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第九話
                     第九話  会談
 タロとライゾウはそれぞれの兄弟との会談に入った。見れば同じ姿をしている。
「久し振りだな、兄貴」
 ライゾウが兄弟に挨拶する。
「つっても何かはじめて会った気分だな」
「気分じゃなくてそうだよ」
 ライゾウ兄はそう弟に返す。
「実際に初対面だろ」
「それもそっか」
「兄さん」
 タロ弟がタロに声をかける。
「母さん元気?」
「まあね」
 タロはそう弟に返す。
「今でも元気にしているよ」
「それはよかったよ」
 タロ弟はそれを聞いて顔を綻ばせる。
「ずっと心配していたんだよ」
「母さんも御前を心配していたよ」
「そうなの」
「そうさ」
 そう弟に返す。
「一度顔見せた方がいいぞ」
「うん、時間を見てそうするよ」
「ああ、絶対にそうした方がいい」
「うん」
「それでだ」
 ここまで挨拶をしたうえで四匹は話に入った。ちゃぶ台を囲んで座布団の上にそれぞれ座っている。座ってはいるが胡坐ではなく動物の感じであった。
「こっちの御主人達がそっちの御主人の相手をすることになったんだよ」
 ライゾウがまず述べてきた。
「それでな。おいら達はここへ来たんだ」
「幾ら何でも兄弟とはやり合いたくないからね」
 タロも言う。
「それでさ。僕達だけでも」
「休戦協定といかないか?」
 タロとライゾウはそう兄弟達に提案してきた。そのうえで兄弟達を見る。
「どうだい?」
「ああ、別にいいぜ」
 ライゾウ兄がそう答えてきた。
「こっちも願ったり適ったりだ」
「何だ、あっさりとしてるな」
 ライゾウはその言葉を聞いてかえって驚いた。
「もっと揉めるかと思ったのにな」
「だってさ」
 タロ弟が述べる。
「あの博士は」
「酷いぜ」
 ライゾウ兄も言う。
「どう酷いんだよ」
「聞きたいか?」
「ああ」
 ライゾウがそれに応える。
「教えてくれよ、兄弟」
「わかったよ。それじゃあ」
 彼等は話をはじめた。こうして博士について話を聞くのであった。


第九話   完


                2007・2・13

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