事件の真相
ジュン:「裕一君、皆を呼んで来たわ!」
と、ジュンが事件当時に食堂にいた全員を食堂に連れてきた。
麗子:「夫を殺した犯人が解ったって本当ですか?」
裕一:「麗子さん、待って下さい。
首を吊って亡くなったのは、ご主人ではありません。
お兄さんの初郎さんです。」
麗子:「え、そうなのですか?」
裕一:「はい・・・。
ご主人は生きております。」
次郎警部:「あぁ、私ならちゃんと生きておる。」
麗子:「あ、あなた・・・。」
裕一は、事件の真相を語り始めた・・・。
裕一:「先ず、先に言わなくてはならない事。
それは、犯人がこの中にいる事です!」
麗子:「あら嫌だ。
怖いわ・・・。」
裕一:「驚くのはまだ早い。
犯人は二人います!」
次郎:「何だって!?」
裕一:「まず、被害者の小島 猛を殺害したのは、次郎さん、貴方です!」
ジュン:「それ、嘘でしょ!?」
裕一:「俺が今まで嘘言った事あるか?」
次郎:「ま、待ちたまえ。
何故、私が小島さんを殺害しなくてはならないのかね?
第一、証拠は?」
すると、「パァン!」と言う銃声が鳴った。
次郎:「銃声!?」
裕一:「そう、貴方はカセットテープに銃声を録音し、今みたいに鳴らしたのです。」
次郎:「そ、それじゃあ、拳銃は何処から?」
裕一は、遺体があった所を示すテープから入り口に直線状になる様にその位置に立った。
ジュン:「そこって、次郎警部がいた所じゃない?」
裕一:「そう、次郎さん。
貴方は此処で被害者を撃ったのです。
そのポケットの穴が何よりの証拠です!」
次郎:「こ、これは、虫食いの跡だ!」
と、誤魔化す次郎に・・・。
裕一:「では、その焦げ跡は何ですか?」
次郎:「煙草の跡だよ!」
裕一:「煙草ですか?
でもさっきは、『虫食い』、と言いましたよね?」
次郎:「言い間違いだ!」
裕一:「次郎さん・・・拳銃にも指紋と同じ様に、線条痕と言う物が残るんですよ。
なんなら、鑑識に調べて貰いましょうか?
小島さんの遺体を貫通した銃弾と次郎さんの撃った拳銃の線条痕をね!
それと、+αで硝煙反応も調べさせて貰いますよ!」
次郎:「まだだ・・・。
まだ、謎が残されているのがある。
犯人は、小島さんを二回撃っている。
だが、犯人が銃を二発撃つとは限らない!
一発で仕留めれば二発撃つ必要は無いからな。」
裕一:「それは、二発撃ちたかったんですよ!」
次郎:「ほぉ、何故二発撃ちたかった?」
裕一:「5年前・・・JOKERと言うレストランで強盗事件が起きました。(プロローグ参照)
当時、強盗犯は三人・・・。
そして、その内の二人が初郎さんの手によって銃殺されている・・・。
だから、貴方は二発撃つ必要があったんです・・・。
当時の二人の被害者が味わったのと同じ痛みを与える為にね!」
皆が騒ぐ・・・。
次郎:「面白い推理だ・・・。
だが、停電の時はどうなんだ?
犯人は何処にいて、何処へ逃げたんだ?」
裕一:「犯人は最初から食堂にいたんですよ。
停電が起きて、被害者の時遠さんを殺害するまでの間はね!」
次郎:「では、その後は何処に逃げたんだ?」
裕一:「食堂の外ですよ・・・。
そして、電気が点くのを待ち、点いたら何食わぬ顔で食堂に戻って来る・・・。
刑事としてね・・・。」
次郎:「私がやったと言ってるのか?」
裕一:「そうです!
