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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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 戦闘は激化し続けてる。僕はもう周りを気にしてる余裕なんてなかった。なにせ相手は会長だ。いくつ……今、いくつあいつの仕込みはある? 僕の中にも既に怪しいコードは貯まってる。そしておそらく皆の中にも。それはいつでも毒の効力を発動できるのか……そうじゃないのかわからないが、良い気分はしない。


「リルフィン!」

『わかってる』


 僕たちのやり取りの直後、近くにテア・レス・テレスの奴が現れて魔法を発動する。でもこっちはそれを事前に察知してた。リルフィンは尻尾でその魔法を防ぎつつ、現れたテア・レス・テレスにタックルをかます。それは上手く会長のほうへと飛んで行く。そしてそれに併せて僕も会長へと向かう。会長が良ければ、そっちの仲間を切り裂くだけ。こんな時、お前ならどうする? いや、十中八九わかってる。何年あいつと一緒に居ると思ってる。だからこそ、リルフィンとこれを狙ったんだ。

 気付かれないように、戦闘中にも関わらず、エアリーロの協力をえてコードを書いた。


 僕は今、風帝武装を纏ってる。だから何だって思うかもだが、風帝武装は風である。超高密度な風が風帝武装として僕の体を守ってる。そしてエアリーロは風の精霊で召喚獣だ。僕は会長ほどに起用じゃない。あいつは戦闘中、必要なコードを随時紙に書いてる用だ。でも、僕はそんな事はできない。普通ならね。でも、ある程度の自分の体の操作をエアリーロに任せてしまえば……それが風帝武装では出来た。今の今までしらないメリットだった。てか気付かない。普通、自分の体の操作を他者に譲るなんてしないからだ。でも今は……今だけは必要だった。ヘタなコードは会長に直ぐに妨害されそうだしね。

 それなりに頑張るには、二つの事を同時に……とか難しい。それに会長に何かやってる……なんて感づかれるのはデメリットしかない。あいつはこっちのちょっとの変化から、状況を読める奴だ。だから僕の体をエアリーロに違和感を出さない程度に任せて、残りのリソースでコードを書いた。


 そのコードはこのステージのプレイヤーの位置を任意で移動させてる会長の仕込みへの対策。無効化は不可能だったから、そのコードのリンクを取得して、情報をこっちでも取れに用にした。バックドアを仕込んだみたいな感じだ。これで不意のテア・レス・テレスの移動や出現がわかる様になった。本当は皆にもこれで指示したいところだけど、それは僕の役目じゃないし、そんな余裕もない。これも社長に教えたいが僕には気軽にコードを貸し与えるとか……そんな事は出来ない。あれは会長の奴が特殊なペンを保持してるから気軽にやってる事だ。


(やっぱりお前は見捨てたりしなよな)


 狙い通り会長は吹っ飛ばされた後衛のプレイヤーを受け止めた。受け止めた瞬間――それはどうあっても無防備な隙。僕は会長にフラングランを振り下ろす。そしてここでもう一つのコードを発動させる。それは移動の妨害のコードだ。ここで会長に例の一瞬の移動をされたら、意味がない。だからコードの発動の妨害。僕がテア・レス・テレスの瞬間移動を察知してたのは会長は気付いてただろう。でも妨害は一度もしなかった。それはこのためだ。


 僕のコードのスキルではそこまで出来ないと思わせる罠。それも全てこの時の為。逃がさない。今度こそ絶対にだ!!

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