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第一章 始まりの日
第二話 二人で歩く
「いっぱい買ったね」
「そうですね」
 僕は買い物袋を見る。どれもかなり膨らんでいて中身がもれてしまいそうだ。 
「でも、久しぶりだったねえ。四人そろったのって」
「ですね。舞さんたち思ってたよりずっと変わっててびっくりしちゃった。ハルの中身もあまり変わってなかったみたいだけど」
「だって、五年も会わなかったんだよ。当たり前よ」
 ですね、っと僕は相槌をうつ。
 十歳から十五歳までの五年間、僕は里で母さんに体術や、魔術など様々なことを仕込まれていた。しかも実戦形式で、たまに母さんの仕事まで手伝わされた。
 かなり大変で一部は死ぬんじゃないかと思ってしまうほど辛かったけど、おかげでかなり強くなったと思う。これでも一級退魔士の資格を持っている。
 え? なんで五年間鍛えられていたかって?
 それは、一応僕が木霊家の次期当主候補(兄もいてその人も候補)だからでもあるのだが、一番の理由は舞さんだ。
 昔、いじめられていた僕を助けてくれた憧れの人だ。いつかこの人みたいな人間になりたいと思ってた。だから強くなりたかった。
「空狐くん?」
「あ、ごめん。なに?」
 言うのは恥ずかしいから誤魔化すように聞き返す。
「ううん、なんでもないよ」
 そう言ってから彼女はにやりと笑う。その笑いに背筋がぞっと冷える。
 やばい、なんかわからないけどやばい。逃げようとしてもう遅かった。
「えい♪」
 舞さんが抱きついてえぇえぇぇえ!!
 うわ、わき腹に柔らかい感触が二つ! しかもなんかいい匂いが漂ってきた!
「な、なにするの!!」
 しかし、反応はない。あり? なんか難しい顔して固まってるよ。
「なんで?」
「えっ?」
「なんで硬いの?」
「えっ? そりゃあ、男だから」
「そんな!!」
 何かショックを受けたように後ずさる。
「ふわふわ柔らかくなくちゃクーちゃんじゃないよ!」
 なんじゃそりゃ!
「なんで筋肉なんて付けちゃったの! スカート穿いたりしてあんなに女の子っぽかったのに」
「それは、単に子供の時は女の子っぽかっただけで、僕もれっきとした男です。そして、スカートとか穿かせたのは、舞さんと母さんでしょ!」
 しかも、その時の服は舞さんが着てた服だったから余計に恥ずかしい。
「いいじゃん。似合ってたんだから」
 そう言いながら、舞さんはしばらくの間憎々しげに僕の腹をグーでこずづいたのであった。
 ううう、やっぱりまた着せられるのかなあ?
 そう考えると、なんだか憂鬱な気分になるのであった。




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