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 二ヶ月も更新せずにすみません。

ショウ「あと一日遅かったら、『この連載小説は未完結のまま約二ヶ月以上の間、更新されていません。』が出るところだったね。」

 前回の後書きで書いた『ショウが波導弾を使える理由』は、チーム名がまだ決まってないので次回にまわすことになりました。本当にすみません。
第三話 プクリンのギルド
「さっきは助けてくれてありがとう。」

 ドガース達から石を取り返した二人は、洞窟を出て海岸で話をしていた。

「そのことはもういいよ。それにしても、さっきの石は?」
「ああ、あれはね……」

 アチャモはバッグからドガース達から取り返した、小さな石を取り出す。それは本当に小さく、ショウの拳ほどもない。

「これは、『遺跡の欠片』っていうの。……といっても、私がそう呼んでるだけなんだけどね」

 苦笑まじりにそう前置きすして、ショウの顔を伺う。彼が自分の言った事を少しも笑わなかった事を確認し、少し嬉しそうだ。

「私、伝説や昔話とかが大好きなの! だって、聞いてるだけでワクワクするし……」

 完全に自分の世界に入ってしまっているアチャモを無視して、ショウは遺跡の欠片を見つめている。

「……そんなとき、偶然ひろったのが、この『遺跡の欠片』なんだ。一見、ガラクタに見えるけど、よくみて。見たことも無いような模様が描かれてるでしょ」

 ―――確かに、見たことも無いような模様だな……。いや、でも、これ、どこかで……?

 ショウは思い出そうとしたが、何も思い出せなかった。

 考えるだけ無駄だな。どうせ、記憶は無いんだし。

 そう自分を納得させて、ショウは思い出すのをやめた。

「私は、この『遺跡の欠片』が、はまる場所を見つけたくて、探検隊になろうと思ったの。それで、さっきもギルドに入ろうとしたんだけど、私、意気地無しで……入ることができないの……」

 さっきまでとは打って変わって、どんどん声の調子がしぼんでいく。
 ショウはなんとなく、空気が抜けていく風船を思い浮かべた。様子にしても、そのスピードにしても、そっくりだったからだ。

 アチャモがちらっと、若干上目遣いでショウを見た。

「……ねえ、ショウはこれからどうするの?」
「そう言われてもね……。その言い方からして、僕と探検隊を組んでほしいみたいだけど……」

 今信用できるのは、アチャモしかいないし、探検隊をしていれば、自分のことも分かるかもしれないな。

「いいよ。探検隊、やってあげるよ。おもしろそうだしね」
「本当!?あ、ありがとう!」

 とたんに、アチャモの目が輝く。

 その様子を見てショウは、喜怒哀楽のはげしいやつだなと思った。

 ショウはため息をついてから、アチャモと一緒にプクリンのギルドへ向かった。。





「ここが『プクリンのギルド』ねえ……」

 ショウはわざとらしくそう呟いてから、アチャモの顔を見た。
 アチャモは、こわばった顔でその建物を見たまま、動きが止まっている。

 その様子を肯定と受け取ったショウは、もう一度、『それ』を見た。

 夕日によって不気味にライトアップされた、サーカスのテント―――それが、ショウの第一印象だった。

「で、君はなんでそんなにふるえているんだい?」
「だ、だって、なんか不気味だし……」
「それは僕も認めるし、共感できる。不気味なのは夕日が照らしているからだろ。早くしないと日が暮れるよ? ここでチームを登録しないと、探検隊にはなれないんだろ?」
「う、うん……」

 ショウに押し切られる形で、アチャモはなんとか網の上に乗った。
 しかい、乗ったとたん、小さい子供みたいな、甲高い声が、網の下から声がした。

「ポケモン発見!! ポケモン発見!!」
「誰の足型? 誰の足型?」
「足型はアチャモ!足型はアチャモ!」

 最後の声が、どこか嬉しそうだ。
 おそらく、いつも途中で逃げられてしまって、最後まで言えなかったのだろう。

 ―――なるほど、足型で訪問者の種族を確認してるのか。なかなか、考えているじゃないか。

 関心した様子で網を見るショウ。アチャモのことなど、すでに人事だった。

「ううっ……我慢しなくちゃ……今度はショウもいるんだし、探検隊になるためにも勇気をださなくちゃ……」

 そして少し間をおいて、もう一人も乗れとの指示が出た。

「ショウ!次はショウの番だよ。ここに乗れって」

 ああ、そういえば、自分も入るんだったな。

 やっと本来の目的を思い出し、ショウは網の上に足を乗せた。

「ポケモン発見!! ポケモン発見!!」
「誰の足型?誰の足型?」
「足型は……、足型は……、ええっと……」

 甲高い声がつまった。どうやら、種族が分からないらしい。

「どうした、ディグダ! いったい誰の足型なんだ!?」

 苛立っているのか、かなり声がでかい。二人は、思わず耳を塞いだ。

「ええっと……足型はたぶんリオル! たぶんリオル!」
「何だ、たぶんって!?」
「だ、だってぇ、この辺じゃ見かけない足形なんだもん」
「だってじゃない!! 情けないぞ、ディグダ! 足型の形をみて誰がきているのか見分けるのがお前の仕事だろうが!!」
「そ、そんな事言われても……分かんないものは分かんないよぅ……」

