ここは大阪寝屋川市。
一家に1台必ずタコ焼き機があるという、タコ焼きをもっとも愛している町だ。
この町に、1人の少女が住んでいた。
少女の名前は愛沢咲夜。
大富豪の孫娘三千院ナギの幼なじみで、これまた結構なお嬢様である。
彼女は今、1つの悩みを抱えていた。
それは、ナギの執事の綾崎ハヤテについてである。
咲夜はハヤテと出会ってから、少しずつではあるが彼の優しさに惹かれていた。
三千院家の庭で遭難しかけたり、恋ヘルペスの妖怪に襲われたり、ナギに姉として指導しようとしたり・・・
そのどの時にも、彼女の側にはハヤテがいた。
咲夜はハヤテの優しさに少しずつ触れ、そのたびにドキドキしていたのだった。
そしてこの間一緒にカキを取りに行った時、ついに咲夜は自分の気持ちに気づいてしまったのであった。
自分は、綾崎ハヤテに恋をしているのだという事を・・・
その事で、咲夜は悩んでいたのであった。
愛沢咲夜
「ハァ・・・」
1人の少女が自分の部屋でため息をついていた。
彼女が愛沢咲夜。
今回の話の主人公である。
咲夜
「ハァ〜・・・なんで、四六時中ハヤテの顔が頭に浮かぶんやろ・・・」
そう、咲夜はこの頃ハヤテの事ばかり考えているのだ。
近頃は考えすぎているせいか、彼女の夢の中にまで彼が出てくるのだ。
しかも、夢の内容はいつも決まって咲夜とハヤテが仲良くデートする夢。
彼女の頬は、自然に赤く染まっていった。
咲夜
「なんでウチ、ハヤテの事ばっか頭に浮かぶんやろ・・・これはもしかして・・・恋?」
咲夜の頬は、またも赤く染まった。
咲夜
「ウチがハヤテに恋してる?そうなんやろか?考えてみたら今までにもいくつか思い当たるシーンが・・・」
ハヤテ『そんな別に咲夜さんの事、子供扱いなんてしてませんって・・・』
咲夜『さ、さよか・・・』
咲夜『ウチも一緒にブレーカー見に行こか?』
ハヤテ『それはちょっと、やめておいた方が・・・咲夜さん一応、女の子ですし・・・』
咲夜『へ?・・・!!う、うあ!!』
咲夜
「あん時は恥ずい行動とったよなぁ、ウチ・・・気がついたら、服がはだけてるんやもんなぁ・・・」
『とにかくここで死ねー!!』
咲夜『ヒャアア!!』
ハヤテ『危ない咲夜さん!!』
咲夜『おお・・・借金執事・・・?』
ハヤテ『大丈夫ですか、咲夜さん?』
咲夜
「あん時は嬉しかったなぁ・・・もうちょい来るんが遅かったら、ウチあの妖怪にやられてたかも・・・」
ハヤテ『咲夜さんも一応女の子なんですから、そんなはしたない格好はいけませんよ。』
咲夜『もぉ!またウチをそんな風にバカにしおってー!!』
咲夜
「あん時は雰囲気で逃げ出してしもたけど・・・よぅ考えたらあれ、ウチの事考えた上での行動やったんやなぁ・・・あの後、恥ずかしくて部屋のベッドに突っ伏してしもたしなぁ・・・」
今までのハヤテとの思い出を振り返る咲夜。
ハヤテ『じゃあ咲夜さんも、メイド服に着替えてくれるんですか?』
咲夜
「あのセリフがウチには一番効いたなぁ・・・ほんで、一緒にカキ取りに行ったあん時からなんや・・・ウチが、ハヤテへの想いに気づいたのは・・・そやけど、どないしょ・・・ハヤテの事好きやけど、ナギとの友情を壊したないし・・・そやけど放っといたら別の子にハヤテとられてまうかもしれんしなぁ・・・ハァ〜・・・」
「咲夜さん?どうしたんです、ため息ばかりついて・・・」
咲夜
「ハル・・・」
そこにいた女性の名前は、白皇学院生徒会書記の春風千桜。
後ろの髪をリボンで束ねているツリ目のメガネっ娘で、生徒会長(桂ヒナギク)を中心とした生徒会執行部の立場にいる人物だ。
愛沢家が経営するメイドカフェでメイドのバイトをしていた所を咲夜にスカウトされ、休みの時は彼女のメイドとして働いている。
メイドの時は『ハル』と名乗っており、メガネとリボンは外している。
千桜
「ため息ばかりついていては、幸せが逃げますよ?」
咲夜
「『ため息ばかり』って・・・もしかして、ウチの独り言聞いてたんか・・・?」
千桜
「は、はい・・・」
咲夜
「ど、どの辺りからや・・・?」
千桜
「え、えっと・・・『四六時中ハヤテの顔が頭に浮かぶ』辺りから・・・」
咲夜
「全部やないか、それー!!」
千桜
「ス、スミマセン!つい聞き入ってしまって・・・」
シュウウウウウ・・・
ボン!!
