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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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『空間干渉系の魔法なら効果有り。一応伝えておいてあげる』


 そんな通信が入ったのは、こっちが追いつめられてる時だった。後方からは空間から生えた腕が迫ってて、前方にはテア・レス・テレス。後方の腕には普通の攻撃は効かないし、テア・レス・テレス共にはヘタに攻撃すると、そのダメージがこちらの誰かに還る。


 一撃で倒せばどうなのかとか有るけど、流石にここまで残ってるテア・レス・テレスの精鋭だ。それに色々と会長の紙も仕込んでるだろうし、流石に一撃で沈めれるともおもえない。そうなると、渾身の一撃ってのも撃ちづらい。

 なにせどのくらいのダメージが還るのか、そこまでは把握できてないんだ。与えたダメージによって上下するのか、それと決まった数値が引かれてるのかわからない。なにせダメージが還ってるのは完全にランダム。ダメージを与えた奴に還れば、簡単にわかることなんだが、戦場を四等分されて、更にその全てで戦闘が起きてるとあっては……ね。


 そこらへん特定されないように向こうはやってるとみたほうがいい。


「後ろから迫ってきてますぅぅぅ!」

「どうするぞよか?」


 初心者の彼女と、ギョクリさんがそういってくる。僕たちは中央付近に集まってた。どうやらテア・レス・テレスの連中は僕たちがどう動くか余裕をもって観察してる。まあ奴らにはその余裕があるだろう。てか多分あいつらは多分、倒されても問題ないと思ってる気がする。


 その自分が倒されるまでに負うダメージ分、こちらの味方を連れていけるとわかってるからだろ。敵を一人倒すために、こっちが何人犠牲になるのか……運が良ければ、一人も犠牲も出さずにいけるだろうが、それをコントロールすることは現時点では出来ない。


 ヘタにダメージを受けてる味方に重なると、テア・レス・テレスの一人を倒してもこっちは数人犠牲になる……なんて事になってしまう。それでも計算上はこっちが最終的には残るけど……そんな曖昧な作戦を会長が使うとはう思えない。

 絶対に帳尻は合わせて来る奴だ。


「どうやら、二カ所は腕を撃退したみたいですね」


 ローレの奴と、それとスーツの人が居るところだ。人形使ってる男女さんはテア・レス・テレスを倒す方を選択したらしい。おかげでこっちの仲間にもダメージがきてる。それを見てる限り、ダメージは固定されてないように見える。でもどうなんだろうか? 断定はできないな。


「倒す方法はないぞよか?」

「あるにはあります」

「なら、早く、やったほうがいいぞよ! このままじゃ、後ろと前から同時に襲われるぞよ」


 確かに……ギョクリさんの言うとおりだね。テア・レス・テレスの奴らも、今はこっちの出方をうかがってるが、ただ棒立ちしてるわけじゃない。何かやってる。紙がチラチラと見えるからきっと碌でもないことだ。あれが見えてまともな事が起こったことがないし。


 既に腕は目と鼻のさき。迷ってる時間はない。僕にはオリジンというスキルがある……けど一応皆の事を一通りみる。


「俺がやってみてもいい」


 そんな事を言うのは、僕よりもここの仲間から信頼されてるプレイヤーの人だ。かなり強いし指示も的確。さも名の知れたプレイヤーの方なんだろう。僕はそこら辺疎いから知らないけど。


「それはありがたいですけど……」

「何か考えがあるんだね?」

「危険が伴いますけど、確かめたい事があります」

「ならそれでいこう」

「いいんですか?」

「いいかどうかはわからないが、必要だと思うんだろう? ならやるべきだ」


 この人、やっぱりめっちゃいい人だね。寧ろギョクリさんはここのリーダーに僕じゃなく、この人を指名すべきだったと思う。まあ既に肩書きだけど……でも実質リーダーやってるこの人がそういえば、反対意見はでない。不安がってる初心者の彼女に僕は「大丈夫」とだけ言って行動に移った。

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