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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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 フラングランが会長の体へと吸い込まれる。会長は僕の事に気付いてさえいないだろう。そして気付いた時には終わってる。一撃で止まる訳ない。出来うる限り連撃をたたき込む! おっさんの強大化した剣、そして僕の攻撃。会長には逃げ場なんてない。

 でも完全に虚を突いたにもかかわらず、会長には届かない。


「ぐあああ!?」


 それは僅かな雷撃だった。雷撃というか、まるでスタンガンみたいな攻撃。ダメージなんてほぼない。けど、体の一瞬の硬直。しかも完全に会長は気付いて無かったのにそれだけが反応した感じだった。会長が完全に気付いてなかったからこそ、こっちだって反撃はないと思い込んでた。だからこそ完璧に食らった。


「スオウの早さを警戒してないわけないよね?」


 首を回してそういう会長。そんな事わかってる。僕が会長を警戒する様に、こいつだって僕を警戒してる。でもこいつは出来る事がありすぎるから……伺ってるだけじゃじり貧にしかならないんだ。


「スオウ」


 そう言って体をこっちに向けてその手が迫る。別段その手には紙もペンもない。ペンはそもそももう一方の手にある。けどなんか触られちれゃいけない気がした。後ろに――いや!


 僕はズバッと会長の腕をきった。反撃効果はないし、他のテア・レス・テレスに仕込んである攻撃が還るコードは会長にはないみたいだ。


「む、そこで下がらないと流石スオウ」

「会長!!」


 ようやくちょっとだけテア・レス・テレスから焦りって奴を感じる。更に追いつめようと思ったが――


「離れろ邪魔だ!!」


 その言葉で僕は会長から距離をとる。すると会長の姿が消えた。避けたから見えなくなったとか、そんなんじゃない。今のは完全に食らった筈だ。何が起きたかと言うと、おっさんの奴がズレて床に落ちてた剣を横に動かした。

 壁の様になってた大剣だ。普通は一度引いたりして勢いつけないと振るっても勢いなんて出ないだろう。けどおっさんの大剣はまるでブースターでもついてるの? ってくらい、勢いよく動いた。でもそれでも結局当てたのは剣の腹の部分な訳で、ダメージがどのくらい通るのか……


「なに?」


 それは剣を振ったおっさんの声。そしてそういうのも当たり前だろう。だって今、おっさんの腕は斜め上に上がってる。おかしな事だ。だって会長は地面に立ってて、地面についてた大剣は横に動かすだけでよかった。なのに……何故かおっさんの腕は上がってて大剣は空を切ってる。


「その剣は、私ともう仲良しですよ?」


 そんな風に意味不明な事をいって会長が立っていた。

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