一瞬で頬が熟れた赤リンゴ状態に染まる咲夜。
咲夜
「ま、まぁええわ・・・とりあえず、紅茶と洋菓子持って来てくれへん?」
千桜
「あ、はい!」
咲夜
「あ、それと・・・」
千桜
「はい?」
咲夜
「知り合いがおらん時は、ウチの事は『咲夜お嬢様』でええ。」
千桜
「わかりました。それでは、今から持って来ますね?咲夜お嬢様。」
千桜は紅茶と洋菓子を取りに行った。
千桜
「それでは、本題に入りましょう。」
咲夜
「本題?」
千桜
「とぼけてもダメですよ。綾崎君の事についてです。」
咲夜
「ゲッ・・・」
千桜
「咲夜お嬢様は、綾崎君の事どう思っているんですか?」
咲夜
「え!?え、えーっと・・・」
千桜
「好きなんですか?嫌いなんですか?」
咲夜
「す、好きや・・・」
千桜
「だったら、どうして彼に告白しないんですか?」
咲夜
「そ、それは・・・」
千桜
「咲夜お嬢様、恋愛経験があまりない私が言うのも何ですが・・・素直にならないと恋愛は損しますよ。」
咲夜
「そ、そやな・・・ほな、今からナギん家にでも行こか!」
千桜
「ウフフッ、そうしましょう。」
咲夜と千桜は電車に乗って、三千院家にやって来た。
咲夜
「あ〜、久しぶりにナギん家に来たな〜。」
千桜
「そうですね。ところで咲夜お嬢様・・・」
咲夜
「何や?」
千桜
「ここってどこなのでしょう?」
咲夜
「へ?」
気がつくと、咲夜と千桜は屋敷とは全くちがう所に来ていた。
千桜
「まさか、咲夜お嬢様・・・道に迷ったんじゃないでしょうね・・・?」
咲夜
「え!?ア、アハハ・・・そうとも言うかも・・・」
千桜
「笑い事じゃないでしょー!!」
咲夜
「スマン・・・ところでハル・・・」
千桜
「はい?」
咲夜
「あれ、何やろ?」
千桜
「・・・え?」
咲夜が指差した方を千桜が見ると、そこにはどう見ても数10メートルはあろうかと思われる大蛇が・・・
咲夜・千桜
「・・・」
考えてる場合ではなかった。
咲夜と千桜は一目散に走り出した。
咲夜
「何や何や、あの大蛇は〜!?」
千桜
「私に聞かれても知りませんよ〜!!」
咲夜
「何であんな巨大な大蛇が三千院家の庭におるんや〜!!」
千桜
「だから知りませんってば〜!!」
ズッ!
千桜は前しか見ていなかったため、小石に足を引っかけ転んだ。
千桜
「キャッ!!」
ドッ!
