鎧が元に戻った。
オモチャの剣が光輝いて、俺の頭上でクルクルと回った。
剣は鎧の背中に張り付くと通常サイズの特大ソードに戻った。
鎧に装備された格好だ。
「早く服買わないとな、こんな重い物身につけて日常生活を送るのもなぁ・・・」
「まぁ、キャラ設定ですから」
キャラ設定?
「アニメとかで登場人物がコロコロ衣装変えてたら
スタッフの労力がハンパないですからね。お金もかかりますし」
ここは、異世界かもしれんが、俺にとっては現実の世界だ。
アクセス0でアニメ化の心配してんじゃねーよ!
「いっそのこと、全裸にベルトだけっていうのはどうですかね?
ケントさん、ご自分の裸体に自信があるようですし
見られて興奮するド変態さんなら、一石二鳥じゃないですか」
自信も無いし、興奮もしねーよ!
辞書で『一石二鳥』の意味を調べ直せ!このアホ魔術師。
「全裸になんかなるか!丸出しで歩いても捕まらないのかこの世界は?」
「一応、中世欧州風味ですから、問題ないかと思います」
問題あるわ!
マッパで魔王討伐の旅をする勇者がどこにいる?
「おや、旅する気満々ですね。ケントさん。
その調子でガンガンとモンスター狩りまくってくださいよ」
「いや、戦わないよ」
「え?」
「戦い方とかわかんねーし、死にたくねーし、痛いのヤダし・・・お前一人でやってくれよ」
「ええっ!私とエッチしたくないんですか?」
はぁ?
どの口がそれを言う?
どの面下げて、どの乳揺らして、それを言うんだ?
もう、だまされないぞ!
「あはは・・・ヤンキーガエルのくせに以外に学習能力があるんですね」
俺はヤンキーでもカエルでもないが、例えそいつらでも二度とだまされるか!
嘘つき魔女の口車に、そうそう乗るかよ!
「えっと・・・あ、そうそう、魔王を倒すときっと良いことがありますよ」
ふん!誰が耳を貸すか!
「ほら、魔王討伐のあかつきには、ご褒美沢山で・・・」
無い頭を必死に捻るカレン・・・
「なんか、その、『いいね!』いっぱい貰えたり・・・」
ほう・・・
で?
「諦めていた結婚もできるかも!」
諦めてねーし!
「そう!結婚!
王様が『勇者には姫を娶らせよう』とか言って
リズ姫を嫁にくれるかもしれませんよ。あのカワイイ姫を」
ひ、姫を?
俺がリズ姫と結婚?
ま、まぁ、悪くない・・・か
「魔王を倒すまで一年や二年はかかるでしょう。
その間にリズ姫も成長しますよ。バインバインに・・・」
バインバインって、どんなんだよ・・・
でも、あの姫の二年後か・・・
うむ。
反抗期も終わり性格も良くなって・・・
出るとこは出て、引っ込むところは引っ込んで・・・
うむ、うむ。
いいかも!
「ま、まぁ、選ばれし勇者だかんな、この世界のためだしさぁ・・・」
「さすが、ケントさんです!
姫を娶った後はこの国の王となって
側室山盛り作っちゃいますか?
愛人いっぱいのハーレム生活、しちゃいますか?」
ハーレム・・・悪くない響きだ!
「よし!魔王倒して姫と結婚だ!」
「おお!」
「魔物狩りまくりで、ハーレムでやりまくりだ!」
「おおっ!」
嗚呼、学習能力皆無の俺・・・
次話予告
ポケットぉ~の中には~・・・
子供心に思ったものだ。
ビスケットを増やそうとポケットを叩けば、ビスケットは粉々に砕けるのではないかと・・・
そもそもポケットに直にビスケットを入れる奴ってどうよ?
食べ物を新聞紙に包んでいた三丁目は遠い昔
空き地や土管が未だに描写される国民的アニメも昭和の遺物か?
次回「ひみつなポケット」
やっぱ、ヒロインがお風呂好きな所がヒットの要因なのだろうか・・・