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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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 紙吹雪を僕とローレの力で吹き飛ばした瞬間、これで戦場に合流できるという思いをあざ笑うかのように、連続して大砲が発射されるような音が響く。紙吹雪を吹き飛ばした技の影響で見えないが、狙われてるのなら、よければ良いだけだ。

 僕たちにはそれをやれるだけのスピードがある。僕とエアリーロはLROの中でも随一のスピードを誇ってる筈だ。僕たちはスピードをアップして空をかける。そしてその存在をようやく認識した。


「船?」


 思わずそんな声が漏れる。だって……船だよ? ここ空だよね? まあけどその船、確かにそこにある。別に飛空艇とか言うわけじゃなく、マジで船である。てかなんか水があるんですけど? 最初のステージは見えない。けどなんか一面に水の様な物がみえる。まさか……今の戦場ってあのしたか? 


(厄介だな)


 だって水だよ。はっきり言ってスピードって水と相性悪い。なにせどうあがいてもまとわりついてくる。そうなるとスピードはどうしても落ちる。あそこを超えないとどうやら戦場には行けないようだ。船はそこまで問題じゃない。

 けどあの水……絶対になにかあるだろう。視界をコードを見るようにすると、とてつもなく多いコードがうごめいてて、読み取るのが不可能に近い。なんだあれ? そもそもあれ、入って大丈夫な奴か? 視界を戻すと水は水にしか見えない。


 まあ普通の水は空に浮いたりしないんだが、ここはLROだしそのくらいはおかしいと思うことでもない。その水面に一隻の船があるくらい、驚異じゃない。やけに砲門が多いが、あれが当たるとは思えないからね。絶えず発砲する所は、流石だとは思う。普通弾込める時間が必要だろおい……とか言いたくなるが、そんな物はどうとでもなるだろう。


 厄介なのは、案外砲弾の爆発範囲が広いくらいか。でもそれで僕とエアリーロならよけられる。よけられるけど……なんか……意図を感じる。丁度、まさにギリギリよけられる範囲を計算して爆発してるような。


「うん? ――づっ!!」


 僕は無理矢理軌道を変えてそれをよけた。けどどうやらエアリーロはよけきれなかったみたいだ。僕のほうが小回り効くからね。そこら辺、有利だったのかもしれない。まあけど、エアリーロの背中にはローレがいる。どうとでもなるだろう。実際、エアリーロは海に落ちる事はなく態勢を立て直してる。


 でも今の攻撃は一体? 爆発の中に混じって鋭い一撃が来た。こっちがギリギリで爆発をよけたその瞬間を狙ってるのか、確かにそれは合理的というか、性格悪い。普通は一回避けた直後とか、重心とかの関係で別方向に行くとかできないからな。

 まあ僕は風体武装でなら、それが出来るけど。でも流石にエアリーロには厳しい。


「あの船か?」


 でも別にプレイヤーの姿とかは見えない。僕の目なら、隠れてるプレイヤーも直接は見えなくても、そのコードを見えて良いんだけど……乗ってるのは砲台だけの様な……いや……


「鏡? アンテナみたいな形した……あれか?」


 三つある大きなマストの先端にキラリと光るそれがある。あれが怪しい。他に目立つ物はないし、僕はそれを目指し空を駆ける。

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