咲夜
「ハ、ハル!!」
咲夜は千桜に駆け寄る。
咲夜
「大丈夫か、ハル!!」
千桜
「は、はい・・・」
咲夜が千桜と会話している間に、もう大蛇が追いついて来ていた。
咲夜・千桜
「あ・・・」
大蛇は舌をチロチロさせる。
咲夜
「アカン!コイツ、ウチらを食う気や!!」
千桜
「イヤ〜!!」
大蛇は口を大きく開けた。
今にも咲夜と千桜に襲いかかろうとしている。
咲夜
「(イ、イヤや・・・こんな所で死にとうない・・・まだアイツにウチの気持ち、伝えてないんやから・・・)」
大蛇は咲夜と千桜にゆっくりと襲いかかって来た。
次の瞬間、咲夜は叫んだ。
咲夜
「ハヤテ〜ッ!!」
ハヤテ
「イーナーズーマーキィーック!!!」
ドガッ!!
どこからともなく現れたハヤテが大蛇にキックを喰らわせた。
大蛇は後ろに飛んで行く。
ハヤテ
「大丈夫ですか、咲夜さん。」
咲夜
「ハ、ハヤテ・・・う、うん、大丈夫や・・・」
咲夜は顔が赤くなる。
ハヤテ
「どうしたんです?咲夜さん。」
咲夜
「な、何でもないんや、何でも・・・」
千桜
「あのー・・・お話の続きはあの大蛇を倒してからにしませんか・・・?」
ハヤテ・咲夜
「え?」
ハヤテが後ろを向くと、大蛇が怪しげな妖気を放っていた。
ハヤテ
「って、まだ倒れてなかったんですか〜っ!?」
『シャー!!』
大蛇は牙を向いて襲いかかって来た。
ハヤテ
「うわっ!!」
「八葉六式・・・」
トン!
大蛇がハヤテ達に襲いかかる寸前、その頭にどこからともなく現れた伊澄が人差し指を置いた。
「撃破滅却。」
ドーン!!
大蛇は大爆発した。
ハヤテ
「あ、伊澄さん・・・」
伊澄
「さぁ、では3人共・・・ナギの所に参りましょうか・・・」
ようやく三千院家に着いた咲夜と千桜は、伊澄と共に紅茶を飲んでいた。
ナギ
「そっかそっか、道に迷って大蛇に襲われてハヤテと伊澄に助けられたのか。」
咲夜
「あぁ・・・まさか、あんなもんがおるなんて思わんかったわ・・・」
ナギ
「ところで・・・2人共、ハヤテに助けられてハヤテにときめいてはいないだろうな?特に咲夜・・・」
咲夜
「な!何言うてんねや!ハヤテにときめくやなんて、そないな事・・・」
咲夜はあわてふためいてしどろもどろになった。
顔が熟れた赤リンゴ状態だ。
ナギ
「(ハッハーン・・・なるほどな〜・・・咲夜はハヤテの事が・・・)」
ナギはニヤリとした。
ナギ
「そうだハヤテ、咲夜とハルさんを風呂に連れて行ってやってくれ。何なら一緒に入ってもよいぞ。」
ハヤテ
「えぇ?」
咲夜
「何ぃ!?」
千桜
「わ、私はマリアさんに連れて行ってもらいますので・・・」
千桜はマリアに連れられて行った。
ナギ
「さて、ハヤテ!フロに行く準備をしたらどうだ?」
ハヤテ
「そ、そうですね・・・」
咲夜
「(ア、アカン・・・ハヤテとフロなんかに入ったら、ウチ恥ずかしくて死んでまう・・・)」
咲夜はソロリソロリと逃げようとした。
しかし・・・
ギシ!
