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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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「どうする?」


 どんどんと水位が上がってきて僕は天井の方に移動してた。けどこれも時間の問題だろう。あの老人は既に水の中だ。けど、僕には底にたたずんでるのが見える。結局、あの老人は会長だったのかわからない。認めなかったし。


「スオウが私の濡れた姿どうしても見たいって言うなら普通に泳いであげてもいいけど?」


 そう言ってローレは自身の体を抱くように腕を絡ませてる。僕的にはそういう事を聞いてるわけじゃないだが……


「お前が召喚獣出せば早いって話だよ」

「私の召喚獣はそんなに安くないのよ。しってるでしょ。それに死ぬことはないんだし」

「でも、外には何が配置されてるかわからないぞ」

「まあ、水中は特殊だからね。揃えてる奴じゃないとまともに戦えないし、ジャイアントキリング狙いやすい場所ではある」


 ジャイアントキリングって……寧ろこっちがそれを狙う立場では? ローレの奴は自分が最高っていう自己評価が揺るぎない奴だな。けどローレの言うことがあるから、水中にはいきたくない。僕はほとんど、水中用のスキルなんてもってない。


 会長の事だ。水中になにもないなんて思えないんだよね。でもこの水を避けて通る事も出来なさそう何だよね。困った。既に水はそこまで迫ってる。時間はない。水の中をいくとしたらどうしたら素早くいけるだろうか? 風体武装でいいのか……そこら辺も考え物だ。


「全く、ちょっとは期待しなさいよ」

「何をだよ?」

「ふん」


 何故かローレの奴がちょっと機嫌悪い。やっぱり荷物の様に持ってるのが不満なのか? そう思ってるとローレは錫杖で天井をたたく。するとそこに魔方陣が広がった。


「まあ、これでどこまで持つかわからないけど、せっかく中にいるんだし最後まで使わせて貰うわよ」


 そう言って更に詠唱を紡ぐローレ。複雑にいくつかの魔方陣が絡み合ってる。その中心にある魔方陣には見覚えがある。さっきも使ってた重力系の魔法の奴だ。この状況で重力魔法? 


「あれ?」


 発動してるのか知らないが、今度は僕にまでかかることはない。やっぱりローレと接触してると、その対象からはずれるのかも。


「うお!?」


 なんだか船体がバキバキいってるぞ。これ大丈夫か? それになんか船体が傾いてる……いや、そんなレベルじゃなく回転したとも言えるくらいに前方だと思える部分が真下に向いた。とりあえず僕たちも天井から移動したけど……何やってるんだこいつ? 


 ここには窓も何もないから、現状がわからない。現状がわからないが、想像するとしたら重力魔法で船を重くして水中に沈めてるとか?


 普通は船は沈まないじゃん。それこそ水が浸水してバランス崩して転覆はあるが。それでも海底まで沈むなんて、マスト船では……ねえ……あるの? 先に船体がバラバラになりそうだと思う。だからか? 多分ローレはこの船をある程度保護する魔法も使ってる。けどそれでも下に行くほどに水圧は強くなってくる。

 既にボロボロで浸水までしてるこの船では最後まで持たない。けどそれでもこの船という側を利用する事で、ある程度安全に進めるって事なんだろう。

 ローレの奴が文句言いながらも、ここまでのことをやってくれてる。なら、僕だってそれに応える様な働きをしないとな。さてさて、どうするか……

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