人間じゃなかったら……縦書き表示RDF


以前、みみずくとして掲載していた小説ですがIDを変更して内容修正を行い再掲載です。
人間じゃなかったら……
作:シャンク=サフィラ


「もし、貴方が人間じゃないとしたら何になりたいですか?その理由は?」
 いつも通りの学校の休み時間。友達の佳世にいきなりこんなことを聞かれた。私は、そんなこと、どうせただの遊びだろうと思って、気にも止めていなかった。
「ねぇ、答えてよ!」
佳世がしつこく迫ってきた。仕方なしに私は、適当に答えることにした。
「じゃあ……あれ?」
「どうしたの?」
「いや……」
私は言葉に詰まってしまった。簡単に「犬」とでも答えておこうと思ったのだが、私の心の中の何かが、それを止めたような感覚に陥った。『もし、貴方が人間じゃないとしたら何になりたいですか?』この、佳世の質問が気にかかって仕方がなかった。特に最初の、『もし、貴方が人間じゃないとしたら』の部分。人間じゃないとしたら……。そんなこと考えたことがなかった。それは、誰もそうだろう。だが、私は真剣に悩み始めてしまった。『人間じゃなかったら……』
私は、ずっとこの言葉を心の中で繰り返していた。何故だか、不思議な気分になった。
「ねぇ……成美?」
佳世の呼ぶ声。私はそのまま考え込んでしまっていた。チャイムの音が鳴った。
「あ、やばい。それじゃあ、またね」
佳世があわてて教室から出て行く。授業が始まった。授業の間、私はずっと、その質問の答えを探していた。自分でもなんでこんなに真剣に考えているのかなと疑問に思っていたけど、なんだか、考えられずに入られなかった。放課後までの間、私はずっと考え、そしてある答えに行き着いた。

 放課後、いつもの様に佳世と一緒に下校する。私はそのときに言った。
「ねぇ、答えが出たよ」
「え?何が?」
「貴方が人間じゃないとしたら何になりますか?その理由は?」
「ああ〜、あれね。なになに?」
私は、佳世の期待する目で見られてちょっと、戸惑った。だが、私は口を佳世の耳元に持ってきて、こう言った。
「私が、人間じゃなかったら何になりたいかはね……。何にもなりたくない」
「ええ!?」
佳世は驚いていた。こんな答えが返ってくるとは思っていなかったのだろう。ちょっと、佳世の期待を裏切っちゃったかな。
「どういうこと?」
佳世は私に聞いてきたので、私は空を見上げながらこう言った。
「だって、人間じゃなかったら、今、こうして佳世と一緒に歩いていることなんてないでしょう。それに、学校の友達とも一緒にいられないから。犬や猫とかかわいいな〜と思う動物はいっぱいいるよ。だけど、それは人間としてみたからかわいく見えるだけ。犬や猫だって、飼われていなければどれだけ寂しい思いをしているか分からないもん。私は、今こうして、人間として佳世や、学校の友達と遊ぶ。家で飼っているペットたちと遊ぶ。これで、十分幸せなんだもん」
私が言った言葉に納得するかのように佳世は
「なるほどね……そうかもしれないね。私も今こうして、成美としゃべっているの、すごい楽しいもん」
「でしょ!」
私たち二人は、お互いの家へ着くまで、楽しくしゃべっていた。














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