なぜかそこにあったコントローラーを踏んでしまった。
ナギ
「どこに行くのだ?咲夜。」
咲夜
「!」
ハヤテ
「咲夜さん、逃げちゃダメですよ。」
咲夜
「あ、ウチ、ちょっと用事思い出したから・・・」
咲夜は後ずさりするが、運悪く後ろに伊澄がいた。
咲夜
「ゲッ・・・」
伊澄
「逃がさないわよ、咲夜。」
ハヤテ
「さ、行きましょう咲夜さん。」
咲夜
「イヤやぁ〜!!」
哀れ、咲夜はハヤテに引きずられ連れて行かれた・・・
咲夜
「・・・」
咲夜はさっきから、ずっと下を向いている。
それに比べて、ハヤテは全く動じていないようだ。
さすがは天然ジゴロと言ったところか。
ハヤテ
「どうしたんですか、咲夜さん?」
咲夜
「ほぇ!?な、何でもないんや!何でも!!」
口ではこういう咲夜だったが、内心ではかなりドキドキしているのだ。
ナギの差し金とはいえ、自分が好意を寄せるハヤテと一緒におフロに入っているのだから、そうなるのも当然なのだが・・・
ハヤテ
「咲夜さん、背中流してあげますよ。」
咲夜
「ほ、ほぇ!?あ、はい!」
咲夜はされるがままに、ハヤテに背中を流された。
ハヤテと咲夜は湯船に浸かった。
咲夜は赤面しっぱなしである。
ハヤテ
「咲夜さん。」
咲夜
「あ、はい!何でしょう!?」
もはやいつもの強気な咲夜ではない。
ハヤテ
「咲夜さんは、ボクの事どう思っているんですか?」
咲夜
「え!?あ、イヤそれは・・・」
ハヤテ
「ボクは好きですよ?咲夜さんが。」
そう言うと、ハヤテは咲夜の頬にキスをした。
咲夜
「〜っ!!!」
咲夜は一気に顔が真っ赤っかになった。
シュウウウウウ・・・
ボンッ!!
咲夜
「ウ、ウチ、先上がるわ・・・」
咲夜は足早に大浴場から出て行った。
ハヤテ
「あ、咲夜さん!」
咲夜
「ナ、ナギ、ウチ今日はもう帰るわ!ハル、行くで!!」
千桜
「あ、はい!」
咲夜は千桜を引っ張って走って行った。
ハヤテ
「お嬢様・・・ボク、何か咲夜さんの機嫌を損ねるような事したんでしょうか?」
ナギ
「さぁ〜?」
伊澄
「それはどうでしょうねぇ〜?」
ナギと伊澄は顔を見合わせ、クスクスと笑っていた。
咲夜と千桜は、愛沢家へと帰って来た。
千桜
「あら?門が開いていますね・・・」
咲夜
「ホンマや。ちゃんと閉めたハズやのに・・・何でや?」
千桜
「不審者でも侵入したんでしょうか?」
咲夜
「かもしれへんな。」
千桜
「じゃあ、裏口から入りましょう。」
咲夜と千桜は、裏口に周り、そこから愛沢家の中へと入って行った。
咲夜は千桜と別行動し、屋敷の中を歩いていた。
咲夜
「けど、おかしいなぁ・・・ウチはナギんトコみたいに警備ロボとかはあんまおらんけど、巻田と国枝がおるんやから不審者なんかそう簡単には入られへんハズやのに・・・」
咲夜がそんな事を言いながら歩いていると、右の扉から出て来た男2人とばったり出くわした。
ガチャ!
