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呪われた町 作者:ザックス
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VSパイン

「おい!パインお前その目...」

ジークが呼びかける。だが返事は返ってこない。いつものように丁寧な言葉が返ってくることはない。

「ジーク、あの子がパインかい?」

「そうだ」

「そうか...。あの子に呼びかけても無駄だよ。もう、戻って来ないかもしれない...」

「じゃあなんだ、殺すしかないのか?」

「そうだ」

「ブレイクを倒しても無駄か?」

ジークは少しの希望を持ち、アルウェルに聞く。

「無理だね。あれは魔法じゃなくて催眠術みたいなもんだ。魔法なら術者が死ねば魔力が無くなり魔法が解けるが催眠術はそんなの関係無いからね。ただ、呼びかけを続ければ戻ってくるかもしれない。ほとんど無理だろうけどね」

ジークは少しの希望に頼るしかなかった。いざとなればパインを殺さなければならない。そうなればパインは恨まないだろうか、助けてくれなかった自分を許してくれるだろうか、ジークは不安で押し潰されそうになる。
覚悟を決める。
やるしかない。
ジークはそう自分に言い聞かせる。

「おい!パイン!俺はお前を助けたい、お前が帰って来なかったら俺はお前を殺す!その時は恨むなよ」

剣を構える。
パインはいつでも魔法が撃てる体制に。

「アルウェル、手を出すなよ。俺がなんとかする。あいつと戦うなら俺だ」

先に仕掛けたのはパインだった。魔法がパインのてから撃たれる。火のような魔法だった。
ジークは剣を振り、魔法を切る。その瞬間ものすごい爆風が起こる。

「おい、本当に殺す気かよ...」

ジークは、大回りにパインの周りを周る。
パインが詠唱を始める。詠唱している間は一瞬だけ空きができる。そこを狙いジークはパインに距離を詰める。魔法が放たれる。だがそんな魔法アルウェルの魔法よりかなり遅かった。
ジークは魔法を切りパインを蹴る。蹴られたパインは吹き飛ばされる。
パインは苦しそうに咳き込みながらジークを睨みつける。

「そんなに睨むなよ。お前らしく無い。」

パインは息が出来ず魔法が使えないはずだ。そう思いジークはパインに近づく。
するとパインが紅い目をさらに赤くしながらジークに詠唱をせずに魔法を撃ってきた。

「なんだ...!」

魔法が直撃する。受け身をとりなんとかなったがパインを見ると明らかにさっきとは違う感じになっていた。
詠唱をしないまま手から連続で、全く違う色の魔法が撃たれる。そして、撃たれている魔法の狙いはめちゃくちゃで、ジークには当たらなかった。
魔法を撃ち終わったパインの姿は元のパインの姿を全く感じさせなかった。
髪が乱れ、息が荒く、殺気が尋常じゃなかった。

「おい、パイン落ち着け!帰ってこれないぞ!」

ジークはパインに近く。
魔法が放たれる。狙いは的確。この魔法を切ってもさらに後ろに魔法がある。
ジークは剣を投げ魔法を貫く。
銃を取り出し、パインに向かって撃つ。狙いは魔法を放つ腕。
弾丸は命中し、魔法の嵐が止まる。

「おい、パイン目を覚ませ!」

「黙ってくれません?あなた馴れ馴れしいですよ。今度は殺します」

パインがそう言うと砂嵐が起きる。
全く前が見えない。ジークは呼びかけ続ける。

「おい、パイン!行くな!パイン!」

しばらくすると砂嵐が止み視界が晴れる。
そこには、パインは居なかった。

「やっぱりね」

後ろからアルウェルが声をかけて来た。

「どういうことだ?」

「負けそうになると逃げるのは予想できた。多分決着をつけるのはブレイクと戦うときだろうね」

そうなればパインを戻すことは難しい、そのことはジークでも分かった。
それでも諦めたくなかった。

「なぁ、頼みがある」

「何?」

「仮にお前の予想が当たっていたら俺はパインと戦う。その間ブレイクの相手を頼む」

「別にいいけどまだ諦めないのかい?あそこまで行くともう帰ってくるのは難しいよ」

「分かってるだが、諦めたくないんだ」

「そう、力は貸す、けど引くのは早い方がいいよ」

「分かってる」

パインを戻すこと。助けること。この町を壊すこと。それがジークの目的。達成しなくてはならない目的になった。
例え自分が死ぬことになろうとも必ず...。
ジークは決意する。


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