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第四十四話
                   第四十四話  ミサイル
 宇宙船を作り地球に戻ることにした天本博士。だがそんな彼に対して地球の人達の反応は冷ややかというものではなかった。
 ミサイルが本当に来たのだ。それも無数に。
「本当に来るとはのう」
 博士はそのミサイルを見ても平気な顔である。宇宙船は何か得体の知れない不気味な構造になっていた。しかも元の人工衛星より遥かに大きい。何故そんなふうになってしまったのかは博士だけが知っている怪奇現象である。
「ふむ。しかし」
 目を光らせて言う。
「この程度でわしを倒せるものかのう」
 ニヤリと不敵に笑った。すると。
 いきなり宇宙船からブラックホールを発射した。それでミサイルを全て消し去ってしまったのであった。それも一瞬で、である。
「見たか。この程度ではわしは倒せぬは」
 彼にとっては造作もないことであった。しかしそれはミサイルを発射した方にとってはたまったものではなかった。
「何っ!ミサイルが一瞬で!」
「あの博士は健在か!」
「そのまま地上に向かっています!」
 NA○Aではもう宇宙怪獣が来たような騒ぎであった。あげくにはとんでもないことまで言い出す研究員まで出て来ていた。
「ウルトラ○○呼べ!」
「皆帰ってます!○○ペラー○人いなくなって!」
「じゃあ仮○○イ○ーだ!誰かいるだろう!」
「今電車に乗って過去に皆行っています!」
「全員か!」
「はい、全員です!」
 最早絶望的な状況であった。打つ手がない。
「誰もいません!」
「じゃあこのままあの博士を地球に戻すのか!」
「クラウンに任せるしか」
「ううむ」
 皆そう決断せざるを得ない状況に腕を組んだ。
「参ったな」
「ミサイルもうないですしね。それにあっても」
「下手をしたら地球にブラックホールを撃つな」
「ええ」
 そういう博士である。常識は一切通用しないのだ。
「もう諦めましょう。後は日本に任せて」
「そうだな」
 皆やけに軽く賛成した。実は今ここにいるのはあの五大国の人間だけで日本人は一人もいないのである。もっともいても同じであるが。
「あの博士は日本人だしな」
「そうですよ。ここは日本の主権を尊重して」
 普段はそんなもの一切尊重しないがこの場合は別であった。とにかく身勝手な五大国の面々であった。
「任せましょう」
「よしっ、それじゃあ」
 彼等は急に明るい顔になって言い合う。
「寝るか」
「はい」
「日本に期待して」
 無責任に寝てしまった。なおその話を聞いた日本は。
「大変だ!折角宇宙に追い出したのに!」
「くそっ!あいつ等またこっちに厄介ごとを!」
 火宅になっていた。不幸とはえてして帰って来るものである。


第四十四話   完


                2007・9・13
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