1243
「じゃじゃーん! 最高で最高な俺様登場!」
アホな声と登場したのは顔の半分を隠す様な仮面を被って豪奢なコートを肩に羽織った怪しい男――オルガトだ。
「マスター随分待たせるじゃん。俺っちを待たせるなんてマスターくらいのもんだぜ?」
嘴を開け閉めしてそういうオルガト。そして、戦場に目をやって、大袈裟に驚いてみせる。
「おう! 俺っちの食事がいっぱいじゃん。上手そうだ」
オルガトは長い舌でその嘴を舐める。お腹をすかせてそうなこいつにローレがその許可を与えれば……
「あんたを完全に出しておくのは辛いんだから、さっさとやりなさい」
「オーケーオッケー! ではでは皆さん、冥府へとお誘いじゃん」
そう言ったオルガトの手には金色のホルンが現れてた。それを口に持って行き、吹き鳴らすオルガト。するとこの戦場のあちこちに魔方陣が現れる。更にその魔方陣からミミズの様な気持ち悪い物が大量に伸びてきた。そしてその先端はとても凶悪な口がついていた。
「よーし、やれ! やっちゃえっす!!」
軽くオルガトはいうが、その光景はエグい。いろいろな場所から出てきた化け物共が、テア・レス・テレス達を飲み込んでいく。実際、一撃で倒してる訳じゃない。その大きさで一飲みして、中でHPを搾り取ってるようだ。そしてそのHPはどこに行ってるのかというと……
「はあ、楽になった」
「本当にエグいな」
「こういう攻撃は他にもあるわよ」
ローレの奴はなんか光ってる。その全身が。オルガトのこの攻撃はこれで終わりじゃない。倒した敵のHPをローレに加算して、冥府に送った分の実績? かなにかをオルガトは手の上で転がしてる。それは不思議な色に輝く玉だ。
「さあ、どんどん育つっす」
一気に情勢は入れ替わった。このエリアを支配してたのは明らかにテア・レス・テレスだったが、今はそれが逆転してこちらが優勢になった。テア・レス・テレスはその連携が秀逸だった。会長を絶対的な頂点としたピラミッド性の関係は、こちらよりも全然円滑な連携をとれてたんだ。
それに対して、こっちはあくまで寄せ集まり。それに大手チームは元々はライバル関係。それでも大分ましになったが、完全な一枚岩のテア・レス・テレスはやっぱり手強かった。それに向こうは有利を今まで明け渡す事もなかった。それだけ強固だったんだ。
でも、そこにローレが風穴を開けた。大穴だ。初めてテア・レス・テレスは混乱してる。それでも頑張ってオルガトが出した化け物を退けてる奴らもいるが、それでもテア・レス・テレスの被害は甚大だ。みるみる内にその数を減らしてる。
「さあ、どうでる会長?」
ローレは満足気にそういうよ。えげつない奴だ。