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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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「チルチルちゃんをやらせるか!!」


 そう言って私の仲間がウンディーネの人の攻撃を防いでくれるデス。でもこちら側はどちらも普通の人だ。流石に水中ではウンディーネに部がある。なにせ向こうは元々が海に住む種だからだ。彼は持ってる盾を光らせて、多分スキルだろう、それを発動して私たちを丸い円の中に入れて守ってくれてる。


「チルチルちゃん、大丈夫、息できるから」

(え?)


 私は恐る恐る口を開けてみる。ゴボボボと空気の泡が上ってくし、口の中に確かに水が入ってくる感覚がある。別段しょっぱくはないけど……これで息できるっておかしい。けど、私の仲間の三人は普通に喋ってるんだよね。それを考えると、そうなんだろう。


 でも、常識で考えたら、水の中に入って息が出来るなんておかしい。けどここはLROであって現実じゃない。私たちは意識の中でこの体を得て動かしてるだけデス。夢の中で溺れたって死なないように、ここでもきっと同じ! 私は口の中に入ってくる水を無視しして空気を吸うことを意識する。すると――


「確かに……息できますね」


 これ、誰もが気づくことじゃないよね? それともLROを長くやってると、自然と気づくことが出来るのかな? 私はまだ一週間もやってないからわからない。


「これは不味いな……せっかく落として倒してたと思ってた奴らもこの水で助かってるだろうし……それに大体は水の中で自由に動けるほどのスキルなんて持ってない」

「皆も?」

「ある程度はそろってる。けど、種族的にはウンディーネには及ばない」


 確かに……ウンディーネは寧ろ水中の方が早いまである。それにテア・レス・テレスはこっちよりも多くウンディーネを揃えてたみたいだ。こっちにもウンディーネの人が居て奮闘してくれてるみたいだが……テア・レス・テレスには二桁を超すくらいにはそろってる。三パーティーくらいはいる。大してこっちは片手くらいしかいない。


 ウンディーネは地上では制約も多いからね。私も最初の種族選びの時に真っ先に候補から外したちゃった種デスよ。なかなか選びづらい種だから、ウンディーネはLROでも特にプレイヤーが少ないって言われてる。勿論全体で言えばもっともっと沢山居るでしょう。


 でも、全体数が少ない中、こんな戦いに参戦してるウンディーネなんて更に少ないに決まってる。数人居ただけでも、こっちとはしては行幸。でもおかしい。これを狙ってやってたのなら、テア・レス・テレスはもっとウンディーネを用意しててよかったんじゃないだろうか? 


 だって水中なら圧倒的にウンディーネが優位だ。優位……ん?


「なんですかあれ?」

「さあ?」

「やっぱり上位のチームはすげーな」


 私たちは呆れるように周囲をみる。一人は武器を振って自分の周囲の水を押し飛ばして自分の戦闘範囲を確保してるし、また別のチームの奴はさっきも猛威を振るってたフィギアたちが脚というか腰から下を高速回転させてウンディーネを上回る軌道を水の中で実現してた。


 大手チームを名乗るところは、どうやら伊達じゃないみたいデス。

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