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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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 想定外……想定外デスよ! なんで私がこんなに追い詰められなきゃいけないんデス!? せっかく逃げれたと思ったのに! ここから私の策略がチームを救う! とか楽観的な事は勿論思ってなかったデスよ。私はただ、長く生き残ってこの戦場を俯瞰してたいだけ。

 それが役目ですし、そもそも出来る事なんてそのくらいデス。なにせただの初心者な私は、この場には全くもって相応しくないですからね。だから分をわきまえて戦場の端っこでこもっておこうかなって? そう思ったのに。


 いや、最初は勿論、なんとか戦場から逃れたし、これで私ともう一人の私の護衛だけは戦場を自由にいけるから奇襲でもしようかな? とか、色々と情報でも集めれば……とか思いましたよ? でもその思いははかなくも消え去ったデス。


 どうやらテア・レス・テレスは私たちみたいなはぐれ者もちゃんと想定してたみたい。あれから直ぐに上から数人の敵がふってきた。最初はこいつら落ちていってバカじゃん……とか思ったが、どうやら彼ら空中に一時的に足場を作る事が出来るらしい。その時、紙を使ってたから、多分あれは会長が支給したそういう力を持たせたアイテムなんだろう。そして彼らが持ってると言うこと、数に違いはあれど、きっとテア・レス・テレスの他の奴らも持ってる筈デス。


 通りでテア・レス・テレスの奴らは足場とか関係なく、時々移動してる奴らがいると思った。その種はあの紙らしい。はっきり言って書くだけで紙にスキルのような力を付与できるって相当なチートでしょう。反則的デスよ。 まあそれでも前は……そこまで強力な力とかを付与できるわけじゃないって見方が有力でした。あくまであれは小手先のスキル……その筈だったんですけどね。


 でも最初のこの頂上決戦とかでその認識は変わったデス。あの反撃効果はあからさまにおかしかったから……まあ原因はわかってる。ほとんどの人は知らないだろうですけど、私はしってる。それは祝福デス。どうやら祝福はシステムに介入できる力みたいですからね。


 最初はそうじゃなかったようですけど、祝福を集めて行く中で、そうなったとスオウがいってました。そして私はそれからちょくちょくナチュラルに日鞠も質問して色々と情報は得てます。まあ向こうも私に渡しても問題ない情報とかしか喋ってないと思いますけど。


 でもそれだけで、日鞠の元々のスキルととても相性がいいと言うのはわかります。そしてそれはもしかしたら……私たちの上が求める物じゃないのかって事も。


(今この場にいないのに、本当に厄介ですね会長という存在は)


 そう思わずにいられない。


「チルチルちゃん逃げて!!」


 そう言って彼がやってきたテア・レス・テレスの奴らにスキルを放つ。本当ならさっさっと逃げたい所です。けど、ここは結局とテア・レス・テレスのステージなんですよ。そこらへんわかってます?


「……で、でも……」


 私は一応演技で彼らに向けてやってるキャラでためらいを示す。これで気付いてほしい。けど、彼はどうやらお姫様を守る王子様の役に酔ってるみたいデス。


「僕の事は気にしないで! 君の事は僕が守ってみせる!!」

(いや……だからね。逃げ場なんてないんですよ?)


 といえればどれだけよかったか。しょうがないから一応逃げる。王子様に酔ってる彼はそれなりに頑張ってくれたが……結局の所、彼は倒されて私は足場の端っこに追い詰められた。こうなったら賄賂でも送って見逃してもらおうかな? って思ってると、おろそかになってた足下を踏み外してしまった。けどその時デス。


「大丈夫?」


 そんな事を言って颯爽と私を抱きかかえるスオウの奴が目にはいった。こついどんだけ王子様気質なんだって思った。やってくるタイミングが完璧すぎて狙ってたんじゃないの? って思う。けどきっとそんなことはないんだろう。だってスオウだから。私はなんか悔しくて、スオウの腕の中で一応お礼言ったけど。顔を隠す様にその胸にうずくまる。

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