咲夜
「ん?」
「・・・見たな。」
咲夜
「え・・・」
2人はどこからどう見ても、怪しい格好をしていた。
咲夜
「・・・」
次の瞬間、咲夜は悲鳴を上げた。
咲夜
「キャ〜ッ!!」
同じ頃、三千院家に電話がかかってきていた。
マリア
「はい、三千院です・・・え?不審者が?」
千桜
「はい・・・まだ確証はないんですが、不審者が侵入している可能性があるんです!誰かこちらに向かわせてくれませんでしょうか?」
マリア
「では、ハヤテ君をそちらに・・・」
千桜
「よろしくお願いしま・・・むぐっ!!」
マリア
「ハ、ハルさん!?どうしたんです、ハルさん!?」
千桜
「うぅ・・・」
ドサッ・・・
マリア
「ハルさん!?返事してください!!ハルさん!!?」
千桜の返事はなかった。
なぜなら、千桜は背後から近づいて来た何者かにクロロホルムを嗅がされて、眠らされたからだ。
電話は切れた。
ナギ
「マリア、ハルさんどうしたんだ!?」
マリア
「急に電話が切れて・・・ハヤテ君、咲夜さんの家に行ってくださ・・・」
マリアが後ろを振り向いた時、ハヤテはもういなかった。
マリア
「ハ、ハヤテ君!?」
ナギ
「ハヤテならもう向かったぞ。伊澄と一緒にな。」
ナギは微笑んでいた。
一方その頃、咲夜は2人の不審者に追いかけられていた。
「待てーっ!!」
咲夜
「待て言われて待つヤツおるか〜!!」
咲夜は必死に逃げていた。
しかし、数分程で自分の部屋に追い詰められた。
咲夜
「あっ・・・」
「もう逃げられねぇぜ。」
「諦めな。」
咲夜
「そうはいくか!ウチかて愛沢家の血を継ぐ者や・・・オマエらなんかに負けるかぁ!!」
咲夜はどこからか木刀を取り出すと、2人に斬りかかった。
ブン!!
「うぉぉ!!」
咲夜
「スキありぃ!!」
咲夜は1人を木刀で弾き飛ばした。
「何てパワーだ!!」
咲夜
「(こんな事もあろうかと、伊澄さん家から木刀もらっといて良かったわ・・・)さぁ、痛い目見る前に降参せぃ!!」
「・・・」
「ククク・・・それはどうかな?」
突然、2人の後ろから声が聞こえてきた。
咲夜
「え?」
ガチャ!
千桜
「さ、咲夜お嬢様ぁ・・・」
咲夜
「ハ、ハル!!」
何と、千桜が手足を縄で縛られ、男に抱えられていた。
千桜
「うぅ・・・」
「ククク・・・コイツの美しい顔にキズつけたくなかったら、おとなしくしろや。」
咲夜
「ク・・・クソォ・・・」
その後、咲夜は千桜と同じように手足を縄で縛られ、床に座らされた。
咲夜
「クソォ・・・捕まってしもた・・・」
千桜
「申し訳ありません、咲夜お嬢様・・・」
咲夜
「ハルのせいやない、気にすんな。」
千桜
「それにしても、この者達は誰なんですか?」
「そこのアンタは知らんだろうが、そっちのお嬢ちゃんなら知ってるハズだぜ。」
千桜
「そうなんですか、咲夜お嬢様?」
咲夜
「え?っていうかウチ、見覚えないんやけど・・・」
「そういえば、オレ達今日はちがう覆面だったな・・・なら、これで思い出すだろ?」
そう言って、男は覆面を取り出した。
それは、咲夜には見覚えのある覆面だった。
咲夜
「その覆面・・・思い出したで!確かオマエらは・・・」
しばしの沈黙。
咲夜
「デニーズ・フロート!!」
ズテッ!