 ショウにはこの会話だけで、相手がどんなことをしているのか、手に取るように分かった。ただし、ディグダと呼ばれていた甲高い声はほとんど聞こえなかったが、それでも十分だった。


「なんかもめてるみたいだけど……これってもしかして私達のせい?」
「知識不足のディグダと、それを置いているギルドのせいじゃないか?」

 不安がるアチャモに、どうでもいいというようにショウが言った。

 



 そして数分後、内部の誰かの一喝により、揉め事はおさまった。

「待たせたな」

 そう網の下から話しかけてきたのは、ディグダを怒鳴っていたものと同じだった。

「まあ、たしかにリオルはこの辺じゃ見かけないが、怪しいものでもなさそうだな」

 ショウには、その言葉が少し芝居がかっているなと思ったが、せっかく入れるんだからと、気にしない事にした。

「よし、そこの入り口からはいれ!」

 ガガガガガガガ……

 油をさしていないのか、大きな音を立てて持ち上がる鉄格子。

「わあ!、開いたよ!」
「大事なのは、これからだよ」

 初めて扉を開けてもらって興奮気味のアチャモをたしなめながら、ショウはその入り口をくぐった。








 中は、思ったより広かった。普通のポケモンが、五十匹は入るだろう。

 壁には、便箋のようなものが張られた物、ポスターのような物がそれぞれ張られた掲示板がある。その隣にはガラス張りではないが窓もあり、そこから夕日を拝むことができる。

「うわあ、たくさんの人たちがいるけど、やっぱりみんな探検隊なのかな?」

 アチャモがはしゃいでいると、沢山のポケモン達がそれぞれの会話を楽しんでいる中、下の梯子から上ってきたポケモンが、一直線に二人の所へやってきた。
 鳥のような見た目。頭は黒、襟は白、羽は青で、胸は黄色、そして胴体は緑と、実にカラフルだ。

 彼は二人を見つけるなり、

「おい!」

 と、声をかけてきた。

「お前だね? アチャモというのは?」

 その声には、どこか怒りがふくまれていたが、それに気づいていないアチャモが、裏返った声で返事をした。

「は、はい、そうです!」
「私はペラップ。事実上、ここを取り仕切っている者だ」

 そして、いきなり大声で怒鳴りつけた。近くにいたポケモン達の視線がが、何事かといっせいに三人に集まる。

「よくもまあヌケヌケと顔をだせたね、このピンポンダッシュもどき! この一週間、どれだけこのギルドをからかったら気が済むんだ!」

 勝手に決め付けるペラップにあわててアチャモが言う。

「ちょ、ちょっと待ってよ!わたし達、そんな事で来たんじゃないよ」
「そうそう、探検隊になるためにここに弟子入りしようと……」

 ショウが助け舟を出すと、

「ええっ!た、探検隊だってぇ!?」

 ペラップは驚いて羽ばたき、二人に背を向けてブツブツと独り言を言い始めた。

「……今時珍しい子達だよ、このギルドに弟子入りしたいだなんて。修行の厳しさのあまり、脱走するヤツらがあとをたたないというに……もしかして、ただのでまかせなんじゃ……」

 ショウとアチャモは、顔をみあわせる。これでは、ただのアブナイ人だ。
 そして、アチャモが代表して聞いた。

「ねえ、探検隊になるための修行って、そんなに厳しいの?」
「はっ!!」

 ペラップは文字通り飛び上がると、あわてて向き直った。

「いやいやいやいやいやいや!! そ、そんなことは無いよ!! 修行はとぉーっても楽チンだよ!!」

 全身全霊、全力で否定するペラップ。
 そして、満面の作り笑いでで言った。

「そっかぁ♪それならそうと早く言ってくれればよかったのに♪」
「なんか、急に態度が……」
「じゃあ、チームを登録するからついてきてね♪」

 都合の悪い事をしゃべりだしたので、話をぶったぎる。そして、ペラップは上機嫌で梯子へ歩いていく。
 二人は、あきれてすぐには動くことができなかった。

「どうしたの、二人とも?さあ、早く早く♪」

 急かすペラップに、ショウが言う。

「……ねえ、君。『君子は豹変す』って言葉、知ってる?」
「ん? それがどうかしたかい?」

 ペラップは心底ワケがわからないという様子で、キョトンとした顔だ。
 何を言っても無駄だなと思ったショウは、

「いや、何でもないよ。それより、早く行こうか」
「う、うん」

 こうして、三人は梯子をおりた。


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