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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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「くっ……」


 じりじりとだが……確実に我らは追いつめられてる。どれだけのプレイヤーがそれに気付いてるのだろうか? たぶん有象無象の奴らは気付いてないだろう。だが流石にリーダー格の奴らはそれに気付いててもおかしくはない。自分よりは愚かだと思ってても、リスペクトしてないわけではない。奴らは良いライバルだ。


 そんな奴らだから、きっと気付いてるだろう。だが、なにも言わずにこちらの指示に従ってくれてる。それはこの戦いの前に決めた協定だからだ。指示は一系統に集約させる。そうしないと、テア・レス・テレスとははりあえない。それぞれ自分たちのチームに誇りと矜持を持ってたから、それぞれでやってたが、最初の二回のエリアバトルは結局敗北。

 このままだと我らの名声は地に落ちる……そうこのいけ好かない女に言われて渋々それを受け入れた。だが悔しいがその通り。ここまでの戦いでそれを実感する事しか無い。そもそもがテア・レス・テレス……いや会長はそれを狙って起こしてるとしか思えない。


 さっきの四等分の分断もそうだ。そしてその前から……


(左舷方向は一度下げさせるか。後方B部隊の魔法を掃射させる。詠唱の必要時間を計算して、合唱魔法はあと五秒後には完成するが、今はダメだ。隙を作るために右舷と中央に死力をつくして貰おう。こちらのスキルのインターバルも計算通り)

「スオウ君、中央を突っ切れ。出来れば会長に一手お見舞いしてくれると暁光だ」


 頭で戦況を組み立てつつ、言葉でも指示し、更に手を動かして大多数の割り振った部隊を操る。この戦場は私が支配してる。その筈だ。なのに……スオウを使っての攪乱に、部隊の投入。畳みかける合唱魔法の配置。流れる様に進んでる。なのに……奴らは減らない。

 合唱魔法は当たった筈だ。そして奴らには既にこちらに還せるシステムはない。なのに、死なずに奴らは合唱魔法を正面から突破、更に引かせてた左舷が攻め込まれてる。左舷には中央の部隊のいくつかをやって足止めを……いや、合唱魔法を防いで攻め込んでる奴らが……いや、ここで引くの? すると上空からいくつもの矢が降ってくる。

 これだけの魔法……普通なら合唱魔法を防ぐ為に使うだろうに、次の一手に使うか!!


 手と頭を動かせ。止まったらおしまいだ。私自身が止まると、部隊全体が止まる。それは敗北を認めたと同義。それだけはやってはいけない。だが……押し迫る敗北が見えるかのようだった。全てを俯瞰して見てるからこそ……それが迫ってくるのがわかる。どれだけの味方が今ので減ったのかも把握してる。こちらは徐々に数を減らしてる。なのに……テア・レス・テレスは今もこのステージに着いた時から一人とて減ってはいない。


 それが明確な指揮官の差なのだと……突きつけられてる。だがそれでも……私は社員達を見捨てて自分から放棄なんてできない。なにせこれが……これだけが私の仕事だからだ。

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