しかし、時遠さんの時は、貴方一人での犯行は無理でした・・・。
だから、共犯者を使った・・・。
そして、その共犯者は・・・郡山 麗子さん、貴方です!」
麗子:「あ、貴方、何をおっしゃいますの!?
私は犯人ではありませんわ!
それに、私はお風呂に入っていたんだから、ブレーカーの入切は無理ですわ。」
裕一:「それが出来るんですよ・・・。
お風呂に入りながらタイマーを使ってブレーカーを落とす事がね・・・。
そろそろ停電が起きますよ・・・。」
すると、裕一の声に合わせて「バチン」と、電気が消えた・・・。
そして、直ぐに電気が点いた・・・。
麗子:「い、今のどうやったのよ!?」
裕一:「それは、仕掛けが来てから・・・。
お、噂をすればそれが来ましたよ。」
裕一が入り口に向かって指を差すと、森本警部補がテグスとホースとビニール袋を持って立っていた・・・。
麗子:「それが何だって言うの?」
裕一:「貴方が停電が起きた時に使ったトリックの材料ですよ。」
麗子:「あんな物でそんな事が出来るのかしら?
聞かせてちょうだい・・・。」
裕一:「警部補、宜しくお願いします。」
森本警部補:「良いですか?
先ず、このテグスの先端に接着剤を付けて、ブレーカーの主電源にくっつけます。
そして、このビニール袋をもう片方の先端に結び、ホースをビニール袋の中に差し込み、水道の蛇口を軽くひねります。
すると、水が徐々に溜まって行き、ビニール袋が重りに変わって、やがてブレーカーが落ちる仕組みになっています。
これが、停電のトリックです。」
成る程、あの時にいなくなったのはこの為だったのか。
麗子:「だからって、私がやったと言う証拠にはならないわ。」
裕一:「ブレーカーはお風呂場の入り口にある浴槽の掃除用具室がある部屋にあります。
あの時、貴方は初郎さんが亡くなった部屋で『お風呂に入っていた』と証言している・・・。
あの時刻に、お風呂場にいた貴方にしかこの犯行は不可能です。
それに、目撃者だっています!」
すると、目撃者がやって来て「あ、この人です!」と答えた。
麗子:「くっ、そんな馬鹿な!
目撃者がいたなんて!?
全て上手く行くと思っていたのに・・・。」
裕一:「麗子さん・・・。
初郎さんを殺害したのも貴方ですね?
動機は、5年前のJOKERの事ですね?」
麗子:「えぇ、そうよ・・・。」
裕一:「貴方は、5年前のJOKERの強盗犯を車に乗せて移動する運転手だったんじゃないんですか?
いや、そうでないと、あの時に追いかけた時遠さんが見失う筈がありません。」
麗子:「その通りよ。
全てはあの日から始まったの・・・。」
麗子は、5年前の強盗事件の事を語った・・・。
麗子:「私たちはお金に困っていたわ・・・。
それで、偶々見かけたレストランに止まり、三人が強盗に入ったわ。」
裕一:「それは、初郎さんが撃った二人と次郎さんですね?」
麗子:「そうよ・・・。
そして、二人が暴れたわ・・・。
そしたら、二人はその初郎に撃たれたのよ。
その時からだったわ・・・。
いつか、あの男共に復讐してやると誓ったのは・・・。」
裕一:「それで、今回の事件を思いついたと・・・。」
麗子:「えぇ、奴らの事は初郎が良く知ってたわ・・・。
私は初郎に酒を飲ませ、デロデロに酔わせてから聞いたわ。
そしたら、ベラベラとあの話を喋り始めたのよ・・・。
だから、私は夫と今回の事件を計画したのよ・・・。」
なんと、計画殺人だったのか!?
麗子:「後は、探偵さんの言う通りよ・・・。」
麗子と次郎は、その場に崩れた・・・。
森本は、その二人に手錠を掛けた・・・。
これで、ようやく事件が終わったな・・・。
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