3人はコケた。
「ちがうわアホォ!!オレ達はファミレスのフローズンか!!デニーズ・フリートだ、デニーズ・フリート!!」
咲夜
「そういえば、そういう名前だったような・・・」
「やっぱり忘れてたんじゃねぇか!!」
咲夜
「そやかて、アンタらアッサリやられたし・・・そんな連中いちいち覚えてられるワケないやん。」
「フン・・・」
咲夜
「ところで、ウチに何の用や?目的があったからわざわざ住所調べて来たんやろ?」
「ああ、その通りだ・・・オマエの執事共に恨みがあったからな。」
咲夜
「そんなんやったら、ウチらやのぅて巻田と国枝にケンカ売ったらええのに・・・」
「甘いな・・・すでにその2人は倒した!」
「今頃倉庫で寝てるだろうぜ。」
咲夜
「そ、そんなアホなぁ!!」
「オレ達はヤツらが許せん・・・オレのプライドを簡単にキズつけやがったからな。だから・・・」
男はニヤリとした。
「オマエらを人質にして、愛沢家から金を頂いてやるのさ!!」
咲夜
「そ、そんな事させへん!!」
「オマエらに何ができる?その状態で。」
千桜
「私はあなた達に捕まる直前に電話で三千院家に助けを求めました!直に綾崎君がここに来てくれるハズです!!」
「何、あの執事が?」
咲夜
「そやな、ハヤテが来たらオマエらなんかものの数秒でやっつけられるで!今の内に逃げた方がええんとちゃうか?」
「ハハハ!それはどうかな?この大阪まではかなり距離がある。アイツが着く頃には、オレ達はとっくにここからおさらばしてるぜ。さてと・・・」
男はズボンに手を入れると、ガムテープを取り出した。
咲夜・千桜
「!!」
「騒がれると面倒だからな。」
男はガムテープをビーッと切った。
「少し黙っててもらおう。」
男は咲夜と千桜の口にガムテープを貼った。
ペタッ。
咲夜・千桜
「ん〜、ん〜!!」
「さてと・・・あの執事が来る前に逃げるとするか。」
2人の男は咲夜と千桜に近づいていく。
咲夜・千桜
「んっ、んんっ・・・!!」
咲夜と千桜はもがいた。
咲夜
「(イ、イヤや・・・助けて、ハヤテ・・・)」
次の瞬間、咲夜は力一杯叫んだ。
咲夜
「ん〜っ!!!(ハヤテ〜ッ!!!)」
「そこまでですよ。」
「だ、誰だ!?」
ハヤテ
「あなた達でしたか・・・咲夜さんの家に押し入った犯人は・・・」
咲夜
「ん、んんっ・・・(ハ、ハヤテェ・・・)」
ハヤテ
「よくも咲夜さんとハルさんをヒドい目に遭わせましたね・・・」
伊澄
「許さない・・・」
そう言うと、伊澄はお札を取り出した。
伊澄
「八葉六式・・・拡散・撃破滅却!!」
伊澄の放った一撃が、瞬時に2人の男を倒した。
「な・・・フン、調子に乗るなよ!こっちにはまだ人質がいるん・・・だ!?」
男が言い終わる前に、ハヤテが目の前に現れた。
「あ・・・」
ハヤテ
「ハァッ!!」
ハヤテの一撃が決まり、男は床に沈んだ。
その後、ハヤテが呼んでおいた警察が到着し、デニーズ・フリートの3人は連行されていった。
咲夜
「・・・」
咲夜はさっきから、下を向いたままである。
伊澄
「咲夜・・・ハルさん、咲夜とハヤテ様を2人きりにさせてあげましょう。」
ハル
「そうですね。」
伊澄と千桜は気を利かせ、部屋から出て行った。
咲夜
「ハ、ハヤテ・・・助けてくれてありがとう・・・」
ハヤテ
「礼には及びませんよ、咲夜さん。」
咲夜
「あ、あの・・・ハヤテ・・・」
ハヤテ
「はい。何でしょうか、咲夜さん?」
咲夜
「ウチ・・・その・・・(言わなアカン・・・勇気出して言わな・・・)」
咲夜は叫んだ。
咲夜
「ウチは・・・愛沢咲夜は・・・綾崎ハヤテの事が・・・好きです!!!」
咲夜は顔を真っ赤にして、下を向いた。
ハヤテ
「顔を上げてください、咲夜さん。」
咲夜は顔を上げる。
ハヤテは咲夜にキスをした。
咲夜
「ハヤテ・・・」
ハヤテ
「ボクも咲夜さんの事が好きです。ボクとつき合っていただけませんか?」
咲夜
「・・・!!は、はい・・・喜んで・・・!!」
咲夜はハヤテに抱きつき、泣き出した。
その後、2人は三千院家でナギに説明した。
ナギは2人の気持ちを知っていたらしく、快く2人の交際を認めてくれた。
こうしてハヤテと咲夜は、晴れて恋人同士となったのだった。
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